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21

Dec.

2024

interview
4 Aug. 2023

リーマントラベラー育休 in タイ vol.1

小川百合
クリエーティブ・プロデューサー
小川百合

「#リートラ子連れ旅」のインスタ投稿を見て、タイでの育休について気になっていた方も多いのではないでしょうか?私もその一人です!タイで過ごす育休が一体どんな体験だったのかリーマントラベラーの東松さんにインタビューをさせていただきました。前半はインスタからは見えない男性育休のリアルと共にお届けします。

 

ーなぜタイで1ヵ月半の育休を取ろうと思われたのですか?

育休を取ってやるぞという思いが強くあったわけではないんですが、義理のお母さんがタイに駐在していて、子どもを会わせてあげたいことが大前提にありました。

僕は会社に入るまで海外旅行をほぼしたこともなく、仕事だけバリバリやっていれば人生なんとかなると思っていたんです。だけど、社会人3年目で海外旅行に目覚め、いろんな国へ行き、平日なのに人生を謳歌している人にたくさん出会ったことで、自分の中で選択肢が増えて、どんな人生を歩んでもいいんだと思えるようになりました。

でも、日本にいると選択肢を持つきっかけがないと思い、始めたのがリーマントラベラーの発信。なので、タイで育休を取ることも、誰かの選択肢になるかもしれないという気持ちもありました。

 

ー人生の選択肢、日本にいながら気付くのは難しそうですね。

僕の中で一番テンションが上がるのは、自分の思い込みを壊した時なんです。会社員はなかなか海外旅行に行けない、週末で海外旅行に行っちゃダメ、世界一周なんてできない、あとメディアには出られない、本を書けないとか、勝手に自分で決めつけていた思い込みがあって、それを壊してきたのですが、子育ても男性育休は取れないという思い込みがありました。

ただ子育ては未知の体験で、実際にやってみたからこそ分かることもあるだろうと思っていたので、偶然が重なり住む場所もあって、何より海外で暮らしてみるのは、僕もワクワクした育休になるのでタイで1ヵ月半の育休を取ることに決めました。

 


ryman_traveler imstagramより

 

ー1ヵ月半という期間はどのように決められたのですか?

男性育休はまだ少し後ろめたい部分もあるじゃないですか。男性が育休を取れるとは言え、一年間休んでいいかっていわれると、もちろんいいと思うんですけど、自分の判断だけでは取りづらさを感じる中、1ヶ月半ぐらいが自分にとってちょうどいい期間だと思いました。

でも、育休は普通の夏休みとは全く違って、仕事を引き継ぎ切らないといけないので、自分の仕事が誰かに渡る不安がありました。僕の場合は、大事な仕事は上司がやるよと言ってくれて、すごく取りやすかったです。誰でも自分の代わりができるのは、アイデンティティが失われていく気がします。上司が僕のアイデンティティの部分を守ってくれる環境がすごく安心できたので、それはとても感謝ですね。仕事に向き合う時間の長い人、休むことが下手な人、主体が会社とか仕事である人ほど不安になるんじゃないかなと思います。

 

ryman_traveler imstagramより

 

ー仕事の引き継ぎ方は気持ちの上でも大事、今まで気づかなかったです。
 たくさん旅に行かれていても、育休には不安もあったんですね。

基本的にはいろんな人の顔色をうかがっています。なので、いまだに有休は繰り越しています。 このキャラクターになっても使いきれていないです。あと、短い休みでも旅に行けると分かったので取る理由もなくなってしまいました。

育休と休暇は遠からず近からずに感じていて、権利だけでいうと育休は取っていいのですが、人間関係の中で取る部分もあると思っていて。仕事を自分の代わりに誰かにやってもらってはじめて成立するものだから、配慮とか気配りみたいなものは自分なりにできたかどうか分からないですけど、ある方がスムーズに取れると思います。

育休という期間は仕事の延長線上にあって、育休だけが別の話でなく、会社で働いているから育休が取れるので会社への感謝もありつつ、同じ職場の人への感謝もありつつ。自分で期間を決められる育休だからこそ、自分の中の気持ちの整理としても必要だなと思います。

 

ー出発前のインスタの投稿を見て、荷物が多いという印象がありました。

1ヵ月半の間、環境は変わっても、子どもには極力負担をかけないように肌に触れるものや口に入れるものは日本と同じような状況にしたくて、例えば、オムツやミルクはすべて日本で使っているものを持って行きました。

現地で買えば荷物は減りますが、タイで日本のミルクは高く、タイのものは味が薄いと現地の友人から聞いて。あと、タイの場合は水道水が硬水なので、軟水にする浄水器を用意したり。生まれて3ヶ月半の時期に海外に行くのは早い方だと思うので子どもへの負担を減らすためにも事前準備で解決しました。

 

ー3ヶ月頃は予防接種や検診などがある時期ですがどうされたんですか?

育休の期間を決めた理由のひとつにそれもあって、乳児期の予防接種のスケジュールを病院に相談の上、調整しました。3ヶ月検診も5ヶ月になっても大丈夫だったので、その時期に必要な検診と予防接種はずらすことが可能な時期に行っています。

あと、病気の際のケアは一番気を付けていて、海外旅行保険はフルカバーされるタイプに入り、日本語が通じる病院や医療体制もしっかり確認して行きました。

 

ータイで育休を取る前に万全の準備をされたのですね。

万全の準備をしてタイへ向かう飛行機に乗り、機内で僕のオムツ交換が甘くてうんちが漏れるというのが育休の始まりでした。妻に怒られて育休はこんな厳しいものかと思いました。

 
ryman_traveler imstagramより

 

ー飛行機のトイレの中にもおむつ台があるんですね。

僕も独身のときは気づかなかったですね。飛行機にめちゃくちゃ乗っているのに。子育てをして見える世界がすごく広がりました。空港も普通にお湯が出るところがたくさんあり調乳には困らないですし、飛行機の中ではCAさんがミルクを作ってくれて、予想以上にそろっていた印象があります。

 

後半へ続く。

 


リーマントラベラー・休み方研究家
東松 寛文

週末で世界中を旅する会社員。10年間で81ヵ国192都市に渡航。3ヵ月で世界一周を達成し、地球の歩き方から旅のプロに選出される。テレビ東京「ガイアの夜明け」、フジテレビ「超絶限界」等メディア出演多数。著書「自分の時間の作り方」をはじめ3冊が日本と台湾で発売中。オーストラリア・ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使、岐阜県羽島市アンバサダーも務める。

Instagram: @ryman_traveler
Twitter: @ryman_traveler

取材・文: 小川百合
Reporting and Statement: yuriogawa

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