イマジネーションを超えてみる?!
– この春注目の映画紹介
- 共同執筆
- ココカラー編集部
暖かな日が続いたかと思うと、突然、雨風の冷たい日が訪れる。そんな春の日の休日、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。さて、今日は編集部がこの春注目している映画を2作品ご紹介します。
実在する話題校。そのリアルな日常を映画館で”授業参観”してみよう
『みんなの学校』
2月の公開以来、全国で話題殺到。各地に上映館が拡大し上映期間の延長やアンコール上映する映画館も現れる大注目作品が『みんなの学校』です。
舞台は、大阪市立住吉区に実在する大空小学校。「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことを理念に掲げるこの公立校では「不登校ゼロ」を目指して、特別支援教育の対象となる子も発達障害のある子も、みんなが同じ教室で学び生活します。そんなある日、他の地域で厄介者扱いされていた子が転校してきて・・・。映画は、そんなリアルな日常を、ありのままに描き出します。
子どものへの接し方や学校教育のあり方に家庭や地域からも厳しい目が向けられるといったニュースも多く耳にする昨今、先生、そして子どもたちやその家族、地域など、多くの人たちが関係する「学校」という学びの場を、どうしたら「みんなの学校」にしていけるのでしょう?そもそも「みんな」という時、私たちは誰をイメージしているのでしょうか。
映画は、私たちが知らないうちに「非日常」と線引きしているかもしれない風景と、その先に広がる可能性に意識を向けるきっかけを与えてくれているようです。あなたも映画館で、『授業参観』してみませんか?全国自主上映会の開催希望も受け付け中です。
<上映情報>
『みんなの学校』
2015年2月より渋谷・ユーロスペースにて公開、ほか全国劇場公開中&全国自主上映会募集中。 オフィシャルホームページ www.minna-movie.com
全編手話のみの世界に、引き込まれる衝撃
『ザ・トライブ』
(C)GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 (C)UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014
寄宿学校に転校したセルゲイ(グレゴリー・フェセンコ)。校内に存在する悪の組織=族(トライブ)に目をつけられ、犯罪に関わるうちに、組織内での頭角を現していった彼は、リーダーの愛人・アナ(ヤナ・ノヴィコヴァ)に好意を寄せるようになっていく。組織のタブーを破り、感情に押し流されるようにして突き進む彼の行く先に広がる世界とは—。
このセンセーショナルなあらすじから、あなたはどんなストーリーをイメージするでしょうか。作品の名は『ザ・トライブ』。一見善良で平和に満ちた寄宿学校の内部に潜む闇を、思春期の少年の持つ特有の純粋さや暴力、官能性といった観点から生々しく描く、ウクライナの若き鬼才ミロスラヴ・スラボシュピツキーによるこの作品は、世界の批評家たちを震撼させ、カンヌ国際映画祭批評家週間3冠のほか、各国の映画祭で30以上の賞を受賞しました。
この作品を特別なものとしているのは、その芸術性に加え、出演者全員が実際に「ろうあ(聴覚に不自由がある)」の役者達であり、台詞も、音楽も、字幕や吹き替えさえも存在しない、全編が手話のみで構成されているという衝撃的な事実。
沈黙の中に繰り広げられる世界の先に、あなたは何を観るでしょうか。
<上映情報>
『ザ・トライブ』
4月18日(土)よりユーロスペース、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
© GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 © UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014
ザ・トライブ オフィシャルサイト http://thetribe.jp
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