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23 Aug. 2019

編集部が行く!パラスポーツ観戦記 _vol.02卓球

日本で初開催となった「パラ卓球ジャパンオープン2019東京大会」が、8月1日(木)〜3日(土)の3日間に渡り、港区スポーツセンターにて行われました。初のパラスポーツ観戦となる執筆者が本大会の模様やその魅力など、情報満載でお届けします。

⬛パラ卓球の国際大会が日本初上陸!

日本をはじめ、アメリカ、フランス、イギリス、イタリア、タイ、スウェーデンなど、計23か国からトップ選手たちが集結し、個人戦、団体戦が行われました。来年に迫る東京2020パラリンピックと同時期に行われるとあって、本番を見据えた熱い試合が繰り広げられました。卓球がパラリンピックの正式競技として行われたのは、1960年の第1回ローマ大会です。そして、卓球は、日本人がパラリンピックで初めて金メダルを獲得した競技でもあるのです。

 

会場はJR田町駅東口徒歩5分、ちぃばす「みなとパーク芝浦」下車すぐの好立地にある「みなとパーク芝浦」内の港区スポーツセンターです。

 

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⬛パラ卓球のルール

パラ卓球では、車いすや義足の選手、また、クラッチ(杖)を持って体を支える選手など、さまざまな選手がプレーしています。パラ卓球は、一般の競技規則に準じて行われますが、障害の種類や程度に応じて一部が変更されています。

・車いすを使用する選手がサーブを打つ際、相手コートのサイドラインを横切るとレットとなり、サーブがやり直しになります。

・車いすの場合、打球する前にどちらかの手がテーブルに触れた場合は、相手に1ポイントが与えられます。

・立位の選手でクラッチ(杖)を使用している場合、クラッチは腕の延長と考えられるため、クラッチが卓球台に触れると反則となります。

  • 知的障害部門では健常者と同じルールが適用され、競技が行われます。
  • 競技は個人戦と団体戦があり、選手は障害の種類や程度、運動機能によってクラス分けされ、クラスごとに競技を行います。  

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⬛11段階のクラス分け

パラ卓球は大きく「車いす」と「立位」の部に分かれます。それぞれ障がいの重さにより5段階のクラスが設けられています。(車いすがクラス1〜5、立位がクラス6〜10。障がいが軽くなるにつれ、クラスの数字が大きくなる)また、知的障がいがクラス11として設けられています。

⬛スピード感溢れるラリー

車いすを使用する選手は、車いすを左右に大きく動かすのが難しいため、台の近くでプレーするスタイルが印象的でした。近距離での打ち合いの中で、左右に打ち分けたり、ネット際に落ちる球を織り交ぜながら戦うなど、テクニックが随所に光っていました。

2018年世界選手権3位入賞、世界ランク7位(20198月現在)の古川佳奈美選手の試合を観戦しました。驚いたのは、球のスピードです。ときには時速100km以上という速さで飛んでくるボールを、見事な反射神経で打ち返し、戦っていました。

日本知的障害者卓球連盟の鈴木副会長さんにお話を伺ったところ「日本で初となる国際大会の開催は、来年に控えるパラリンピックへ向けての大きな一歩となりました。世界レベルの戦いを間近で見てもらい、来年を楽しみにしてくれる方が一人でも増えたら嬉しいですね。パラリンピックに出場するには、世界ランキングの上位にランクインする必要があります。ハイレベルな戦いの中で日本代表選手は国際大会で実績を残して、出場権を獲得しています。パラリンピックでの活躍も大いに期待できると思います」とおっしゃっていました。

 

⬛“変形する卓球台”の展示

試合会場には、日本肢体不自由者卓球協会がホームページにて公開されているPARA PINGPONG TABLE|カタチにとらわれない卓球台(以下、パラ卓球台)の展示がされていました。

パラ卓球台とは、通常の長方形の卓球台が変形し、丸くなっていたり、左に長くなっていたり、縦に長くなっていたりと様々なバージョンがあります。これは、パラ卓球選手がプレーする際、彼らにとって卓球台がどのように見えているかを、インタビューやスケッチを基に再現したものだそうです。

 

日本肢体不自由者卓球協会はこのパラ卓球台を一般の方にも体験してもらうことで、1人でも多くの人にパラ卓球の楽しさを知ってもらい、試合を見るきっかけとなればという思いを込めているそうです。私もチャンスがあれば、是非、パラ卓球台を体験してみたいと思いました。展示されていたパラ卓球台は2パターンのみでしたが、それ以外にもそれぞれの選手をモデルにしたパラ卓球台について説明が書かれたパネルも展示されていました。たくさんの形があり、興味深かったです。

 

 

⬛取材を通して

世界トップレベルの選手がしのぎを削った戦いを間近に感じ、興奮すると同時に、プレイヤーとサポーターの信頼関係の深さに感動する場面もありました。また、パラ卓球選手の個性が感じられるパラ卓球台を見ることができて、改めてパラ卓球選手が自身の障がいと向き合い、戦う姿勢に強さを覚え、不自由だからこそ生まれた独自のプレースタイルがあるんだと気づかされました。この選手目線を理解し観戦することで、より想像力が膨らみ、楽しさを感じることができました。障がいという一人、一人が持つ個性は無限の輝きを秘めています。私自身、とても大きな勇気をもらえた取材となりました。

 

日本代表33名の選手が出場し、計17個のメダルを獲得しました!最高のパフォーマンスを、感動をありがとうございました。

日本人選手主な結果

【個人戦】

女子クラス2-3
茶田ゆきみ 銅メダル

女子クラス5
別所キミヱ 銀メダル

女子クラス8
友野有理 金メダル 廣兼めぐみ 銅メダル

女子クラス10
竹内望 銅メダル 工藤恭子 銅メダル

男子クラス4
齊藤元希 銅メダル

男子クラス5
中本亨 銅メダル

男子クラス9
岩渕幸洋 銅メダル

男子クラス10
垣田斉明 金メダル

【団体戦】

女子クラス8-10
竹内望・工藤恭子 銀メダル
石河惠美・ウクライナ 銅メダル

男子クラス4
齊藤元希・玉津徹也 銀メダル

男子クラス5
中村亮太・オランダ 銅メダル

男子クラス7
八木克勝・井上全悠 銅メダル

男子クラス8
立石アルファ裕一・宿野部拓海 銅メダル

男子クラス10
岩渕幸洋・垣田斉明 銀メダル

 

 

取材・執筆 木村真悠子

取材・文: cococolor編集部
Reporting and Statement: cococolor

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