cococolor cococolor

21

Sep.

2018

case
25 Aug. 2018

着物は、世界一バリアフリーな衣装。 YAMANOの「車いす着付け」で、おしゃれの楽しみをすべての人に。

20180613_133725

8月25日は、東京パラリンピック開幕2年前。いよいよ2年後にやってくる世界的スポーツ大会に向けた、盛り上がりのスタートをあちこちで感じられそうです。

「車いす着付け」を、ご存知でしょうか。

山野学苑の、初代山野愛子校長が、車いす生活になった頃、それまで同様に着物を楽しみたい、という気持ちに応えるため、当時の講師たちが開発。その反響の大きさから、山野美容芸術短期大学では、1999年に美容福祉学科を設立するきっかけになりました。

それから25年近く経った今、山野美容専門学校では、全生徒に対して、この車いす着付けの技術を必ず、教えています。

着物というのは、健常者にとってすら、なかなかハードルの高いもの。それを、車いすに乗っていても、たった3分で、留袖や振袖など、様々な着物を簡単に着ることができる。だから、諦めていた晴着を着られる、ということで多くの車いす利用者の、おしゃれの選択肢を拡げています。

 

ここからは、山野美容芸術短期大学にて行われた、青木和子教授による車椅子着付け授業の様子をレポートします。

さらに、あらゆる人のおしゃれの選択肢を拡げる取り組みをされている、山野美容専門学校の山野愛子ジェーン校長に、学苑としての思いや、今後の展望についてお話を伺いました。

■車いす着付け授業の様子

20180613_133832

美容学校の生徒たちに、車いす着付けを教える青木和子先生

 

ゴールド、シルバー、パープル、グリーン・・・

鮮やかなヘアカラーに、お揃いのスタイリッシュな白衣をまとった山野の生徒たちが、真剣なまなざしを向ける先には、車いすと、着物一式。

着付けの授業はもちろん必須科目ですが、この日のテーマは「車いす着付け」。青木和子先生は、車いす着付け自体が学生たちにとって親しみやすく、理解しやすいものとなるよう、溌剌とした口調に、ジョークも交えながらテンポよく授業を進めていきます。

 

20180613_134112

山野の授業は、全員に配布される教科書とタブレットで進められていく。

 

学生は、教科書の「着付け」の章を参照しようと手元を観るけれど、青木先生の授業はインタラクティブ。次々と学生たちに質問を投げかけ、退屈する暇を与えません。

学生たちは、「車いす」と「着付け」という日ごろ見慣れない組み合わせに、はじめこそ多少の戸惑いが見られましたが、そこはさすが美容家のタマゴたち。青木先生の熱のこもった弁と、無駄のない手つきに、自然と心を奪われ、食い入るように覗き込んでいます。

 

20180613_13461920180613_134739

学生自身にモデル、着付けのサポートをさせながら、いとも簡単に着付けを施していく。

 

モデル、サポート役となる学生たちを前に迎えると、授業の勢いはさらにヒートアップ。あっという間に完成した紋付の着付けに、学生たちも感心しきりの様子でした。

最後には、先生自身の失敗談も交えながら、締めくくり。

初めて目にした車いす着付けの技術に感心すると同時に、あらゆる人を幸せにすることのできる「美容の可能性」に改めて気付いた、という感想を持つ学生も多くいました。

 

■青木和子先生の思い


美容業界では、ダイバーシティについての意識や取り組みが進んでいます。なぜなら、我々の仕事では、お客さまがどんな違いをお持ちだとしても、おもてなしの心を持つことが基本だからです。

そして、「着物ほど、バリアフリーな衣装はない」と思っています。着付けの工夫ひとつで、あらゆる体の形や大きさにフィットさせられる、この車いす着付けの技術に、とても可能性を感じています。今後は、車いすの方がご自身でできる着付けを開発していきたいです。

私自身が教育者として、美容の持つ、人や社会を幸せにする力を信じていますし、学生たちにも感じてもらいたい。だから、今でも約1000人の学生全員に対して、私自身で車いす着付けの授業を行っています。

 

■山野ジェーン校長からのメッセージ

20180613_132842

山野学苑では、誰にでも幸せになる権利を持っている、その中で、美がもたらすことを真摯に考え、近年では、ジェロントロジーという研究分野に注力しています。

これからの時代は、Handicappedではなく、「Handy Capable」。つまり、できないことではなく、「何ができるのか」ということに目を向けて、恐れず挑戦していくことが当然になるでしょう。

「車いすだから、着物は着られない」という頭の中から変えられる、それは、この車いす着付けの技術があるからこそ。このように、美容の技術によって、より多くの方が幸せなっていく、お手伝いができればと思っています。

2020年は是非、世界中のパラリンピックアスリートに、着物を楽しんでいただきたいです。我々の学生や卒業生と共に、1500人同時に、車いす着付けができますよ!

 

関連リンク:

学校法人山野学苑
山野美容専門学校 http://www.yamano-bc.jp/
山野美容芸術短期大学 http://www.yamano.ac.jp/
一般財団法人国際美容協会 http://www.iba.or.jp/

Reporting and Statement: atimo
関連ワード
関連記事