WASADANEOダイバーシティシリーズ 第2回 ユニバーサルデザイン「見やすさ」セミナー
- 共同執筆
- ココカラー編集部
「高齢者や障害者」は世の中をどう見ているのか?
日本は超高齢社会、グローバル社会、多様性社会へ進んでいます。
昨今のスーパー台風などで「情報難民」という新しい問題も露呈されました。そして今また私達はコロナ禍という厳しい環境にいます。
日本には昔から相互扶助という助け合いの慣習がありますが、行動の前に先ずは実際に高齢者や障害者がどのように情報を見ているのか(出会っているか)を知ることが大切だと思います。
「伝えることの配慮」があることで企業への信頼感がきっと変わってきます。
そもそもユニバーサルデザインって何?
ユニバーサルデザイン=UDっていう言葉を漠然と使っている人は多いのでは?
バリアフリーデザインやインクルーシブデザインなど上手く区別することは難しいと思います。簡単に基礎知識としてUDの歴史のバックボーン、生み出された概念をお話しします。そしてUD概念が捉える「障害者」の定義について説明します。その人数や領域の広さに驚かれるかもしれません。同時にそれを知ることは、私達の生活の中での何かアイデアのヒントになるかもしれません。
柏餅は江戸時代には既に味噌餡と小豆餡がありました。
ある和菓子屋さんが売るときに区別しやすいように柏の葉っぱの裏と面を使い分けたのが起源とされてますが、同時に目の不自由な人は、このツルツルかガサガサの手触りによって味の中身がわかったのです。こんなアイデアが今は当たり前になって店先に並んでいます。
「見やすさ」にとって大切なこと。
私達が情報を伝える視覚的な手段として「ビジュアル=モノの形」「文字=文字の形や文字量」「色の配色」があります。
セミナーでは具体的に老眼や視覚障害・色覚タイプの違いなどで起きるコミュニケーションの障壁を理解していただきたいと思います。
見やすい文字ではUDフォントやポイントの大きさ、紙面における文字量の基準について、カラーUDでは見やすい配色について考えます。
「見やすさ」を意識したことで企業広報や社内文書にもメリットは生まれます。
例えば、ある企業では取締役会の決済会議の時間が大幅に短縮されました。またある企業では相談窓口へのクレーム電話が減ったそうです。
「見えにくかったから、わからなかった」ということは意外に多いようです。
これからの「情報保障」のあり方。
一般的な企業や自治体の情報保障については知っているとは思います。
しかしこの緊急事態宣言をきっかけとした新たな情報保障の在り方や「見やすさによる情報格差」を改めて考えていかないといけません。
聴覚障害者からのヒントやこれからのテレワークを含めた課題を考え、その先にある豊かなコミュニケーションの実現のため気づきを与えたいと思います。
執筆:植田憲二(見やすさプロジェクト)
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