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23

Apr.

2024

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4 Aug. 2021

新しい働き方の中でこそ見つける、ぞれぞれの「自分らしい暮らしと働き方」

「リモートワークや時差出勤が進み、新しい働き方が定着し始めた“with コロナ2年目“の今、人々は仕事や暮らしとどう向き合っているでしょうか?」

 

社会をリードする人、異なる視点をもつさまざまな立場の人たちをスピーカーに迎え、よりWell-beingな未来を目指すために組織や個人ができることをディスカッションしていくオンラインコミュニティ「MASHING UP SALON」。Vol10として、『働く私たちの「いま」と「これから」 -コロナサーベイから見えてきた、明日の暮らしと働きかた-』というセッションが7/27(火)に行われました。

 

「コロナ禍における働き方・生活の変化」と題したサーベイのデータをもとに、見えてきた課題や、新しい働き方の私たちに必要なことなどについて、トークセッションから得た学びを、レポートとして記事化させていただきます。

 

登壇者として、株式会社MaVie代表取締役CEOの志賀祥子氏、cococolorの編集長でもある半澤絵里奈氏、そしてモデレーターとしてfermata株式会社 Co-founder / CCO 中村 寛子氏が登壇されました。

 

 

 

2021年7月、MASHING UPと株式会社MaVieがコラボし、「コロナ禍における働き方・生活の変化」と題したサーベイを行い、700件を超える回答が寄せられました。そこから見えてきた働き方や暮らしにおける変化、また、世代ごとの意識の違いをもとに、これからの働き方について3名によるディスカッションが行われました。

 

 

在宅勤務の課題は「人との出会い不足」と「公私の切り替え」

―在宅勤務によるメリット・デメリットー

まず調査データとして、意外だったのが「コロナ禍2年目、半数以上の方が毎日出勤している」という事実。それでも多くの人がこの2年間のうちに在宅勤務の経験があり、在宅勤務にメリット・デメリットを感じていた。

 

 

一方で、在宅勤務で感じるデメリットは、

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志賀氏「コロナになって運営するオンラインコミュニティの入会も増えました。在宅勤務でコミュニケーション機会が減ったことを理由に、社外の方と交流したいと入会してくださる方が多い印象です。」

中村氏「確かに、他者の多様性に出会える場がすごく減りましたよね。」

半澤氏「仕事とプライベートの切り替えが難しいのは事実だと感じています。場所が変わらないので、やろうと思えばどこまでも仕事ができてしまう。それに逆もあって、今まで諦めていた『子供の授業参観』のようなプライベートの時間も、時間休を取れば仕事の合間にいけちゃうな、と。積み木的に余白がないスケジューリングになってきている印象を感じています。」

 

 

 

全体の約半数は現在の働き方に不満アリ。それでも、この働き方を続けたいという声が7割超え。

―働き方に対する満足度―

満足の理由例:効率の良い働き方・ライフスタイルに合わせて働き方を調整できる

不満の理由例:ミックスがちょうど良い・(社内での)コミュニケーション不足

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半澤氏「打合せと打合せの間の移動時間が減ることで向き合う時間が増えることや、打ち合わせの録画やデータ化された資料など共有ができるものが強くなるという面でもこの働き方のメリットは多いと感じています。

データを共有し共通認識のもとで、物事のコンセンサスをとる、非常に大きな改革が行われたのではと思います。ただ、もう少し出社しても良いかなとも思っています。」

志賀氏「クライアントとの雑談・雑談から生まれる何かが減ってしまったと感じますね。オフラインの良さがあるなと思う部分ではあります。」

 

 

働き方に満足できてない人たちに企業ができることは?

ー企業(職場)に求めることー

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中村氏「企業様からも新しい福利厚生プログラムを組みたいというご相談も多いので、実際に個のニーズと会社の方針があっているのかなと肌感として感じてます。」

志賀氏「確かにオンラインでの福利厚生や社員のインナーコミュニケーションのご相談も増えてきました。」

 

また、「特にない」という回答に対しては、

中村氏「会社に対して諦めているから?または自分が欲しているサポートを想像できないからなのか。という仮説がたてられます。」

志賀氏「悲しい結果かなと。諦めているというのは1つありながらも、他にどんな新しいプログラムや選択肢があるのか知らない可能性もあるとも思います。人事の方とお話しすると、制度はあるが社員が活用しきれていない印象です。企業は従業員のニーズを深掘りする必要があるのではないかなと思っています。」

