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【前編】生きる楽しみを掴む~病室で闘うこどもたちの、パフォーマーという生き方~
- 統合マーケティングプロデューサー
- 中曽根彩華
「劇場へ観に行くことが困難な難病児へ、本格的なエンタメパフォーマンスを届けたい」
そんな想いから始まった「NPO法人心魂プロジェクト」。(https://www.cocorodama.com/index.html)
2023年11月17日(金)、【病と闘う子供とその家族―NPO法人「心魂プロジェクトとともに聴く」―】というイベントに「心魂プロジェクト」のメンバーがご出演され、パフォーマンスの披露と難病児たちを取り巻く課題について考えるイベントが開催されました。
第一部は、難病児のキッズ団と俳優たちによるパフォーマンスの披露。
第二部は、心魂プロジェクト共同代表の寺田真実さんと、難病児の父である電通ソリューション・デザイン局(当時)の田中浩章氏の対談により病と闘う子どもとその家族について座談会形式でお話を聞きました。
前篇では、この第一部振り返り、
「NPO法人心魂プロジェクト」のパフォーマンスとキッズ団パフォーマーの活動への想い
についてフォーカスしていきます。
■NPO法人心魂プロジェクトとは?
心魂プロジェクトは、『劇場に来るのが難しいなら、私たちが行けばいい!』 そんな思いを胸に、劇団四季・宝塚歌劇団出身俳優が中心となり、難病児・障がい児・きょうだい児・ご家族へ本格的なパフォーマンス(劇場空間)を届けているNPO法人です。
2014年1月 に設立・活動を開始し、日本全国~海外まで、全3,950回を超える公演を開催し多くの難病患者とその家族へ本格的なパフォーマンスを届けています。
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心魂プロジェクトがパフォーマンスをお届けする中で最も大切にしていることは“心”の交流。パフォーマンスを通してパフォーマーと参加者が、心と心で繋がる環境の創出を目指しています。
■心魂プロジェクトの誕生の軌跡
共同代表の寺田さんは劇団四季在団中に、自閉症の10歳の男の子に出会いました。
男の子は劇団四季のミュージカルを観て、とても感動し、家に帰ってお母さんに言いました。
『ぼく、次はひとりで行ってみたい』
彼はその日から、家のドアを開け、ひとりでバス停まで向かう練習を始めました。
そこから、ひとりでバスに乗れるようになり、最終的に彼はひとりで劇団四季の舞台を観に来ることができました。
後日、彼のお母さまから
『越えられないと思っていたハードルをいくつも、いくつも越えました』
との手紙が届いたそうです。
その時初めて、
観たくても簡単には観れない子ども達の存在
に気が付いたと言います。
これをきっかけに
『劇場に来れる子どもたちだけでなく、生のパフォーマンスを体感することが難しい難病の子ども達の元へパフォーマンスを届けたい』
そう寺田さんは決意し、心魂プロジェクトが誕生しました。
それから、パフォーマンスを届けている中で、「私もやりたい!」と自ら難病のこどもたちが手を挙げるようになりました。今では心魂プロジェクトのメンバーとして難病のこどもたちやご家族も活動をしています。
心魂プロジェクトは、難病の子どもたちへのパフォーマンスを届けるだけではなく、難病の子どもたちが一般の方へパフォーマンスを届けることを始めるようにもなりました。
■第一部|難病のこどもたちによるパフォーマンス
今回のイベントでは、メンバーの俳優たちに加え、実際にキッズ団の子どもたちが、参加者へパフォーマンスを披露してくれました。
参加者と一緒に、リズムに乗ってみたり、プロ俳優たちの華麗な歌に合わせて全身を使い子どもたちが感情を表現してみたり、まさにショーというべきパフォーマンスの数々。
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俳優と子どもたちによるパフォーマンスは、想像を超えるほどの壮大さです。
【俳優たちの力強く胸に響く歌唱力】
×
【こどもたちのめいいっぱい気持ちを乗せた輝かしいダンス】
2つは化学反応を起こし、会場全体がステージへと一気に吸い込まれていくのがわかります。息をのむような美しい表現の数々で、魅了されっぱなしでした。
パフォーマンスのラストを飾ったのは、心臓と腸に病を抱えるメンバーの、ジャスミンちゃん。
自らの意思でメンバーとなり、自分でダンスの考案もしています。先日の台湾公演でも、考案したダンスを他のメンバーに託し披露したと言います。
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ジャスミンちゃん
―わたしは、生まれつきの心臓と腸の病気を持っています。日頃から食事制限もあるし入院も頻繁にしています。辛いけど、楽しいことをして頑張っています。
私は入院が多い時やふとした時に「幸せって何だろう?」と思ってしまう時があります。でもそれだけ考えていては辛いから、気持ちを切り替えて、楽しいことをしています。
私と同じように「何のために生きてきたんだろう?」と思う方に「あなたは幸せになるために生まれてきたんだよ。何か1つでも好きなことが見つかれば、それが人のためになって幸せと思える時が必ず来る。どんなにつらいことがあっても、幸せだった時を思い出して、また前に進んでいこう!」という思うで振り付けをしました。
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最後は俳優とキッズ団のこどもたちと、会場全員で一緒に歌を歌い、振り付けを楽しみながら第一部は幕を閉じました。
前篇は、難病を抱えながらもパフォーマーとして活躍をしているキッズ団と俳優たちによる心魂プロジェクトのパフォーマンスについて、レポートしました。
子どもとは思えない、一人の人間としての強さを感じますよね。
後篇では、
心魂プロジェクトの共同代表として多くの子供たちと関わってきた視点を持つ寺田さん
と
難病を抱える子供を看護している父親の視点を持つ電通ソリューション・デザイン局(当時)の田中氏
の座談会をレポートし、病と闘う子どもとその家族を取り巻く環境と、それから見えてきた生き方の気付きについてお届けいたします。
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