HAFUのはなし
- 共同執筆
- ココカラー編集部
“わたしはいったい、「なに人」なんだろう。”
子どもの頃から、心にそっと抱いていた、素朴なギモン。25年たとうとしている今でも、その答えははっきりとしていません。なぜかというと、わたしが、日本人の父とアメリカ人の母の間に生まれてきた、「ハーフ」だから。日本人とも言えないし、アメリカ人とも言い切ることもできない。国籍でも、生まれの土地、育ちの土地でも、断定することはできなくなりました。
とまぁ、ここまでは、わたし個人のはなし。
でも、「自分が何者なのか」とか「自分は日本人なのか」、そう模索してしまう心理は、実はわたしに限ったことではありません。国籍や文化的背景にも関わらず、ふしぎなことに、日本に住んだことのあるほとんどの「ハーフ」たちに共通しているのです。それはきっと、「みんないっしょ」が美徳である日本社会で生活しているから。ちょっぴりちがうハーフたちは、100%日本人ではないということが、大きなちがいとして浮き出てしまい、心の壁と感じてしまうこともあるのです。
ドキュメンタリー映画「HAFU」は、5つのストーリーを通して、
今までメディアであまり注目されることのなかった、リアルなハーフたちの思い、
そして現実を描いています。
映画『ハーフ』予告編 Hafu: the mixed-race experience in Japan [Official Trailer] from Hafu Film on Vimeo.
登場するのは、オーストラリア×日本の20代の女の子や、メキシコ×日本の小学生の男の子、大人になるまでハーフだと知らなかった女性や、はじめて日本に住む人など、境遇も背景もバラバラな5人。本当に多様な視点から、「自分とはなにか」、「日本人であるとはなんなのか」、ハーフたちにだけでなく、日本に住むすべての人に、問いかけられています。
製作チームの一員で、自身もハーフの西倉めぐみ監督。9月のTEDxKYOTOでとても情熱的な、心打たれる講演をされていました。
日本は、多様化している。
そんな時代にこそ、「みんないっしょ」という安心より、「人とちがう」おもしろさを探そうと、
ハーフという存在は教えてくれているのかもしれません。
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*ハーフという言葉について
日本人と外国人の間に生まれた人のことを表す言葉として、
日本ではよく「ハーフ」が使われます。
しかし、「半分でしかない」という否定的な響きも感じられることがあるため
それに代わり、「ダブル」「ミックス」「ハパ」という言葉を使う人も増えています。
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