「自分が、自分のアライになる」 -東京レインボープライド2017-
- 共同執筆
- ココカラー編集部
今年も東京レインボープライド(TRP)の季節がやってきました。性的指向や性自認(SOGI: Sexual Orientation, Gender Identity)に関わらず、各個人がより自分らしく幸せを追求していく社会の実現に向けて開催されているこのイベントは、2017年は4月29日-5月7日に、東京都内を中心に全国各地で展開されます。
cococolorを運営する電通ダイバーシティ・ラボ(以下、DDL)も、2015年のTRPからブースを出展しています。そして、そのテーマは、その年々の社会的関心や課題に合わせて変化してきました。
2015年はメディア等の報道によってLGBTという言葉を目にする場が増えてきていましたが、一般的にはまだ「自分たちの周りにそういう人はいない」という反応が多い状況でした。しかし、DDLが同年全国約7万人を対象に実施した調査によると、LGBTを含む性的少数者=セクシュアリ・マイノリティ(以下、LGBT層)は全人口の7.6%。人口の約13人に1人存在するという調査結果が出ました。そこで、この年の出展ブースでは「この国のLGBT人口はどれくらい?」と尋ねるシールアンケートを行い、LGBTの存在を身近に感じるコミュニケーションを展開。「DIVERSITY is Beautiful」というメッセージで、違いを美しさとして受け入れようというメッセージを発信しました。
2016年のテーマは「アライになろう」。LGBTを理解し、応援する気持ちを持っているということを意味する「アライ」であることを表明することで、LGBTの人たちの暮らしやすい社会をつくること提案しました。ブースでは、アライであることをチェックする簡単なテストに答えてくれた人に、アライであることを示す「A-License(アライセンス)」を発行。「アライになることは難しいことではなく、LGBTを理解し、応援したいという気持ちがあれば、誰でもなれる」として、 アライにできる6つの行動(LEARN! THINK! LISTEN! TALK! SPREAD!)を提案しました。
今年のテーマは、性的指向や自認を超えた「個性」への着目
3年目となる今年のブースのテーマは「自分が、自分のアライになる」こと。
自分を決定する個性として優先順位が高いものは人それぞれでいいセクシュアリティが一番の人がいれば、10番目の人もいるし、それでいい。
自分が自分のアライになることができれば、きっとちがいは力に変えられる。
そんなメッセージです。
自分の個性を、勲章に
ブースでは、自分を表す3つの色を質問に答えながら選び、それを「デカルコマニー」という手法でミックスさせて出来上がった柄でオリジナルの缶バッチ“Me Medal(ミー・メダル)”をつくるワークショップを展開しています。
まず、以下の3つの質問に答えて、3つの絵の具を選びます。
(1)未来のあなたは、どんな自分になりたい?それを色で表すと何色?
(2)あなたは、まわりの人からどんな色が似合うと思われてる?
(3)あなたが生まれた季節はいつ?どんな色がぴったり?
そして、メダルシートの上に、思いのままに、3つの絵の具をのせ、シートを点線に沿って折ります。そして、ハサミで半円に切り、乾かしたものをメダルに。
たくさんのカラフルなメダルができあがりました。
DDLチーフ・リサーチャーの阿佐見綾香さんは、今年のTRPに寄せたメッセージを以下のように語りました。「『なぜLGBTだけなの?』という声を耳にすることがありますが、その意味ははここ数年で変化してきました。3-4年前は、LGBTの認知が低かったことによるもの。最近は『LGBTに限らず、あらゆる個性を受け入れるダイバーシティそのものが重要』という意味合いを持ってきています。今年のTRPが「ダイバーシティ」という言葉を打ち出していることにも、そういった背景があるのではないかと感じています。私たちDDLは、自分と違う多様な個性とつながろうとする力という意味から、DiverseとAbilityを掛け合わせた造語「Diversability(ダイバーサビリティ)」を提唱しています。自分自身を受け入れることから、他人の個性も受け入れる力を高め、ダイバーシティの豊かな社会を広げていきたいです」。
DDLブースでのMe Medalをつくるワークショップは、5月7日まで開催しています。
参考:
関連記事:
・「ありのままの、自分を生きよう」東京レインボーウィーク
・多様な性や生き方と出会おう –東京レインボープライド2015
・LGBTを応援する気持ちを形に!A-License(アライセンス)をゲットしよう-東京レインボープライド2016-
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