インクルージョンInclusion
様々な背景や能力を持った人々が、その違いを認められた上で、対等にチャンスを与えられている状態のこと。日本語では「包摂」とされる。 組織などにおいては、「ダイバーシティ」が多様な人材がいる状態を表すのに対して、「インクルージョン」はさらに、そういった多様な人々が対等に関わりあいながら一体化している状態を表す。 広義には同義となる「ソーシャル・インクルージョン」とは、厚生省(2000年12月当時)によると、「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」ことと定義されている。 また、教育分野では、「インクルージョン教育」が近年注目されている。これは、学級内に特別な手助けの必要な生徒がいるといないとに拘わらず、多様な生徒がいる状態を前提として学習計画や教育体制を組み立てるという考え方である。それ以前は、特に手助けの必要な生徒がいる場合にのみ、その生徒に対応するという「インテグレーション(統合)教育」という考え方であったのに対し、「インクルージョン教育」は、そもそも子どもは全て、発達段階等に違いがあり、さまざまな状態の子どもたちが存在する学級は、多様性を前提として組まれるべきであるという考え方に立脚している。