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6 Nov. 2019

1つの笑顔が、みんなの笑顔につながっていく。キッズカーニバル in アミティ舞洲2019 レポート

ファッション×ダイバーシティについて発信する「DEEP FASHION」プロジェクト。

今回は、大阪で開催されたイベント「キッズカーニバル in アミティ舞洲2019」に社会課題解決を目指す企業横断型ユニットSocial WEnnovatorsと株式会社ユナイテッドアローズが共同で展開する041FASHIONが出展した様子をご紹介します。

キッズカーニバル in アミティ舞洲 2019

このイベントは、義肢装具や福祉用具を製造販売する川村義肢株式会社が大阪市舞洲障がい者スポーツセンター「アミティ舞洲」とともに運営する肢体障がいのある方に向けた福祉展示イベントで、今年が2回目の開催になります。

今回041FASHIONも出展のお声がけをいただき、UNITED CREATIONS 041 FASHION with UNITED ARROWS LTD.の全アイテムを会場で展示させていただきました。

会場には障がいを持つお子様連れのご家族が多く来場されており、数多く展示されている車イスやバギーを実際に触ったり、ボッチャや車いすバスケットボールの体験ができるなど、盛況なイベントでした。日頃から障がいを持つ方と接する機会が多い川村義肢の社員の方や出展している各福祉系企業の社員の方が多数参加しており、障がいを持つお子様とその家族みんなが思い思いに安全かつ自由に楽しめるアットホームな空間だったのがとても印象的でした。

現場でしか感じられない当事者の想い

041FASHIONのブースにも多くのお客様にお越しいただき、実際に商品を手にとって見ていただくとともに、商品の試着もしていただきました。

その中で数十組のご家族に、障がいを持つお子様の服に関する日々の悩みを直接お聞きすることができました。

多くのご意見をいただく中で感じたのは、お話する方によって1人1人とらえている課題感や悩みが異なり、全てに対応していくには非常に多くの時間とリソースが必要だということです。

障がいのカテゴリーは人によって異なり、同じカテゴリーの障がいでも程度が異なれば、1人1人に合わせたオーダーメイドの対応が必要となります。またお子様の成長に合わせて服や用具のサイズを調整したり、もっと大きなサイズを新調するなど、継続的かつパーソナルな対応が必要です。

障がいを持つ方々やそのご家族をサステナブルにサポートし続けるには、メーカーやサポートする側も、一過性の社会貢献活動ではなくビジネスや事業として中長期的に成立させていくことが不可欠になります。日本のビジネスシーンにおいて、障がい者を支援していくビジネスや事業はまだまだ未開の領域が多い難しいチャレンジであると同時に、社会的意義のある事業を創造するチャンスだとも思います。

また今回お客様のご意見を聞く中で、強く心に残ったことが2つありました。

1つは、緊張している様子のお子様が「スタイにもなるエプロンドレス」を着用して鏡で自分の姿を見た時、表情が一気にゆるみ笑顔になったこと。そしてそのお子様の姿を見て、家族みんなが嬉しそうにしていたこと。

たった1つの服が多くの人の笑顔を生んだ瞬間を直接この目で見て、マーケティングやクリエーションの目的は、商品やサービスを手にとった人に喜びや豊かさを提供することなのだと改めて感じることができました。

もう1つは、とあるお客様が仰っていた言葉。

「この子たちが大人になった時にも、こういう服が存在していてほしい。」

世の中に1人でも必要とする人がいる限り、商品やサービスは存在意義がある。必要としてくれる人を1人でも多く見つけ、直接届けることができるか。この地道な努力こそが、インクルージョンやダイバーシティをテーマとする様々な活動やビジネスが継続するための原動力になると現地で気づかされました。

想いが集まれば、いつかカタチになる。

このイベントには川村義肢株式会社と関わりのある車いすやバギーのメーカーが数多く出展していました。出展されている他企業の方々も041FASHIONのブースを見に来てくださり、商品の特徴や想いを直接お話することで、興味を持ってくださる方も多くいました。

ファッション領域でインクルーシブデザインやユニバーサルデザインをコンセプトとして展開している企業やブランドは少なく、041FASHIONのような存在はまだまだ珍しいのだなと実感しました。

「何か一緒に新しいことできたらいいですね。」

「うちのお客様にもこの服のこと紹介しておきますし、うちのお客様に直接お話聞くこともできますので、いつでも言ってくださいね。」

そんなお声掛けをくださる企業の方も複数いらっしゃいました。
皆さん楽しそうに活動してお客様と接しているのが印象に残っています。

まだ大々的にはメディアで報じられないかもしれないけれど、障がいを持つ人もそうでない健常者も、みんなが等しく自由に生きられる社会づくりを目指して、強い信念と熱い想いを持って活動している人がこの世の中には数多くいらっしゃいます。

そんな熱い想いを持った人々が出会い、想いを共有し、そこから新しいアイデアが生まれることで、誰もが住みやすい社会を少しずつ実現されていくのではないかとこのイベントに参加していた方々を見て、強く感じました。

041FASHIONの活動を通じて、これからも多くの現場に足を運び、みんなが生きやすいよりよい社会づくりを目指す人々の熱量を直接感じて、ご紹介していければと思います。

 

 

執筆者 浅井康治

取材・文: cococolor編集部
Reporting and Statement: cococolor

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