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Mar.

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3 Jun. 2016

自分らしさを表現するのがファッション:ストライプインターナショナル–東京レインボープライド2016-

東京レインボープライドに今年初めて出展した、株式会社ストライプインターナショナル(以下ストライプ)。同社のブースでは『着たい服を着よう』『着たことのない服を着よう』をコンセプトに企画を実施。ブーススタッフのサポートのもと、来場者が自分に合ったコーディネートを自由に選び、実際にその服を着て写真撮影してもらうという企画を展開し人気を博していました。ストライプが東京レインボープライドに出展を決めた理由とは?そして、取り組みに対する内外からのリアクションとは?人事部採用チームの上野真未さんにお話を伺いました。

_42A6564          (ブースの様子)

編集部:
こんにちは!ブース、たくさんの人たちで賑わっていますね。

上野さん:
ありがとうございます!

編集部:
今回、初めての出展を決めたきっかけは何ですか?

上野さん:
弊社は、2016年3月に「(クロスカンパニーから)ストライプインターナショナル(STRIPE INTERNATIONAL INC.)へと社名変更しました。多くのストライプ=線が並んで、それぞれの線がまっすぐに伸びるストライプのデザインのように、私たちは、それぞれの個性を大切にしたいと考えています。「ダイバーシティ」については、これまで「女性の活躍推進」や「男性の育児休暇」などを中心に進めて来ましたが、今後本格的なグローバル展開をはかる上でも、これまで以上に多様性を大事にし、一人ひとりが活躍できる会社をつくることが大事だと考えたのです。

 編集部:
より幅広いダイバーシティに目を向けた結果、LGBTや性的マイノリティといったテーマにも取り組むべきと、お考えになったのですね。

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上野さん:
はい。電通ダイバーシティ・ラボの最新のLGBT調査(LGBT調査2015)では、日本にはLGBTの人は約13人に1人の割合でいると紹介されていました。弊社は約3,000人の従業員がいますので、200人以上の当事者がいる可能性があるということになります。これは、すぐにでも取り組まねばと。それまで出来ていなかっただけに、危機感もありました。

 編集部:
社名変更が今年の3月ですから、動きが非常に早いですね。

 上野さん:
社内で興味を持っているメンバーを集めてダイバーシティに取り組むプロジェクトを立ち上げ、まずはLGBTの領域で動き出すことにしました。実は今回の出展が、プロジェクトとしては一つ目のアクションなんです。

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編集部:
ブースのコンセプトも、皆さんで考えたのですか?

上野さん:
プロジェクトメンバーで、「ファッションとジェンダー」という切り口から何ができるかとアイデアを出し合いました。そして「自分らしさを表現することがファッション。だったら、自分らしさが表現しづらいと感じている方にも試してもらえるきっかけをつくって、新しい自分を発見していただこう」と考えました。

編集部:
訪れた方々の反応はいかがですか?

上野さん:
普段、女性用の服売り場に入りづらいと感じている方に、安心して試着を楽しんでいだけましたし、LGBT当事者ではない男性の方も、「『リリーのすべて(*)』のリリーの気持ちが少しわかったかも」とか「ワンピースって、結構いいな」と言って、楽しんでくださいました。

 (*)世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人リリー・エルベとその妻の揺るぎない愛を描いた映画作品

IMG_5295 (1)   (ブースを訪れたcococolor編集部メンバー)

編集部:
きっと、多くの方たちにとって、新鮮な体験だったでしょうね。

上野さん:
そうですね。喜んでくださる様子を見て、こんな風に気軽に着ていただける場ができるといいなと、私たちスタッフも感じました。弊社では、インターネットを使って、ストライプブランドのファッションアイテムをレンタルできる『mechakari(メチャカリ)』というサービスを展開していますし、ネットショップもありますから、是非気軽に、自分らしさに挑戦していただけたらと思っています。

編集部:
ところで、今回の出展がプロジェクトの第一弾とのことですが、社内や実店舗での展開については、いかがでしょう?

上野さん:
社内では、本社や本部で管理職向けの講習会を開催しました。管理職を通じて、学んだことを各部門や店舗のスタッフに伝えている段階で、社内での展開はまだ始まったところです。
また、「世界一楽しい社員名簿」を目指して昨年社内SNS「amily」をスタートしたのですが、そのアカウントに、アライ宣言をレインボーカラーのクローバーマークで表現できるように改修しました。社内にアライがいる、ということで当事者が少しでも安心感をもっていただけると嬉しいです。 

talknight4   (社内で開催されたセミナーの様子)

編集部:
人事制度の見直しは検討されていますか?

上野さん:
これからですね。既婚者(異性カップル)にしか使えない制度や、性別の記入が男女の二択しか用意されていない文書もまだありますから、今後、そういったところを変えていく必要があると感じています。

編集部:
制度改革はこれからということですが、LGBT講習会を開いたり、プロジェクトチームを立ち上げたことで、社内の雰囲気に変化はありましたか?

上野さん:
変化は、確実に生まれてきていますね。今回のプロジェクトのメンバーにも、本部の社員の他に店舗スタッフも入っていますし、もともとこういうテーマに関心があったスタッフも多かったようです。

DSC_1305(役員(写真中央)自ら、これまで着たことのない服に挑戦。ストライプさんの明るい社風が伝わってきます)

編集部:
社外への発信についてはいかがでしょう?

上野さん:
今回の東京レインボープライド出展以外には、まだ発信できていませんので、これから徐々に考えていきたいです。

編集部:
今後、プロジェクトをどのように展開していく予定ですか?

上野さん:
メンバーの間では「本当は誰もが、人には言えない、“マイノリティ”の部分を持っているはずだよね」「ダイバーシティについては、みんなが考えていけるようになって欲しいね」という意見がでています。今後は更に、世の中にあるいろいろな多様性を認め合うことを広めていけるプロジェクトにしていきたいと思っています。アパレルを中心に展開する企業として、多様性にどう向き合っていくか、そして、多様性とLGBTというテーマをどう結び付けていくか、今後もいろいろな方と考えていきたいと思います。

編集部:
これからがますます楽しみですね。どうもありがとうございました!

DSC_1307(インタビューに協力くださった、人事部採用チームの上野真未さん)

 参考:
株式会社ストライプインターナショナル 
LGBTを応援する気持ちを形に!A-License(アライセンス)をゲットしよう -東京レインボープライド2016-

取材・文: cococolor編集部
Reporting and Statement: cococolor

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