こどもといきる親たち必見「イーヨ」のせかい
- コミュニケーション・プランナー
- 國富友希愛
イ―ヨのサイトを訪れると、誰もが必ず肯定的な言葉にであう。
▼イーヨ https://s-iiyo.com/about/
私は先程、イーヨのサイトから「ひとやすみしてイーヨ」という言葉をもらった。仕事・家事・育児・仕事・家事・育児。“人は8時間仕事をして、8時間休息し、8時間余暇を過ごすリズムが良い”と何かで読んだが、8時間の余暇を自分のためだけに使える親は少ないのではないか。そうだ、私もひとやすみしよう。休んだっていいのだから。
子育てをする親たちに肯定的な言葉と有意義な情報を投げかけ続けるイーヨ。一児のお母さまであり、NPO法人しんぐるまざーず・ふぉーらむ/イーヨ編集部の福井万里さんに、こどもといきる“親たちのせかい”について伺った。
■なんで“イーヨ”?
イ―ヨのサイトは、訪れてもらった人の“自己肯定感があがること”を意識して、コンセプトを考えています。大人にとっても子どもにとっても、「~でいいよ」「~していいよ」という声かけは他者と自己を「受容」、許容するような意味をもつ言葉です。子育てをしている親、特にひとり親の方には、自己肯定感があまり高くない方がいらっしゃいます。さまざまな経験、経緯、環境によって自己肯定感が下がっていく状態があるのです。そんなとき「いまの状態でもいいよ」「いいよ、大丈夫だよ」という気持ちに、画面をみるたびになってほしいと思い「~イーヨ」という言葉をサイトトップにしています。
バリエーションは45種類あって、いろんな人とコピーを考えているのですがその中には、
「もういいかい もうイ―ヨ」という、小学校3年生の私の息子発案のメッセージもあります。「ありのままでイーヨ」「ひとりでがんばらなくてイーヨ」「ひとやすみしてイーヨ」そうした声がけをサイトでし続けることで、見るたびに受容されるという経験をしてほしいと思っています。
自己肯定感をあげていくための、受容の体験っていまの親たちにとって減っている気がします。子育て中、子どもに「育児よくがんばってるね。」と褒められるわけでもありませんし(笑)、子どもが他者に迷惑をかけないか常時気になります。小さいお子さんがいるから何かを否定されたり、行けない場所があったり。その積み重ねで、子育てをしている自分が受容されているという実感が減ってくるのだと思います。イーヨは、受容の疑似体験をつくろうとネット上で試行錯誤しています。実際に、Q&Aの記事では、質問や相談というハードルの高い行動をしてくださったことへの感謝を伝え、受容した回答をすることを心がけています。
■たすけを求めてイーヨ!
ひとり親の方には、困っているから相談しているにも関わらず行政などに冷たく対応されるように感じる経験をすることで、「一度相談をがんばってしてみたけどダメだった。もう相談しないようにしよう。」という受け止め方をされている方もいます。
(國富 私がそうです。)
イ―ヨの体験談に、「ひとりで生きると決めたけど無理です疲れます」という声が寄せられたこともあるのですが、これからの子育てには「受援力」を育むことが大切だと思っています。受援力というのは、助けを求められる力です。かくいう私も他人に助けを求めることが得意なわけではありませんが。
(國富 私もそうです。)
しかしながら、一度助けを求めてネガティブな思いをしたときでも二度目の助けを求めつづけること、支援を受けることを恥ずかしいと思わないこと、支援を受けないと生活していけない状態で我慢をしないこと、「どんな経緯でも何度でも助けを求めていい」ということをイーヨでは伝えたいです。今、周囲にちょっと助けられた体験談を募集して掲載の準備をしているのですが、読者がそれを読むことによって、誰かも助けてもらえるのであれば私も助けてもらえるかも、と思っていただけるのではとの思いがあります。
■イーヨによせられた体験談(一部)
「子どもの反抗期」
子どもの反抗期(センパイママの声)
「私のカミングアウト」
私のカミングアウト
「結婚しないで子どもを産むこと」
結婚しないで子どもを産むこと
■イ―ヨ公式Twitterアカウント
https://twitter.com/s_iiyo_official
■福井万里さんプロフィール
NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむスタッフ。「イーヨ」ではディレクション・編集・記事執筆を担当。「シングルマザー365日サポートブック」共同編著、ひとり親向けフリーペーパー「Smoms」編集担当。
■イ―ヨ関連記事(福井さん執筆)
https://children.publishers.fm/article/23578/
■子どもも大人も、ひとりでがんばらなくてイーヨ。
たくさんの心がほぐれる記事を掲載しているイーヨ。冒頭、私は仕事と睡眠以外の時間に自分は8時間一体何をしているのか?という問いを持った。福井さんのお話を聞くにつれ、子どもという先生から人生について学んでいる立派な自分のための余暇を過ごしていたことに気づいた。
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