MOTHER BOOK ~妊娠ママと共にふくらむ世界にひとつだけの本~
- プランナー
- 高崎真梨子
「MOTHER BOOK」と聞いて、皆さんはどんな本をイメージしますか?
直訳すれば「ママの本」。それは、妊娠したママのお腹と一緒に、形も内容も成長していく本です。そこには一体どのような魅力があるのでしょう? そしてそこに込められた想いとは?「MOTHER BOOK」の生みの親である医療法人・葵鐘会(きしょうかい)広報部の永友一成さんと中上富雄さんに話を伺いました。
<祝福の気持ちを表したい>
女性にとって、妊娠・出産は人生最大のイベントのひとつ。「MOTHER BOOK」は、生命の誕生という貴重な体験をしたママたちに、祝福の気持ちを伝えたい一心で生まれたそうです。
「以前から、退院時に何かプレゼントできないかと助産師をはじめとした現場のスタッフ達によく相談されていました。そこで何かオリジナルのものをさし上げられないかと思って…」と永友さん。
ずっしりと重く、厚さ3センチ以上もあるこの本は、妊娠から出産までの約40週を1週間ごとの成長過程に区切り、全40ページで構成されています。内容はもとより紙質にもこだわり、1ページ1ページを職人さんに手づくりしてもらっているという徹底ぶり。
この本を手にしたママは、お腹の子の成長記録と共に、日々の出来事や気分、生まれてくる赤ちゃんへの想いなどを書き込んで、世界にたった一つのマイブックに仕上げていきます。
(最高マーケティング責任者の永友一成さん(右)と、広報部次長の中上富雄さん(左))
「最初は日めくりカレンダーのようにしてはどうかなど、いろいろな意見があり、紆余曲折もありました。本以外でも、スマホで気軽に記録できるアプリなど、2年間に100以上のアイデアを捻り出しましたね」と開発の経緯を教えてくださったのは広報部の中上さん。その中で最終的に落ち着いたのが「週ごとに記録していく立体的な本」だったというわけです。その斬新なアイデアとデザインコンセプトは世界中で注目を浴び、カンヌ国際広告祭やNEW YORK FESTIVALなど7つ以上の大きなクリエイティブコンテストでグランプリに輝きました。
<家族のきずなも育む>
「MOTHER BOOK」の価値は、ママにとってだけではないようです。
「お母さんが大変な時にお父さんが代筆してくれたり、本の最後にお父さんからメッセージがこっそり書き込まれてあったりと、夫婦の共同作業で本をつくっていくという楽しみも生まれているよう」と永友さんは語ります。出産後は、子育てでつらい気持ちになった時にその筆跡を読み返し、“あの頃の気持ち”に励まされる人もいるとか。「母性は妊娠中の40週間で目覚めるといわれています。母になる喜びを最も純粋に感じられる時間ですから、その時の想いはきっと後々の宝になると思いますよ」(永友さん談)
そしてもちろん、赤ちゃんが大きくなったら実物を見せてあげたり、プレゼントするのも素敵です。「お母さん、あなたのことをこんな風に思っていたんだよ」とこんなに分かりやすく伝えられるなんて、想像するだけでワクワクすると思いませんか?
(「久しぶりに買い物に行き、無理をさせてしまったね。少し反省…」というパパの日記も)
<男性だから開発できた>
ところで、「MOTHER BOOK」を開発した2人が男性ということには何か訳があるのでしょうか?「確かに女性の感覚は絶対的に分からないので、この数年間は女性の意見を聞きまくりましたね」とおふたりは顔を見合わせて振り返ります。
たとえば年上の助産師さん達には企画会議の度に率直な意見をバンバンもらい、「女性は論理よりも感情が行動を左右する」ことに気づかされたり、クリニックではママ達の何気ない会話に耳を傾けたり。「そういう意味では、男性だからこそ、より多くの女性の声に耳を傾けて、客観的に構想を練ることができたのかもしれませんね」。さらりとそう言う永友さんの姿勢には、異性を尊重するダイバーシティの精神が感じられます。
<地域に根ざした産科クリニックを>
少子化に伴い出産や子育てが奨励される一方で、今、産婦人科施設は減少傾向にあります。葵鐘会はその現状を深刻に捉え、医療資源の最適分配による地域医療の再構築、医師の労務環境を改善することで地域の産科クリニックを増やしている独創的な医療法人と言われています。医師は各施設にローテーションで勤務するため、院長でも休みが取れるのだとか。「最近は医療従事者の中にも自分の生活や働き方を大切にする人が増えていますので、柔軟な労務環境を提供しているという点では、これもダイバーシティの一つかもしれませんね」と中上さん。
またクリニックのホールを解放し、地域のママ達に自由に集まってもらう場もつくっています。そこで様々なイベントを企画するうちに、永友さんはあることに気づきました。「ママさん達の中には非常にアクティブな人がいるんですね。彼女たちが企画ごと持ってきて、人を集め、共有し、交流が始まってネットワークが広がっていく。だから僕たちは『皆さん一緒に何か考えませんか?』というスタンスにだんだん変えていきました。MOTHER BOOKも、そうした流れの中で生まれたんです」。
(ハッピーママセミナーなどのイベントを開いて子育てママを支援)
<大切なあの人へ>
永友さんは「欧米では妊娠そのものを祝う習慣があるそうです。日本でも、妊娠を祝福する文化がもっと広がったらいいなぁと思います」と語ります。「妊婦さんのためにできることはまだたくさんありますから、これでゴールしたという感覚は全くありません。旦那さんとの絆が深まるようなものとか、子どもを望んでいてもなかなか授からないご夫婦のお役に立てるようなものなど、たくさんのものを生みだしていけたらと考えています」。以前捻り出した100以上のアイデアの中にも、まだ温めている企画が幾つかあるのだそうです。
そちらも大いに期待しつつ、まずは大切な人への贈り物に「MOTHER BOOK」を選んでみてはいかがでしょうか? 同僚同士でお金を出し合ってプレゼントする、なんていうのもいいかもしれません。
「MOTHER BOOK」の詳細はこちらから:
一般販売の商品には、へその緒入れをイメージした桐箱のケースが付いています。