LGBTのカミングアウトをポジティブに「OUT IN JAPAN」
- 共同執筆
- ココカラー編集部
日本には人口の約7.6%のLGBTの人たちがいると先日発表されました。これは、左利きやAB型の人たちの比率とほぼ同じ。それくらい当たり前に存在するLGBTですが、日本ではLGBTについての誤解や偏見もあり、LGBTであることをカミングアウトし、ありのままの自分について打ち明けることに難しさを感じている人たちも少なくありません。
そこで、日本でのLGBTのカミングアウトをよりポジティブに届けて行こうとスタートしたのが「OUT IN JAPAN」プロジェクトです。主催するのは、LGBT理解推進に向けた活動を展開する認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ。さまざまなフォトグラファーが参画し、2020年までの5年間で1万人のポートレート写真の撮影を目指します。
(Gapフラッグシップ原宿では4月28日まで特別展示が行われる)
第一弾となる#001を手がけたのは、世界的フォトグラファー、レスリー・キー氏。92組111人のLGBTをはじめとしたセクシュアル・マイノリティの方々が参加し、そのポートレートが原宿のGapフラッグシップ原宿にて公開され、これに合わせてプレス発表会が開催されました。
(認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表 松中権さん)
LGBTを巡っては、今年3月に渋谷区で同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例が制定されるなど、行政や企業による取り組みも進みつつあります。グッド・エイジング・エールズの代表、松中権さんはこういった動きを評価した上で「法の制度が進むことももちろん大事ですが、もっと大事なのは意識の改革です。今、日本では少しずつ、自分のセクシュアリティを明かして自分らしく生きることを選び、情報発信する人たちが増えてきています。そういった方々に一堂に会していただき発信することが、大きな力につながればと思っています」と抱負を語りました。「2020年、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ世界からいろいろな人たちが訪れた時に、日本が、ダイバーシティ・インクルージョンの進んだまちであることを伝えていけたら」。5年後、1万人というターゲットには、そんな想いが込められています。
ニューヨークなど世界の都市でLGBTの人たちが当たり前に暮らす姿を目の当たりにした体験を持つレスリー・キー氏は、「LGBTの人たちは当たり前にいる存在。日本でまだあまりLGBTのことが知られていないことを心配しています。このプロジェクトを通じて、LGBTをよく知らない人たち9割の人たちにメッセージを届けたいし、オリンピックを迎える2020年までの残りの5年間の間に、たくさんの人たちに、あなたの隣にLGBTの人がいる、LGBTの人に違和感を憶えないで、みんな同じだということを知って欲しいです」と語りました。
(OUT IN JAPANのポートレートに参画し、ミュージカル「RENT」に出演するモデルのIVANさん(右)と対談するレスリー・キー氏(左)。「一般の方がこうやって自分を出すのは勇気がいること。LGBTの人たちは、この写真を通じてすごく大きなパワーを感じると思います(IVANさん)」)
一人ひとりが生まれてきたことに意味があり、それぞれの人生に特別な物語がある。参加者それぞれの表情からそんなメッセージが伝わってくる、このプロジェクト。#001は創設スポンサーGapと、ミュージカル「RENT」(2015年9・10月公演)がサポートしました。今後はより多くの個人や団体、企業や自治体らとの連携を通して、WEBサイトや展覧会、写真集などを展開し、身近な存在としてのセクシュアル・マイノリティを可視化させ、正しい知識や理解を広げていくことを目指しているそうです。
開催期間:2015年4月21日~28日
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前一丁目14番27号
Gapフラッグシップ原宿にて
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