シェアハウス+おばあちゃんコンシェルジュ。 新しい幸せの形。 @シェアネスト東横
- 共同執筆
- ココカラー編集部
ここは神奈川県横浜市菊名にあるシェアハウス。
菊名は横浜駅にも都心にも電車一本で通える便利な場所で、駅から10分ほどの住宅街にシェアネスト東横はあります。
ここができたのは2013年、築45年の一軒家を少しだけ改造しシェアハウスに。かっこいい家具や内装で若者に人気のシェアハウスのイメージとは少し違い、どちらかといえば実家にいるように和む感じです。
そして何よりもここが特徴的なのは「おばあちゃんコンシェルジュ」がいること。
井野純子さん(64歳)は週に2回ここに来て、6人の住人のお世話をします。晩御飯の準備、共用部分の掃除、その他出来ることは頼まれればきちんとやってくれる。ご近所とのお付き合いも生活経験豊かなおばあちゃんならではのこと。
取材に伺った時も晩のおかず(揚げだしの味噌炒め)を調理中。
できた料理はタッパーに小分けにして冷蔵庫に、副菜やお味噌汁まで6つに小分けします。6人に偏りがないように細かいところまで気をつかいます。
おばあちゃんがここで働くのは11時から2時の間。住んでいる人達は20代から40代の働き盛りなので、おばあちゃんとのコミュニケーションは主にノートでおこないます。晩御飯のメニューのリクエスト、美味しかった、ありがとう、と言うお礼の言葉、、、、まるで交換日記の様にお互いを思う気持ちが感じられます。
そもそもおばあちゃんコンシェルジュ付きシェアハウスを作った松栄建設(株)の代表酒井洋輔さんは、不動産業(宅建)と建築士の両方の資格を持ち、住む人達の魅力に繋がる新しい生活の形を提案したいと考えていました。
以前にも別のシェアハウスを運営していましたが、入居者間のつながりが意外と少ないことを感じ、生活に「癒やし」や「繋がり」があると良いと考えていました。そんな時にこの菊名の物件を見つけこの形を思いつきました。ご自身がおばあちゃん子であったことも大いに関係があるようです。
この土地は古くからの住宅街で不特定の若者達が代わる代わる出入りするようなシェアハウスは周りからも反発される心配がありましたが、おばあちゃんコンシェルジュの話をするとご近所の理解を得らたそうです。
そしてコンシェルジュの募集は横浜市のシルバー人材センターに問い合わせ、純子さんにめぐり合います。彼女にはいわゆる寮母さん的な仕事であり普通の家事の延長でできることを伝え、彼女も今までの人生経験を生かせる仕事なので安心して働き出せました。
シェアハウスは一般的に住人のサイクルが早いと言われています。入る前のイメージと住んでから感じることにギャップがあるのかも知れません。でもここでは立ち上げ時から3年以上半部の方が住み続けています。住むということは単に地域や間取りのことだけでなく、人間らしく暮らせるか、そこには多少の摩擦や煩わしいこともあるかもしれないしけど、触れ合いや繋がりがあり自分を想ってくれる人がいる安心感が大事なのかも知れません。
おばあちゃんと住人との直接の触れ合いの機会も時々催され、自慢の手料理と大好きなお酒で楽しむ「スナック純子」と言うホームパーティーを開くそうです。僕は「多世代共生」をテーマに研究を始めたところで、高齢者の孤立という社会問題がきっかけだったのですが、自分の意思とは関係なく孤独や孤立を感じているのは高齢者ばかりではないのかも知れません。
松栄建設株式会社 シェアネスト東横
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