半澤氏「「特にない」という回答に対して大きく3つあると思います。1つ目は価値観の変化が大きく出ていると思います。企業や人事に対する要求が出てくる前に、自分や家族の生活を守らなければいけないという状況になっている。2つ目は、その要求が企業や人事に求めることなのかということに思考が至っていないのでは、と思います。3つ目は、企業に従業員が声をあげる仕組みがないのかなと感じています。」

 

 

 

自分に向き合い、“これから”新しい働き方に必要なことを考える

上記の結果から、3名が自分の働き方や体調と向き合うためにやっていることを聞くことができた。

中村氏は、自分の体が悲鳴をあげていることに耳を傾け、無理しない自分らしい働き方・スピードがより大事だと感じているそうだ。そして働き方として見つけたのは、携帯を持たない・仕事の連絡をオフする日や時間を設けることだという。

また、公私の切り替え不足がストレスにならない半澤氏も、会社以外でのプロジェクトを加速化したり、家族でアウトドア系の過ごし方を増やすなどコロナ禍だからこそ気持ちの切り替えをするようになっているという。

志賀氏は、働く上で自分と向き合う、何を自分が重要として働くかを考えることだという。実際に、自分自身と向き合うことを定期的に行うようにしているそうだ。

 

また、半澤氏は、コロナ禍における新しい働き方に順応できる人と、そうではない人の違いがはっきりしてきたと感じているそうだ。例えば、この2年の間に入社・転職をして新しい環境を迎えた人は、最初からオンライン環境のため、リアルを前提としていない人たちも。一方で、オンライン環境や度重なるシステムのバージョンアップについていけない人も一定数存在する。必要な助けを得られる社会や職場の仕組みづくりが必要なのではないかと主張した。

従業員が企業にどういうサポートを求めるかわからない時に、企業としてやるべきことについて、会社を経営する志賀氏からは、5〜10分でも良いので1on1をしているとのこと。文章だけで済ますのではなく、会議にする方が効率良かったりするので、コミュニケーションを増やすようにされているそう。また、それでも出てこない部分は、やはりアンケートも必要かなと考えている。

中村氏は、少し変わったコミュニケーションの取り方を実施。fermata株式会社 ではスラックのジェネラルに毎朝、自分の気分を天気予報で投稿してもらうようにしている。結果に応じて、仕事を調整したり、様子を聞いたりすることが可能になったと。他にもゲームナイトなど、社内のコミュニケーションも試しているそうだ。

また、そんな中でも「参加の余白」が必要だという意見も出た。参加したくない人が参加しなくても良い雰囲気づくりも検討の余地がありそうだ。

 

最後に、職場でもライフステージも大きく変化する30代女性のケアについてのお考えを伺った。

半澤氏は、これからの若い世代と会社の重要な立ち位置の人たちの言語の翻訳者として、会社でも重要な役割かなと感じているそうだ。また、メンタル面で、孤独を感じる人がこの世代に増えている印象があり、メンタリングやカウンセリング等精神的なサポートを受けやすい風土や職場では福利厚生の一部にするなどの工夫の重要性を語った。

志賀氏は、30代の働き盛りの時期にライフイベントを迎える世代として、両輪を回すことを考えると、「産休育休制度」や「時短制度」などの制度はあるが、そのほかの多様性のある制度が必要なのではないかと考える。 

中村氏からは、「30代後半になって出てきた体の変化は気になるが相談先がない、誰に相談しても良いか、声を上げて良いかもわからないという思いがみなさんにもあるのかなと思っている、そんな時、「ロールモデル=1人」ではなく、ロールモデルはカスタマイズデザインして、いろんな人の良いと思う部分を参考にできると良いな」と。最後に30代の私たちだからこその提言できること・変えていけることがあるのではないかなと会を締められた。

 

 

コロナによって働き方や暮らしが大きく変わっていく中で、「自分の体や心からの声」に耳を傾け、自分らしい働き方・生き方を考えること、自分と向き合うことが大事になってくると感じました。また、その場でも「ポジティブな気持ちになりました」と感想を述べる方もいらっしゃいましたが、働き方について諦めていた部分もあり、自分らしい働き方を求めて行って良いんだという前向きな気持ちになれるセッションでした。

取材・文: 細川萌

Reporting and Statement: moehosokawa

 

取材・文: cococolor編集部
Reporting and Statement: cococolor

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