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Dec.

2024

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2 Apr. 2018

助けられあいプロジェクトとは

佐多直厚
ソリューション・プランナー / プロデューサー
佐多直厚



助けられあいプロジェクトに

「協力するスキル」が加わりました。

 

 妊婦マーク、ヘルプマーク、難聴マークなど手助けがほしいことを表わすサインがあります。でもなかなか普及せず、誤解や風評も生み出しています。それを温かい心で乗り越えようと、協力する人が意志を表すサインも生み出されてきました。さらに両者を取り持ち、ストレスなくつながりを作るソリューションも。

これは助け合いを超えた助けられあいです。自分も助けられる人間の一人であり共に助け合って生きていく。豊かな共生社会を作るプロジェクトとして助けられあいプロジェクトと命名しました。尊いアクションをすべてつないで連携し、輝かせます。共に生き、共に生かす共生社会をめざしましょう。

協力する意思とともに必要な知識や技術を身に着けたい、資格を取得したい…そういうステップアップに力強い二つの検定が加わりましたので、記事に加えて紹介します。ほかにも国家資格からスキルセミナーなど様々なスキルアップの道がありますが、社会性動物~人間が気づいて、正しいアクションをするための重要な学びです。 

★情報共有、相談、連携協力のためのコミュニティはFacebookから開始します。
 参考になる体験など読み応えのある連載記事【られあおうコラム】、ちょっとした話題~声を届ける【らればな】などつながりを見つけて育てていく、みんなのSNSコミュニティです。
 助けられあいプロジェクトFacebookコミュニティページへ

★助けられあいプロジェクトでは参加団体を随時募集しています。

お問い合わせはcococolor編集部
または各団体リンクページへお寄せください。

ここからは2018年4月18日現在参加している活動を紹介します。援助してほしい人の「援助がほしい」、協力したい、援助したい気持ちの「協力したい」、両者をつなぐ開発技術の「取り持つソリューション」そして新しく援助における正しいアクションの裏付けを育てる「協力するスキル」に分けてご案内します。 


 
ヘルプマーク(普及推進プロジェクト)

 

ヘルプマーク普及推進プロジェクト

 

  ヘルプマークは義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせて援助が得やすくなるようにとのコンセプトで東京都が作成し、201210月から都営交通を中心に配布や優先席へのステッカー標示等が進められてきました。しかし認知度がまだ十分ではなく、対象者の生活範囲も東京都内にとどまらないケースも多いことから、隣接県と連携した幅広い取り組みが必要です。 そこでNPO法人希少難病ネットつながる(RDneT/アールディネット)理事長で難病当事者の香取久之が中心となり『MIKE Project(みけぷろじぇくと)』を立ち上げ、行政のみならず民間企業や当事者支援団体等と横断的に連携した普及推進活動を展開しています。

 2020年東京 オリンピック・パラリンピックまでに47都道府県すべてにおいてヘルプマーク/ヘルプカードがしっかりと認知され、ひとと繋がる、社会と繋がる「みんなが・いきいき・暮らせる・エブリデイ(日常)」、そして『真の一億総活躍社会』の実現を目指します。

特定非営利活動法人 希少難病ネットつながるウェブサイトへ

  



やさしさコネクトマーク

 

やさしさコネクトマーク

 

 稀少難病である特発性多中心性キャッスルマン病当事者である麻田モモカ主宰の「病気と生きるプロジェクト」の一環としてクラウドファンディングで資金を募り、製作。電車やバスといった閉鎖された公共空間内では声をあげることは大変な勇気が必要なのはもとより、自分と同じ「見た目では分からない問題」を抱えている人に声をかけてしまうかも知れないという不安がある事から製作を企画。マークの配布により、「見た目では分からない問題」の周知と、支援者側のやさしさの表出を図る。

 マークは非言語コミュニケーションのツールとなりえる事から、当事者側のマーク(ヘルプマーク等)に合わせた支援者側のマークがある事で、繋がるべきところが繋がりやすくなると考え、やさしい気持ちが繋がるマークという意味を込めて「やさしさコネクトマーク」と名付けた。マークのデザインは年齢・服装を問わず付けられるようシンプルなものにし、アタッチメントは付けたいときだけ付けられるよう、取り外しが容易なボールチェーンを採用。

