わたしたちの多文化共生2017 東京外国語大学
- 共同執筆
- ココカラー編集部
昨年cococolorでも紹介した「ヒューマンライツ・フェスタ東京」が今年も開催される。11月4日には多文化共生プレゼンコンテスト「多文化共生都市をめざして-大学生が考える東京の未来-」が実施され、昨年に引き続き、明治大学、中央大学、東京外国語大学、法政大学、早稲田大学の学生たちが、多文化共生を都民に「啓発」するための効果的なプロジェクトについて、東京都に提案する。
今年もcococolorでは各校のプレゼンメンバーの寄稿によるリレーコラムを掲載していく。
第二回は東京外国語大学長谷部美佳ゼミ、土田久美子ゼミのチーム。
【寄稿】東京外国語大学プレゼンチーム
発表テーマ:
「駅を利用した生活者としての外国人との交流プロジェクト」
「外人ってさ、かっこいいよね」
アルバイト先の店長の何気ない一言に、私は違和感を覚えた。
おそらく店長の頭の中にある「外人」像は、背が高くて、彫りが深くて、明るくコミュニケーションをとるような人なのであろう。
しかし、日本に住んでいる外国人はそのような人だけではない。アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中東などあらゆる世界の国から、労働や結婚など様々な理由で日本に移住・滞在している人々がいる。
「○○人って、みんな列に並ばないよね」と言う友人。
新聞を読みながら「この事件の犯人、やっぱり外国人だったか~」と言う母親。
テレビ番組で、在日外国人のVTRを見ながら「ちょっと、怖いよね」と発言する芸能人。
私たちは、身の回りで交わされる何気ない会話の中で、「そうじゃないこともあるのに」と感じていた。
多様な国籍・人種・文化・背景を「外国人」とひとまとめにして、自分とは縁遠い存在として認識している人も多いのではないだろうか。しかし実際には、商品の製造に携わる人、サービス業の従業員、電車の隣の席の人など、周りを見渡せば多くの外国人がいる。私たちの生活圏の中の非常に身近な存在であり、共に日本の社会を支える仲間なのである。
そこで私たちは都民に、外国人をより身近な存在で、同じ社会に暮らす一員だと感じて欲しいと思った。
普段の生活の中で外国人と話す機会がなく、テレビ番組など限られた情報しか受け取れない状況で、外国人に対して一辺倒なイメージを抱いていないか、狭い視野で世界を見ていないか、もう一度考えてみてほしい。日本、そして東京には、「外国人」という一言ではくくれないほどの、多様で豊かな人々が生活している。
もちろん、私たちも無意識のうちにステレオタイプを抱いているかもしれない。しかし、指導教官の長谷部美佳先生と土田久美子先生の下で多文化共生社会について学び、フィールドワークの現場を訪問してきた私たちなりの視点から、プレゼン大会を通して都民をはじめとする多くの人々に「多文化共生社会の一員であるという自覚」を啓発したく思う。そして、私たちの経験や感じたことに基づいて、多文化共生プロジェクトを(僭越ながら)東京都に提言させて頂く。
私たちは、より多くの人々に異文化と交流する機会を与え、その多様性や世界の広さを認識できるプロジェクトを練り上げているところである。このプロジェクトによって、都民を中心とした多くの人々が、多文化共生社会に暮らしているという自覚を持ち、都が目指す「東京都の発展活躍に向けて、すべての都民が安心して暮らせる社会」の実現に貢献できるのではないかと考えている。
東京外国語大学長谷部ゼミ・土田ゼミ
山口かれん 亘詩織 遠田結以 北川慶彦 丸岡春奈 植田歩
引用:
東京都生活文化局「東京都多文化共生推進指針~世界をリードするグローバル都市へ~」
◆第3回多文化共生プレゼンコンテストの概要
主催:東京都
企画運営:多文化共生プレゼンコンテスト実行委員会
日時:2017年11月4日(土) 10:00〜13:00
会場:東京国際フォーラム ホールD5(D棟5階)
参加費:無料 (入退場自由)
参加チームとテーマ:
●中央大学 森茂岳雄ゼミ
「東京モザイクアート~多文化共生社会の一員を目指して~」
●東京外国語大学 長谷部美佳ゼミ、土田久美子ゼミ
「駅を利用した生活者としての外国人との交流プロジェクト」
●法政大学 山田泉ゼミ
「多文化journey in University~大学生から始めよう~」
●明治大学 山脇啓造ゼミ
「Dive into Diversity~みんながつくる5つの輪~」
●早稲田大学 山西優二ゼミ
「足元にある共生の種に気づく~他者の声に耳を傾けることから~」
関連サイト:
多文化共生プレゼンコンテストFacebookページ
ヒューマンライツ・フェスタ東京2017の公式サイト
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