-CHANGE 未来は変えられる- 東京レインボープライド2017レポートvol.2
- 共同執筆
- ココカラー編集部
10万人以上を動員し過去最高の盛り上がりを見せた東京レインボープライド2017。この記事では、vol1に引き続き、出展ブースの様子をご紹介します。
早稲田大学LGBT稲門会のブースでは、LGBT稲門会、GSセンター、早稲田大学公認サークルGLOW、ダイバーシティ早稲田が連携。ブース来訪者に「W」のペイントをするなどして、早稲田大学の活動を紹介しました。早稲田大学では、2015年のWaseda Vision 150 Student Competitionで『日本初!LGBT学生センターを早稲田に!』と題した企画が総長賞を受賞したことをきっかけに、学内でさまざまな活動が活性化。2017年4月には「GSセンター(Gender and Sexuality Center)が開設されています。ブースには学生課の職員も参加するなど、まさに大学をあげての取り組みの熱量が伝わる空間になっていました。
日本司法書士会は、同性カップルの法的支援に取り組むことを、2年前の総会で正式に決定。全司法書士に配布されるハンドブックに、セクシュアルマイノリティへの司法アクセス支援を明記するなど、普及啓発を進めています。これまでに東京、東北、福岡などで研修を開催し、数百人が受講したとのこと。参加した司法書士からは「自分たちにできることがあるなら、知っていきたい」「概念的理解を超えて、実際にどのようなことができるのか、事例から学んでいきたい」といった声が寄せられているそうです。
建国150周年を迎えたカナダ。「違いを受け入れること」をカナダ人の基礎をなす価値観のひとつであるという、ジャスティン・トルドー大統領の発言に象徴されるように、ダイバーシティは大切にしてきた価値そのものだと、カナダ大使館のジョセアン・ルセルさんは語ります。1960ゲイであることが犯罪であったカナダ。しかしその後LGBTI(Iはインターセックスという意味)の権利を人権として認める動きが進み、2016年には、性的指向に関する保護と同等の保護をジェンダー・アイデンティティとその表現に対しても与える法案が提出されました。「観光や留学先として是非カナダに訪れて欲しい」というメッセージとともに来場者に配布されたレインボーカラーの国旗のグッズもとても好評でした。
2015年に全国で初めて、同性カップルに対して結婚に準じる関係と認める「パートナーシップ証明」を発行する条例を発酵した渋谷区は、「性的少数者のためのにじいろ電話相談」や「LGBTコミュニティスペース #渋谷にかける橋」など、さまざまなLGBT支援の取り組みを紹介。LGBT基礎知識ガイドを配布し「誰もが誰かのアライになれる」と呼びかけました。担当の永田さんからは、「アライの人たちが増えることが、制度の活用にも影響を及ぼします。当事者には、結婚や出産など、人と一緒に生きるイメージを持たずに生きている人たちがいます。人生にたくさんのチョイスがあると気づき、自分のライフプランを考えるきっかけになったならと思います」とメッセージをいただきました。
LGBTも働きやすい職場づくり、生きやすい社会づくりを目指して活動するNPO法人虹色ダイバーシティは、企業や行政に向けて数多くの研修を手がけています。最近は、CSRやコンプライアンスの観点からも関心が高まり、公共サービスを提供するインフラやメーカー系の企業や、海外企業との取引の多いからの研修や問い合わせが増えているそうです。
LGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティに関するシンクタンク、株式会社LGBT総合研究所は、グルーミング体験のできる企画ブースをプロデュース。当事者のニーズと企業のシーズのマッチングという観点から、美に対する高いニーズに応えるサービスを紹介しました。企業、当事者、そしてコミュニティのつながりの場をつくることを大切にしているという代表の森永さんは「セクシュアリティを大事にしている人たちの集まるこの場での発信が嬉しい」と語ってくれました。
cococolorでは、LGBT支援に積極的に取り組む企業や団体について、今後も継続して紹介していく予定です。
参考:
・「ありのままの、自分を生きよう」東京レインボーウィーク
・多様な性や生き方を出会おう –東京レインボープライド
・LGBTを応援する気持ちを形に!A-License(アライセンス)をゲットしよう-東京レインボープライド2016-
・-CHANGE 未来は変えられる- 東京レインボープライド2017レポートvol.1
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