音|聴覚過敏のある人と暮らすこと
- 共同執筆
- ココカラー編集部
ウィリアム症候群のひとたちは、音に対してとても敏感です。
音楽がとても好きで、社交的である反面、苦手な音が聞こえると耐えられなくなってしまいます。
苦手な音もさまざまです。
「雷の音」
「掃除機の音」
「カラオケの音」
「ひとの声の集まったざわざわした音」
「電車の通る音」
「怒鳴り声」
どれも印象的な音ですが
たいていのひとにとっては我慢ができる音のように思うかもしれません。
しかし、ウィリアム症候群のひとは「ある苦手な音」が聞こえると、パニックになってしまうことがあります。
その理由は、ウィリアム症候群の特徴の一つでもある「聴覚過敏」というものが影響しているのです。
聴覚過敏とは、たいていのひとが我慢できる音を、苦痛を伴う異常な音として経験することです。
例えば、黒板をひっかく音が苦手な人は多いと思います。
実は、聴覚過敏のひとにとって「雷の音」は、普通のひとが苦手な「黒板をひっかく音」のように聞こえるのです。
確かに、黒板をひっかく音など、いやなおとを聞いたときは、耳をふさぎたくなりませんか。
その音が長時間鳴り続けば、パニックになるかもしれません。
そうした反応は、音の種類が異なるだけで普通の反応のように思えませんか?
もしも身近にウィリアム症候群のひとと接する機会のあるひとは、このことを知っていて頂けたらと思います。
例えば、大きな音がするときは、事前に伝えてあげてみたり、
例えば、優しい話し方で静かにお話してみたり、
例えば、静かな空間を用意してみたり、
工夫できることがあるのではないかなと思います。
最近は専用のイヤーマフをつけているひともたまに目にしますが
決して周りの声を遮断したいとか、聞きたくないとか、失礼な行為だと決めつけずに、理解して受け入れてあげてほしいと思います。
些細なことですが、
「音」は生活している中で発生しているものなので
気にしていないと、忘れてしまいます。
少しだけ、「音」を聞いて、周りに気づくことが
少しでも、多くのひとができるようになれば嬉しく思います。
参考文献:公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター
注目のキーワード
関連ワード
-
特例子会社Special subsidiary company
障害者の雇用促進・安定を目的に設立される子会社。障害者に特別に配慮するなど一定の条件を満たすことで、特例として親会社に雇用されているものとみなされる。企業側は、障害者雇用率制度で義務づけられている実雇用…詳しく知る
-
ユニバーサルツーリズムUT
すべての人が楽しめるよう創られた旅行であり、高齢や障がい等の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行を目指しているもの(観光庁HPより)。http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisak […]詳しく知る
-
インクルージョンInclusion
様々な背景や能力を持った人々が、その違いを認められた上で、対等にチャンスを与えられている状態のこと。日本語では「包摂」とされる。詳しく知る
関連記事
この人の記事
-
18 Nov. 2022
視覚障がいに関わる“壁”を溶かす新規事業とは
- 共同執筆
- ココカラー編集部
EVENT, インクルーシブ・マーケティング, インクルーシブ・デザイン, ユニバーサルデザイン, バリアフリー, CSV, イベント, コミュニケーション, テクノロジー, 障害,