cococolor cococolor

20

Jan.

2018

data
23 Apr. 2015

LGBT人口7.6%、市場規模5.9兆円。「レインボー消費」見えた –LGBT調査2015-

shutterstock_262618184s

<人口の7.6%がLGBT層。市場規模は約5.9兆円>

電通ダイバーシティ・ラボ(以下DDL)が4月に全国69,989名を対象に実施した調査の結果、LGBTを含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティ(以下、LGBT 層)は、全人口の7.6%、LGBT層の消費・サービス市場が5.94兆円であることが発表されました。

sexualitymap
(電通ダイバーシティ・ラボ制作の「セクシュアリティマップ」)

<LGBTを巡る社会情勢の変化が顕著に>

DDLによると、前回の調査から約3年の間にLGBTを巡る社会情勢が大きく変化した、とのこと。欧米諸国を中心に同性婚を認める法律が制定され、最近は日本でも、渋谷区で日本初となる、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例が採択されるなど法令の整備が進んだことや、アップル最高経営責任者(CEO)のティム・クックが同性愛者であることを公表するなどビジネス界を含む角界著名人からのカミングアウトが相次ぐなど、LGBTに関連する情報が日本でも多く発信されるようになり、LGBTを肯定的に受け入れる社会風潮が高まりつつあるようです。
cococolorでもLGBTのトレンドを紹介する記事を多く取り上げてきました(参考:LGBTと社会をつなぐ〜TSSAから振り返る2014年 など)。

 <注目は消費傾向「レインボー消費」の萌芽>

今回の調査で特に注目したいのは、LGBT層を起点として広がる消費スタイルです。LGBT当事者の消費だけでなく、その周辺の一般層(LGBTに該当しないストレートの人)でLGBTを支援・支持することによって生まれる消費など、拡がりのある消費傾向が浮かび上がりました。DDLでは、これを「レインボー消費」と命名しました。
「最近は企業としてLGBTにどう取り組むべきかという問い合わせや相談が以前より明らかに増えています。調査の結果では、LGBT支援を宣言している商品・ブランド・店・サービスを利用したいと考えている消費者はLGBTのみながらず一般層にも53%いることがわかりました。また、一般的な家族や異性同士のカップルと一緒に、同性カップルが登場する広告の商品を利用したいと感じる人が一般層で47%いるなど、LGBTだけではなく一般層に、LGBTを支援する気持ちを持つ傾向も見られることが明らかになりました。一般層の中でLGBTのことを理解し、自分にできることは何かを考えて行動する支援者=アライ層の存在も明らかになりました。(本調査担当・阿佐見綾香/DDLジェンダーグループLGBTチーム)」。

 <ポイントはLGBTの人たちに「寄り添う」視点>

「ここでポイントとなるのは『対象をLGBT当事者だけに限定しない』ということです。例えば、もしもゲイの人専用につくられた商品がある場合、それを購入することはすなわちカミングアウトすることを意味します。LGBT当事者であることを明かすことに難しさを感じている人たちが多くある現在の社会では、LGBTの人を特別視するのではなく、LGBTの人たちと一緒に生きやすい社会をつくるという姿勢を持って商品やサービスを考えていくことが、当事者のみならず支援者からの共感を呼ぶことにつながるのです(同・阿佐見)」
 LGBTへの関心が高まりを見せつつある一方、LGBTへの正しい理解を持った人はまだ少ないという結果も出ています。「調査の結果、自分はLGBTに偏見が無いと答えた人たちの中にも、その理解度にはばらつきがあることがわかりました。LGBTについての理解を浸透させるための取り組みも、まだまだ必要と言えそうです(同・阿佐見)」

< LGBTを肯定的に受け入れることで、社会の可能性も広がる>

今回の調査結果の発表を受けて、LGBTの支援活動に取り組んでいるレズビアンカップルの増原裕子さんと東小雪さんにコメントを伺いました。

 「LGBTに触れたことがない、という人は、周りにいないから触れたことがない、のではなく、カミングアウトが難しいから見えていないだけ。今回の調査でLGBTの人が一定数いることが明らかになったことが、企業や政府の取り組みが進むことにつながればいいなと思います。LGBTの人たちには、結婚式にまつわるサービスや保険(同性のパートナーが受取人として認められない)、ローン(同性パートナーと共同ローンが組めない)など、使いたくても使えないサービスはまだまだたくさんありますので、そういった商品・サービスも今後増えていくといいですね」(増原さん)
「3年前に比べるとLGBTという言葉は随分浸透し、今ではCSR(企業の社会的貢献)という言葉と同じように、ビジネス用語の一つ、新しい基礎知識として受け止められるようになってきました。今回の調査結果を見て、自分の近くにもLGBTの人がいるかもしれないと感じたり、LGBTを支持するアライの人が増えるきっかけになればと思います」(東さん)

DDLは今後もLGBTに関する研究を続けながら、レインボー消費や市場コミュニケーションについてより深い分析を重ね、近々発表していく予定とのこと。
 cococolorでも、LGBTをダイバーシティ社会を考える上で重要なテーマとして、これからも関連情報を積極的に発信し続けていこうと考えています。

電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2015」

「LGBT調査2015」に関する問い合わせ先
 電通ダイバーシティ・ラボ 阿佐見 TEL:03-6216-8103 / 伊藤 TEL:03-6216-8458

取材・文: cococolor編集部
Reporting and Statement: cococolor
関連ワード
関連記事