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Dec.

2019

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8 Aug. 2019

編集部が行く!パラスポーツ観戦記_vo.1 ブラインドサッカー

鈴木麻友子
デジタルメディアプランナー/イラストレーター
鈴木麻友子

2019年7月7日(日) NPO法人日本ブランドサッカー協会(以下、JBFA)主催「第18回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権 FINALラウンド 」が開催されました。本大会はブラインドサッカー(以下、ブラサカ)の日本一を決める試合です。雨天にもかかわらず、当日だけで1,079名の来場者を記録しました。

初のパラスポーツ観戦となる執筆者が本大会の模様や、観戦した感想をお届けします。そこには、実際に観戦しなければ分からない熱気と発見がありました。

■想像以上の大迫力!

最初に見た、3位決定戦ではbuen cambio yokohama(神奈川県)と兵庫サムライスターズ(兵庫県)が対戦。試合が開始された瞬間から、衝撃が走りました。選手たちはまるでボールが見えているかのようなパワフルな試合運びをするのです。

            

選手はピッチの両サイドにあるサイドラインのフェンスへボールを蹴り、味方へパスをします。走った勢いでフェンスへぶつかることもあるため、試合中は壁へ体当たりをするような鈍い音が響きます。ピッチから様々な音が聞こえる中、前半で兵庫サムライスターズの行廣雄太選手が連携プレーの末、1点を決めました。視界が閉じている状況の中でお互いの声を信じてボールを繋ぎ、ゴールを決めるチームプレーには感動して、思わず目頭が熱くなりました。

圧巻の試合は、行廣選手が3得点を挙げて競り勝ち、兵庫サムライスターズの3位が決定しました。

決勝戦は、埼玉T.Wings(埼玉県)free bird mejirodai(東京都)の試合です。決勝戦はさらにレベルの高い試合が行われており、会場からは声には発さず息を飲むような声が漏れています。特に果敢にシュートを狙う選手が目立っており、ボールの動きが活発でした。

ブラサカは国内大会は男女混合チームでの参加が可能です。この試合で埼玉T.Wingsの菊島宙選手は6ゴールを挙げており、今回の大会のMVPも受賞されていました。このように男女関係なく活躍できるのがブラサカの魅力でもあります。菊島選手の活躍もあり、この試合は埼玉T.Wingsが7-1で勝利し優勝が決定しました。

■各パートナー企業によるブース出展

アクサグループによる「弱視啓発ブース」での弱視体験眼鏡やパネルの展示、ANAホールディングス株式会社による「東京2020ピクトグラム当てクイズ」など、体験型のブースが多く、試合前から楽しむことができます。

 

また、JBFAのブースでは大会オリジナルグッズの販売や、クラブチームのキャラクターグッズも今大会から展開されており、試合外でもブラサカを盛り上げようという大会主催者の思いを感じました。

 

 

■視覚以外の感覚を信じて

初めてのブラサカ観戦に興奮やらぬまま、ブラサカの体験ブースが設置されているブースへ参加しました。

 

アイマスクを着用しゴールまでボールを運びますが、聴覚と触覚しか頼りがないのです。前が見えないことへの不安を感じながら、使える感覚を研ぎ澄ませ、そろりそろりと前へ進むと、ゴール後ろに立つ「ガイド」の声が聞こえてきます。シュートの方向を指示するその声は、プレイヤーにとって唯一の頼みの綱で、やっとの思いでシュートを決めました。「ガイド」の存在の重要性を体感できたと同時に、この不安な状況下でスピード感のある力強いシュートを決める選手たちのスキルの高さを痛感しました。

 

■アイデアで広がる観戦方法

会場では、視覚障害者の方が試合を触覚で楽しめる、観戦デバイス開発への取り組みも実施されていました。今回は、3つの応援デバイスを紹介します。

「ポジションタッチパッド」

2台のカメラでボールの位置を解析し、PC を通してデバイスに位置情報を伝送。 ボールに見立てた突起が動き、それを触わることにより、コート上のどの位置にボールがあるかを手で触り把握することができます。

 

「振動するサッカーボール」

2つのシリコン製でできたボールがつながっているデバイスです。これはラジオを使用して振動をデバイスへ送信することで、このデバイスの振動でどちらのチームがボールを運んでいるのか、体感することができます。 

 

「連結ゴムボール 」

ゴムボール同士をゴムチューブで繋げたものです。複数で同時に持ち握ることで空気が膨らむ触感を共有できるため、試合への盛り上がりを相手と共有できます。

テクノロジーの進化とともに広がるこれまでになかった障害者の方の手助けとなる観戦方法にも、期待が膨らみます。

 

■取材を通して

ブラサカではトップスピードでピッチを走り、キレのあるドリブルで、狙いすましたシュートを放つ。これだけではありません。パスの正確さ、ディフェンスでの駆け引きや声によるコミュニケーション。サッカースキルに加えてメンバーとの密な連携が必要です。

今回の取材を通して、ブラサカは選手個人の技術はもちろん、互いを信じる力から生まれるチームの絆で勝利を掴みにいくスポーツだと思いました。実際に現地で試合を観戦したからこそ、想像を超えたブラサカの魅力に触れることができとっておきの1日となりました。


取材・文: 鈴木麻友子
Reporting and Statement: mayukosuzuki

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