「働く」と「育てる」が近づいた一日。汐留に子どもたちを呼んでみた! <前篇>
- 共同執筆
- ココカラー編集部
オフィスビルに響き渡る、子どもたちの雄叫び!
「す、すごい光景ですね・・・。」
会場を訪れた社員たちは、皆、普段局会やセミナーの会場として見慣れた「電通ホール」を、縦横無尽に走り回る子どもたちの姿を見て、絶句する。
なんなんだ!このミスマッチな組み合わせ!
2017年8月25日、電通社員の夏休み中の子どもたちを丸一日会社に呼び、親がいつも通り仕事をするビルの中、様々な社員によるワークショップを受けてもらい、遊んでもらう、というイベントを開催した。
会社だって、子どもにかかれば遊び場になる。
名付けて「かいしゃぱーく・しおどめ」。
「小学生の夏休みが、一番ツライよね・・・」
はじまりは、そんなママ達の切実な声。
電通のマーケティングセクションでは、子育てをしながら仕事をするママプランナーがとても多い。
そんなママたちが集まったとき、皆が揃って口にしたのは、
両立することの大変さにも勝る、手薄になってしまう育児への罪悪感。
仕事をしていると、平日はおろか、夏休みでさえ離ればなれに過ごさなければならない。
まだ専業主婦が主流だった自分たちの幼少時代は、長い夏休みを心待ちにしていたのに、今の共働き世代の子ども達は、終業式の翌朝も、お弁当を持って学童保育へと足を運ぶ。
「働くこと」と、「子どもを育てること」って、やっぱり相容れないの!?
電通でも、育児社員のための制度はかなり充実してきている。
産休・育休はもちろんのこと、時短勤務、育児フレックス制度・・・
働きやすくなってきた、とは感じる。それでも、もはやこの古典的ともいえる疑問は未だに解決しない。
「なんだかんだいって“物理的”に子どもと親が離れすぎていること。」
このことが、両立の大きな障壁となっている。
たとえば、オフィスが建ち並ぶ無機質でグレーなこの街は、大人が働く場所。家があって、学校や保育園・公園がある、あの町は、子どもが育つ場所。この2つはいつまでも交わらず、それぞれの機能も役割も全く別。
しかし、本当にそれで良いのだろうか。
働く場所と、育てる場所を、もっと近づけられないか?
そんな想いから、この企画は始まった。自分が働いてる傍らで子どもが遊んでいてくれたら、安心する。
職場にママ友、パパ友がいて、助け合えたら、どんなに良いだろう!
子どもだって、毎朝親が「どこか知らない遠くの場所」に行ってしまうのではなく、一緒に同じ空気を吸って過ごすことができたら、寂しくないのに!
それなら、ここ汐留に、子どもを連れてきてしまえばいいのだ!
会議室だって、打ち合わせスペースだって、どこかに必ず空いているスペースはある。子どもを見られる手の空いている社員だって、時間によってはきっと何人かは、いるはず。
どんな場所だって公園に変えてしまうクリエーティブな力が、子どもにはある。
そう、難しいことを考えずに、まずは試みに、子どもを汐留に連れてきてしまおう。そして、自分が働いている間、同じ空間で遊んでいてもらおう!
・・・と思い立ったら、いっきに実現しました。
自分が悩んでいることは、みんなが悩んでいることだった。
この企画を発案した途端、方々から賛同の声が上がり、なんと2週間後にイベントの開催が決定。
そして、その内容が、予想を上回る(?)素晴らしいものとなった。
(後篇へ続く・・・)
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