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Aug.

2018

interview
31 Jan. 2014

第3回★地道に種まいて、育てて、増やして、拡げて、続ける

アイキャッチ

取材の途中、手話カフェ「Sign With Me」に7名の女性グループが来店した。

手話で井戸端会議を楽しむ「井戸端手話の会」のお母さんたちだ。メンバーは健聴者だが、わいわいテーブルにつくと、思い思いに手話を使いながらおしゃべりに花を咲かせ始める。いつもの会話を楽しみながら、松森さんが手話を教え、みんなで覚えているのだ。

「手話が当たり前にある環境を、自分の周りにつくっていこうと思って。」

「コミュニケーションに関わる障害」である聴覚障がい者は、近所付き合いを避ける傾向があるといわれる。松森さんも、始めからうまくやってきたわけではない。

「最初は私も、お母さんたちの井戸端会議に入るのが難しくて、にこにこ笑っているだけでした。」

「井戸端手話の会」始まりのきっかけは、興味を持ってくれた子どもの同級生のお母さんに手話を教えるようになったことだった。最初は同じマンションの5人ほどから始まった。今ではマンションの外からの参加者も増えて15人ほどのメンバーがいるという。

時間はかかるかもしれないが、興味を持ってくれた人と育てていく人間関係とコミュニケーションは浅く広く無難な関係にはない深みがある。

健聴者が聴覚障害に関して質問しようとするとき、「聞いてもいいのか分からないけれど‥」「失礼かもしれないけど‥」などとかなり遠慮がちなことが多い。しかし、コミュニケーションを諦められてしまうことの方が多い聴覚障がい者にとって、興味を持って色々と質問をしてもらえるのはとても嬉しいことだ。

「コミュニケーションとは、『地道に種まいて、育てて、増やして、拡げて、続ける』ものだと思います。続けることが一番大事ですよね。」

「井戸端手話の会」は、もうすぐ12年目を迎える。

ところで、「聞こえる世界」「聞こえない世界」「聞こえるときもあれば聞こえないときもあるという中途半端な世界」、の3つの世界を経験している松森さんは、聴覚障がい者ならではの人生の魅力についてはどう考えているのだろう。それについてはまた次回。

 -この連載の記事-

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-Writer Profile-

プロフィール-4阿佐見 綾香
2009年電通入社。ストラテジック・プランナーとして企業の商品やサービスのマーケティングや商品開発、リサーチ、企画プランニングなどを手掛ける。
電通ダイバーシティラボ電通ギャルラボに所属。2012年12月に、中・高・大学生の女の子専門調査チーム「原宿可愛研」を創立。日経トレンディネット「ギャルラボ白書」連載中。

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Reporting and Statement: ayacandy-asamiayaka
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