「自主性を持った支援」「無理しない支援」「できる事を、できる時に、できるだけ」といった個々人が自然な形で支援する姿を理想とする。

やさしさコネクトマーク/病気と生きるプロジェクトFacebookへ

 


 
思いやりと勇気のバッチ

 

思いやりと勇気のバッジ

 

 このバッチのコンセプトは、普段使いできるデザインであり、思いやりと勇気をファッションの一部として身に付けることです。 「電車内で見かけた杖をついた高齢者」「坂を登っている車椅子の人」「道に迷っていそうな外国人」などの方を見かけた時に、声をかけようか迷いながらタイミングを逃してしまった経験はありませんか? しかし実際のところ困っていそうな人を見かけても、どのように対応すれば分からないことや、冷たく断られてしまった経験を持つ方も多いのではないでしょうか。 NPO法人シェイクハートプロジェクトの想いは、車椅子の正しい押し方や正しい英語力が必要なのではなく、困っていそうな方に怖がらずに声かける勇気を持ち、行動に移していただきたい。そういう想いの詰まったバッチです。 席を譲った人と受け取った人のお互いが、良いコミュニケーションを取れた時、その周りも温かな気持ちに包まれるような優しさの連鎖が生まれることを期待しています。 2020年に沢山の外国人が来られる時、日本らしいおもてなしの心で、助けを必要としている「かも」しれない人へ声をかける勇気を得てもらえるようなキッカケとなることを目指しています。

思いやりと勇気のバッチ/NPO法人 シェイクハートプロジェクトウェブサイトへ

 



 EMPOWER Project

 

EMPOWER Project

 

 電車の中で、年配の方が立っている。「席を譲りたい。でも、断られたらどうしよう…」。

知らない街で、道に迷ってしまった。「道を教えてもらいたい。でも、頼みにくいな…」。

そんな時、役にたつのが「協力者カミングアウト」です。今までの「当事者」のカミングアウトに加え、「協力が必要な時は、お声を」と「協力者」が「マゼンタ・スター」のバッジをつけて意思表示すれば、誰もが暮らしやすい町になる。ある場面での当事者が別の場面では協力者になりえ、その逆もあることに気づき、協力し合えば、みんなの違いが力になる社会になる。EMPOWER Projectでは、障害の「社会モデル」に基づき、東京オリンピック・パラリンピックでの「おもてなし」と、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」が目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、当事者の意思を尊重する「May I?」の精神で、この新文化を推進しています。「EMPOWER Project」は、東京大学EMPOWERと電通ダイバーシティ・ラボが協力し、国連や文化・芸術界、企業との協働、そして世界の若者とのパートナーシップを通じて、世界で活動しています。現在、クラウドファンディングを展開中で、協賛パートナーも募集しています。

EMPOWER Projectウェブサイトへ

 


 
うんちマンフラッシュモブ

 

うんちマンフラッシュモブ

 

 少年の心をもったうんちマンです! だから大人になってもうんち好き!大好きなうんちのゲームをつくって、うんちマンとして国内外に宣伝に行ったら、どこでも笑顔で歓迎されるので、これは人を幸せにできるかもしれないと勘違いして、それ以来うんちマンとして生きてます!さらにうんちマンの仲間を増やそうと“うんちヒューマン”を増やしています!

 うんちヒューマンはダイバーシティでインクルーシブな仲間達です。誰もがうんちヒューマンになれば(日常的になる人はぼくくらいしかいませんが)、超腸兆メチャクチャ目立つので、良い子たちは目が点になってじぃーっと凝視したり、多くの人が笑顔になってくれたりします。だからどんな人でも自然と笑顔になって、モラルも高くならざるを得ないし、知らない人ともすぐに仲良くなります。席をゆずるのはもちろんのこと、席をゆずって断られても気にならないし、イヤな感じの態度はしにくくなるし、ナチュラルに親切になります。なので誰でもうんちマンになれるフラッシュモブをときどきやってます!あなたも是非一度うんちヒューマン体験をしてみませんか!?

