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Dec.

2024

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16 Aug. 2018

「食べてみる」ことから知る世界の多様性 〜ザリガニパーティ編〜

半澤絵里奈
編集長 / プロデューサー
半澤絵里奈

「食べてみる」ことから知る世界の多様性は、「食文化」を通じて世界の多様性に触れることをテーマとした連載シリーズです。前回は、中華料理として昆虫を味わい、世界の昆虫食について探求、理解を深めました。

夏真っ盛り、そうめんと滋養効果のある薬味でつるつると喉越し良く英気を養い、酷暑を乗り越えようとするのが日本の食文化のひとつですが、世界中には一体どのような夏の風物詩があるのか気になり、今回は北欧のザリガニパーティに注目。実際に、フィンランドファミリーのお宅に伺い、ザリガニパーティを開催しました。ザリガニの入手やザリガニパーティで行われる慣習的なこと、北欧らしいコーディネートは、今回のホストファミリーにお任せし、参加者が少しずつ食べ物や飲み物を持ち寄るポッドラック式パーティとしました。

食べる」だけではない文化

shuuseikräftskiva(クレフトフィーバ)と呼ばれるスウェーデン発祥のザリガニパーティーでは、ただお皿にザリガニを盛って食べるだけではなく、パーティーのための三角帽子作りや飾り付けが行われることも多々。今回は、こどもたちの参加が多かったため、各々思い思いに帽子を制作しました。ザリガニパーティーだと知って、ザリガニを描く子や北欧らしいテーブルコーディネートに触発され色鮮やかな柄を施す子など多様に楽しんでいる様子。

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一方、おとな達は、フィンランド人のホストから、ザリガニと一緒に味わうスナップスと呼ばれるお酒や、スナップス専用のグラスの存在(ショットグラスのようなもの)、伝統的なスープの作り方の説明などを受け、北欧の文化をリアルに感じながら過ごしました。


ザリガニは高級食材

011晩夏にお喋りを楽しみながら変わりゆく季節を想うザリガニパーティ。他にも御馳走がありながら、なぜ食習慣としてザリガニパーティをするのかという質問に対し、「美味しいから。ザリガニは高級なもの。なかなか食べられない」とホスト。さらに、この時期に食べるのは、ザリガニ漁が解禁されるからとのこと。秋に食べる上海蟹のようなものなんだと集まった仲間たちと納得しつつ、フィンランドを始め北欧、ヨーロッパ諸国全域に至るまで食文化にまつわる情報交換が止まりません。

010実際に食べ始めると、エビよりもずっと殻が固いため、必要に応じてハサミを使いながらむき身にし食べていきます。食べる部分は、一尾につきほんの少しですが想像していたような泥臭さはなくエビよりも濃厚な味わいでした。初めは、ザリガニをもてあそんでいたこどもたちも次第にその味に夢中になり、あっという間に大皿に盛られていたザリガニは殻だけとなりました。


ザリガニを食用する地域
ザリガニを食用する地域は北欧のみならず、中国、アメリカ、フランスなど世界中に散見されます。生産量として目覚ましい成長を見せているのは、人口増加に伴い食材の確保に積極的な中国で、特に若い人たちに好まれ「ザリガニの宴」とも呼ばれている様子です。

日本でもザリガニは手に入りますが、やはり衛生面・安全面について慎重であるべき食材であることは確かで、食用に処理がされたものとして、レストランで味わうことやストアで購入されることをお勧めします。IKEAでは、夏季限定で冷凍ザリガニ、スナップス、ザリガニパーティグッズなども購入することができますし、レストランで味わうことも可能です。

季節毎の食文化に関して、日本の伝統的なものをはじめ、世界で愛されている慣習も現地の文化を知る人を囲みながらわいわい知ると非常に楽しく、こどもたちにも強く印象に残る夏の思い出となったようです。食べることから始まるインクルージョン、こどもたちの溢れる好奇心や豊かな感性におとなたちも触発され、初対面の方が多い会とは思えないほどに盛り上がりました。

「食べる」ことから世界を知るシリーズ、次はアフリカ編を予定しています。ご興味のある方はぜひお声掛けください。

取材・文: 半澤絵里奈
Reporting and Statement: elinahanzawa

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