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Nov.

2022

event
17 Nov. 2022

子宮頸がんについて、高校生たちがアイデアを考えてみた!〜第2回高校生アイデアフェス #仲間と一緒に考える子宮頸がん〜

宮本 結以
アートディレクター
宮本 結以

LAVENDER RINGが主催する「高校生アイデアフェス #仲間と一緒に考える子宮頸がん」が、8月6日に開催された。

「高校生アイデアフェス」は、子宮頸がんの予防啓発のコミュニケーションについて、高校生自身が考え、病気の知識を得るだけでなく子宮頸がんを取り巻く社会課題について考えるきっかけをつくることを目的としている。第二回目の開催となる今年は、『高校生たちの間で子宮頸がんについて、もっと話したくなるアイデア』をテーマに、参加者がグループごとにアイデアを出し合った。

 

◆ インプットセッションで多角的に学ぶ子宮頸がん

参加者は事前にインプットセッションに参加し、子宮頸がんについての知識を深めた。子宮頸がんの基礎知識や当事者の体験、検診受診率向上のために行政がおこなっている活動など、さまざまな立場の方からのインプットを得ることで、子宮頸がんという病気と、これにまつわる多角的な問題があることを知り、高校生は解決したい具体的な問題を発見することができる。

インプットセッションについては、こちらの『高校生たちの間で子宮頸がんについて、もっと話したくなるアイデアを考えよう!~第2回高校生アイデア~』にて詳しくレポートしている。

 

◆ 課題は何か? 高校生によるアイデア発表

ここから、高校生たちは2チームに分かれ、基本的な考え方のフレームに基づいてアイデアを考えていった。インプットセッションで得た知識から、課題を設定し、ターゲットのインサイトを発見、具体的なアイデアへと落とし込んでいく。オンラインで開催された昨年に比べ、対面で開催された今年は、1メッセージ/1ビジュアルに収まらない、統合的なアイデアが発表された。

ここで、今回参加した2チームのアイデアを紹介したい。

 

『知らないということを知ろう LET’S 無知の知』 / チーム1 ハッピーターン

検診受診率の低さから、「がんに対する危機感の低さ」を問題と捉え、「若い女性が子宮頸がんを知ろうとしない」という問題を解決するためのアイデアを発表した。

各自治体から届く『ワクチン接種通知』に着目し、「封筒や中身に、興味を惹く特徴的なデザインをあしらい、まずは開封してもらう」というアイデア。この『ワクチン接種通知』は、子宮頸がんについて知る機会にも関わらず、届いても開封することなく捨ててしまう人が多いという現状がある。そこで、少しでも通知を開封する人を増やすため、型通りではない封筒デザインへの工夫、さらに開封後も中身を読み進めてもらうため、オリジナルキャラを用いたデザインやクイズなど、通知開封後の流れも考えられていた。

『封筒』という着眼点が特徴的で、課題設定が明確である分、さまざまなメディアにわたって統合的に広い視野で考えられている点がとても印象的であった。会場審査員からは、「高校生だけでなく、保護者に対しても心動かせるようなアイデアとして考えられているのが良い。」という意見も見られた。

 

『HPVワクチンを打ちにいこう!』 / チーム2 さきか・ななみ

「HPVワクチンの接種率」に着目し、日本は世界各国の中で圧倒的に接種率が低いという現状から、ワクチン接種人数が増えるようなアイデアを発表した。

HPVワクチンは計3回接種する必要があるが、1回目の接種から2・3回目までの期間が長く、ワクチンを継続して摂取することに対するモチベーションがなかなか持続できない点を問題と捉えた。そこで、子宮頸がんを英語で“cervical cancer”という点と“キャンペーン”をかけ、「#サヴィキャン」と銘打ち、HPVワクチンを打つごとにコスメがもらえるキャンペーンを提案した。1回目のワクチン接種ではアイシャドウを、2回目のワクチン接種では香り付きあぶらとり紙を、3回目のワクチン接種ではリップをプレゼントする。さらにワクチン接種完了後その旨をSNSに投稿すると化粧ポーチがプレゼントされるという仕組みで、ターゲット自身によるSNS投稿を促し、より多くの対象者への興味喚起へとつなげるというものだ。

コスメは、日常的に使うものでありすぐ消費されるものではない、という着眼点と、コスメはメーカーとのコラボ商品を使い、その広告費で景品によるコストを賄うという企業をも巻き込んだ社会的な仕組みまで考えられているのが印象的であった。

 

◆まずは知って、選択肢を持つことが大事

以上の2チームのアイデア発表を経て、アイデアとしての素晴らしさだけでなく、「子宮頸がんについて、自分自身で考え、後悔のない選択をしていきたい。」という前向きで能動的な考えが、彼女たち自身から感じられたのが、とても印象的であった。

自分は、女子高生時代、学校全体の取り組みとして子宮頸がんのワクチンを接種した記憶がある。 その取り組みも勿論良いものではあると思うが、大人や学校から言われるがまま動くだけでは、子宮頸がんを取り巻く諸問題を理解するまでには繋がらなかった。子宮頸がん予防を当たり前の社会にするには、彼女たちのように、まずは正しい知識を知り、自分たちの選択肢を広げた上で、何を選ぶのか、その取捨選択についての議論を重ねる機会が必要なのではないだろうか。

今回の「高校生アイデアフェス#仲間と一緒に考える子宮頸がん」においては、互いの意見を「アイデア」という型に落とし込む体験が、まさに取捨選択の議論であり、このような機会が今後、家庭や学校など、より身近な場に増えるべきなのではないかと感じた。

 

取材・文: 宮本結以
Reporting and Statement: yuimiyamoto

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