うんちマンウェブサイトへ

 


 
&HAND/アンドハンド

 

&HAND アンドハンド

 

 アンドハンドはLINEなどを活用し、身体・精神的な不安や困難を抱えた人と、手助けをしたい人をマッチングし、具体的な行動をサポートするサービスです。手助けを必要とする人はBeaconデバイスを携帯し、必要な状況でONにすると、周囲のサポーター(手助けをしたい人)のLINEにメッセージが届きます。サポーターはChatBotを通じて手助けを必要とする人の状況が分かり、具体的な行動を起こすことができます。
 一般社団法人PLAYERSのタキザワケイタが妻の妊娠時の経験をもとに、電車で立っているのがつらい妊婦と手助けしたい方をマッチングするサービス「スマート・マタニティマーク」を考案し、プロトタイプを開発(GoogleAndroid Experiments OBJECT」グランプリ)。そのアイデアをもとに、対象者を障害を抱える方や外国人旅行者などに広げ、アプリをLINEに変更したアンドハンド」に展開しました(LINE BOT AWARDSグランプリ)。
 (一社)PLAYERSはアイデアやヴィジョン「やさしさから やさしさが生まれる社会」に共感いただいた大日本印刷(DNP)・東京メトロ・LINEと連携し、事業化を支援しています。事業化に向けた最初のステップとして、DNPが主体となり201712月に「妊婦さん向けサービス実証実験」を東京メトロ銀座線にて実施しました。

&HAND / アンドハンドウェブサイトへ
「スマート・マタニティマーク」コンセプトムービー

 


 

ユニバーサルマナー検定

 

ユニバーサルマナー検定ロゴマーク

 

 自分とは違う誰かのことを思いやり、適切な理解のもと、行動すること。これを「ユニバーサルマナー」として定義しています。従来、高齢者や障害者への対応を学ぶことは、福祉や介助の一環として、どこか特別なことと思われがちでした。しかし、街のバリアフリー化が進み、高齢者や障害者を見かけることが日常となった今、それらは決して特別な技術ではありません。誰もが身につけておきたい、実践できていればかっこいい「マナー」の位置付けにしていきたい、そんな願いからユニバーサルマナーという言葉は生まれました。

 「ユニバーサルマナー検定」の認定級には、3級と2級があります。3級の取得講座は、ユニバーサルマナーの基本的な考え方と心構えを学ぶことを目的とし、2時間の講座と演習問題という座学のみで構成されています。2級の取得講座では、より実践的な行動に移すことを目的とし、障害ごとの基礎知識やサポート方法を学ぶ5時間の講義と実技研修で構成されています。ユニバーサルマナー検定では、障害のある当事者講師がカリキュラムを監修しているので、本当に喜ばれる細やかな配慮を身につけることができます。

 東京・大阪・福岡などの主要都市で、定期開催しています。日程は下記公式ウェブサイトをご確認ください。

ユニバーサルマナー検定ウェブサイトへ

 

 


 

ダイバーシティ・アテンダント検定

 

ダイバーシティ・アテンダント検定外国人対応イメージ

 

 年々、外国人や高齢の方、障害のある方をまちやショップ、観光地で見かけることが多くなったと思いませんか? そして、困っていそうな人を見かけたとき、声を掛けたいけど、どうしてよいか、どんな対応をしたらよいかわからなくて、困ってしまうことはありませんか?ダイバーシティ・アテンダント検定は、国による文化の違いやさまざまな特性をもつ方々の気持ちを理解し、ダイバーシティ対応や具体的なアテンドの仕方を学ぶことができる検定です。ダイバーシティ・アテンドがたくさん生まれる場所には、『またここに来たい!』『またこの人からサービスを受けたい!』とリピーターになってくれるお客さまがたくさん増えるので、みんなが笑顔になれます。ここ数年、国際的なスポーツイベントが日本で開催されることが決まっています。その時ボランティアとして活躍し盛り上げていきたい方にも、ぜひ学んでいただきたい検定です。

 ダイバーシティ・アテンダント検定は、『知識編』『実践編』『場面編』3冊の公式テキストからわかりやすく学ぶことができます。お時間がない方も、通勤途中などにスマホやiPadでも学べます。

一般社団法人 ダイバーシティ・アテンダント協会ウェブサイトへ

 

 

 

 

 

取材・文: 佐多直厚
Reporting and Statement: raresata

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