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17 Oct. 2017

わたしたちの多文化共生2017 早稲田大学

 

昨年cococolorでも紹介した「ヒューマンライツ・フェスタ東京」が今年も開催される。11月4日には多文化共生プレゼンコンテスト「多文化共生都市をめざして-大学生が考える東京の未来-」が実施され、昨年に引き続き、明治大学、中央大学、東京外国語大学、法政大学、早稲田大学の学生たちが、多文化共生を都民に「啓発」するための効果的なプロジェクトについて、東京都に提案する。

今年もcococolorでは各校のプレゼンメンバーの寄稿によるリレーコラムを掲載していく。

第五回は早稲田大学山西優二ゼミのチーム。


 

【寄稿】早稲田大学プレゼンチーム

 

発表テーマ:
「足元にある共生の種に気づく~他者の声に耳を傾けることから~」

 

早稲田大学 活動様子 

「多文化共生」とは何だろうか。

わたしたち山西ゼミでは、この概念について徹底的に意見を出し合い、思考を整理することから議論を始めた。

一般的によく言われるところの「多文化共生」とは、「日本人と外国人が、互いの文化や生活習慣などの多様性を尊重できること」であると考えておおむね相違ないだろう。

しかし考えてみたい。日本人とはだれか?外国人とはだれか?たとえ同じ国に住んでいたとしても個々人は多様な異なる文化的背景を持っている。

これではそうした個人には目がいかず、日本人と外国人という関係性しか見えなくなってしまうのではないか?

 

こうした検討の果てに、わたしたちは、「多文化共生」を考えるうえで重要であるのは、日本人・外国人という国籍にとらわれたくくりではなく、わたしとあなた、異なる文化背景を持った1人の人間と人間としての関係性であるという結論に達した。

そして、1人の人間として1人の人間と関わる、すなわち、わたしが他者と関わる方法こそが「他者の声に耳を傾けること」であるだろうと考えるに至ったのである。

 

では、「他者の声に耳を傾けること」が、どのように「多文化共生」に繋がっていくのか?別の言い方をすれば、わたしたちは「多文化共生」をどう捉えるのか?

 

多文化をもつ「わたし」が多文化をもつ「他者」に出会う経験は、決して稀なものではない。

――例えば家の近くの公園で見かけるホームレスの方、子供のクラスメイトでハーフのAちゃんとその家族――…。

そうした他者の声に耳を傾けることで、わたしはその他者がわたしと異なる文化を持つことに気づき、その文化に出会い、その文化を尊重する(その文化の内容をどう感じるかではない)。

そして「他者との関係性の中で、今までの私と異なる文化、今まで私が知らなかった文化に気づき、その文化やそれをもつ他者を尊重する」ということはすなわち、私と他者という最小単位での「共生」体験を得るということにほかならない。

このような「共生」の経験から、それをどのように自分の行動や意識に落とし込んでいくのかは個々人様々であるだろうし、決まった形、正解の反応などというものは決められない。

しかしながら、そうしたひとつひとつの共生の経験が、また一人の人間と人間とのかかわりの中で連続していくことで、「共生の文化」は育まれていく。

その意味で「多文化共生」とは、小さな「共生」の経験をきっかけに個々人がそれぞれのかたちで気づくこと・考えること・行動すること、それらすべてから成るものであるといえるだろう。

 

「他者の声に耳を傾けること」から「共生」の経験は始まる。主役は、わたしたちひとりひとりである。

 

早稲田大学 ゼミ生写真

 


◆第3回多文化共生プレゼンコンテストの概要

 

主催:東京都
企画運営:多文化共生プレゼンコンテスト実行委員会

日時:2017年11月4日(土) 10:00〜13:00

会場:東京国際フォーラム ホールD5(D棟5階)

参加費:無料 (入退場自由)

 

参加チームとテーマ:

●中央大学 森茂岳雄ゼミ
 「東京モザイクアート~多文化共生社会の一員を目指して~」
●東京外国語大学 長谷部美佳ゼミ、土田久美子ゼミ
 「駅を利用した生活者としての外国人との交流プロジェクト」
●法政大学 山田泉ゼミ
 「多文化journey in University~大学生から始めよう~」
●明治大学 山脇啓造ゼミ
 「Dive into Diversity~みんながつくる5つの輪~」
●早稲田大学 山西優二ゼミ
 「足元にある共生の種に気づく~他者の声に耳を傾けることから~」

 

関連サイト:

多文化共生プレゼンコンテストFacebookページ

ヒューマンライツ・フェスタ東京2017の公式サイト

 

 

 

取材・文: 早稲田大学山西ゼミ
Reporting and Statement: waseda_yamanishi

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