“ファッションの今”を体現!『SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL vol.16』イベントレポート
- 共同執筆
- ココカラー編集部
渋谷区とアパレル企業が協業し、ファッションで街全体を繋げるイベント『SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL vol.16』が、10月19~20日に開催されました。16回目の開催となった今回は、サスティナブル、エシカル、アップサイクル、 バリアフリーの4つのキーワードのもと「ファッションの今」を体現できるマーケットがキャットストリートに登場。「ファッションを楽しみながら様々な問題を解決する」というテーマの中で、どのような催しが行われたのかをレポートします。
「ファッションの今」を体現できる4つのブース
2011年より、東京ファッションウィークの会期に合わせて行われてきた、『SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL』。今回は、渋谷エリアのみならず、原宿エリアを巻き込みバージョンアップして実施されました。渋谷、原宿エリアに店舗を構えるショップによる限定アイテムの販売やフリードリンクのサービス、ワークショップの開催に加え、キャットストリートにもいくつものブースが出展。その一角には、コンセプトを「TRUST FASHION」=“ファッションの信用”と掲げたエリアも。ユナイテッドアローズ社は今年はじめて4つのブースを同エリアに出展しました。
UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD. 全ての人が楽しめるファッション
Cococolorの記事でも何度か登場している、UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD.がシブハラフェスにも出展。通常はオンラインサイトのみでの販売ですが、今回のブースでは実際に触れて購入できる貴重な機会となりました。2つのラックには、一目見ただけでは分からない工夫がこなされた、商品が並びます。
ブースのスタッフの方は言います。
「私が今日着ているこのスカートも、UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD. の商品なんです。車いすユーザーの方でもスカートを楽しめるように、座った際に体にフィットするデザインで、長時間座った姿勢でいても負担が少なくなるように工夫されています。このジップを上げ下げすることで、フレアにもタイトにも変形するんですよ。」
とスカートのジップを上げ下げしながら、商品の魅力をお話し下さいました。「車いすだと、スカートを着用しづらい。」という車いすの方の悩みを解決しつつ、健常者も同じように楽しめる画期的さと魅力こそが、UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD. の商品の特徴です。
”ひとりを起点に、すべての人に心地いい服をつくる”というテーマを持ったUNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD. の取組みは、今後も服と人の関係に向き合いつつ、その存在意義を追求する、全ての人に向けたファッション”DEEP FASHION”を提案し続けます。
乳がん早期発見の大切さを伝える”ピンクリボン”の輪を広げるキャンペーン
UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD. のブースの隣には、乳がん検診の早期受診やセルフチェックの習慣化を推進する10月のピンクリボン月間に合わせて、ユナイテッドアローズ社が毎年行っている、ピンクリボンキャンペーンのブースが出展。
ユナイテッドアローズ社がピンクリボンキャンペーンに参加するのは、今年で12年目となり、期間中は対象商品の売上の5%がピンクリボンキャンペーンの啓蒙活動へと役立てられるそうです。
「このキャンペーンのために選ばれたピンク色の商品に、ピンクリボンキャンペーンのタグがつけられています。商品は、ユナイテッドアローズ社の各ストアブランドで展開しており、気軽に乳がん検診の啓蒙活動に参加することができます」とスタッフの方はお話しされます。
ブースに並べられたバラエティー豊かなピンク色のアイテムを購入することで、ピンクリボンキャンペーンの輪を広げる活動に参加することが可能です。
ユナイテッドアローズ社のピンクリボンキャンペーンサイトには、乳がん検診に対するスタッフの方のリアルボイスや、見識者からのアドバイスが詳しく綴られているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
https://taisetsu.united-arrows.co.jp/pinkribbon/
国際協力NGOピースウィンズ・ジャパン
世界各国の自然災害と、貧困などの人為的な危機にさらされた人々の支援を行う、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンは、フェアトレードのコーヒーや紅茶を販売。
スタッフの方はこう語られます。
「ユナイテッドアローズさんには、これまで東日本大震災や西日本豪雨、直近では台風19号被害などの際に、商品の寄付を行っていただいたり、店舗での下取りキャンペーンを通して支援していただいたりしました。ファッションが、社会の課題を解決するキーワードに用いられています。」
世の中の課題解決や支援のために、身近なファッションを入口にする重要性を感じました。
羽毛循環サイクル社会を目指すGreen Down Project
回収した羽毛をリサイクルし、限りある資源の有効活用を目指す活動団体「一般社団法人 Green Down Project」。ブースには大きなリサイクルボックスが設定され、”羽毛は再生可能な資源である”というプロジェクト説明をスタッフの方々が呼びかけていました。
団体の理事長である長井さんは、サンプルとして置かれていた羽毛を手に取りながらこう語ります。
「これからの季節、需要が増加するであろう羽毛は本来、食肉用の水鳥から採取された再生可能資源です。しかし、急激な需要増加を背景に多くはゴミとして焼却されることが多く、羽毛採取には人体への影響が懸念される薬品が使用されるなど、様々な環境問題を引き起こしています。ダウン率が50%以上のものであれば、羽毛はリサイクル可能である再生可能な資源になります。」
羽毛製品の適正処理・再資源化のシステムづくりを目的として設立されたGreen Down Projectの活動に賛同した<UNITED ARROWS gleen rabel relaxing>では、2015年より店舗でダウンの回収とリサイクルダウンを使用したオリジナルのダウンの販売を行なっています。
「古くなったダウンを回収するだけにとどまらず、リサイクルダウンを着て、羽毛循環サイクルを理解するまでが大切」という長井さんの言葉の通り、羽毛の新たな可能性を伝えるブースとなりました。
ファッションを楽しみながら問題を解決する
サスティナブル、エシカル、アップサイクル、 バリアフリーをキーワードに、ファッションからできることを基軸に問題提起を行ったシブハラフェス。渋谷、原宿というエリアならではの年齢の低い層へ偶発的にアクションを起こす意義を改めて感じることが出来た2日間でした。一見難しいと感じる今回のイベントのようなテーマであっても、伝え方次第で自分ゴト化され、世の中に話題が拡散されていくのだと思います。
「気軽に良いものに出会うと拡散したくなる」という若者心をくすぐる企業側のアクションが非常に重要なのではないでしょうか。
今後もDEEPFASHIONでは、今回のイベントのように本来ならば出会うことのなかった人やモノがつながる機会を紹介していきます。
取材・執筆 吉崎志保
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