だれもがプレイヤーなイキイキ家族チームに~家族のかたちの現在地⑤~
- ソリューション・プランナー / プロデューサー
- 佐多直厚
家族って、家の族だからひとつ屋根の下に同居する人々かな。最近のドラマではもうダイバーシティな視点で血縁とか関係なく、同居すればもう家族という世界を描いていますね。でも家っていう場を離れて、同居でなくても家族って成立する、家族と言うチームのプレイヤーになれるのではないか。64歳の育児参加体験~仮称育G体験を通して考えたことです。
張り切って体験開始。
昨年秋、長女が里帰り出産し、初孫が生まれました。在宅勤務をするわたくしが母子からの要望を叶える日々。育児するジイ、育G生活を送りました。育Baはオフィス通勤ですので、コロナ対応の観点からも育Gは張り切りました。ママの食事を整え、孫の沐浴、オムツ交換は子育て時代の経験を活用しつつ、ノウハウ、素材、道具の素晴らしい進化を実感しました。子育てしていたころには沐浴、オムツ替えには自信があり、沖縄ロケで地元舞踊団の撮影中にお子さんのお世話。スタッフや関係者にオムツ替えられる人が全くおらず、一人で対応。その手際の良さに団長さんからねぎらいの言葉と舞踊の小道具、四つ竹をいただきました。今のおむつははるかに進化していますし、おしりふきシートなどは口や手足を拭くのも安心な品質。でも気を付けなくてはいけないのは素材のポリマー樹脂によるマイクロプラスチック海洋汚染。子育ては環境にも直結している。いやこの子のために考え抜かないと!と責任を感じました。
責任を感じたのはジェンダーバイアスの始まりを作らないこと。まだ乳児ですが、この先色彩、絵本、会話、映像から人間関係を知っていきます。かかわる人々のありようやアドバイスに左右されます。カラフルな積み木で遊ぶと明度と彩度の高いものを選ぶようです。
「これは女の子の色ね~」
などとピンクを女性色と固定しがちな旧世代。ジイは特にそうなっていがちかもと思います。直近のジェンダーバイアス研究成果を京都大学が公開していますので、ご参考にどうぞ。3ページ目に4歳から7歳にかけての調査分析報告があります。
京都大学2022/10/12公開情報より 子どものジェンダーステレオタイプが生じる時期を解明
育GはG自体を育てることだ。
孫はかわいがればいいだけだから、責任ないと言われてきましたが、これからは改めるべきですし、リタイアではなく終生社会につながるのが当たり前となるこれからを、孫との関係で学ぶ機会として貴重でした。育Gって仮称を作りましたが、よく考えると育児は児を育てることですから、育Gって基本的にGを育てることなんです。それなら介護か?いえいえ社会につながる存在への最近注目の学び直し「リスキリング」の一つだと思うのです。
育Gから考える家族と言うチームのこれから。
わたくし自身のこれまでの印象は祖父と言うのは子育ての輪からちょっと遠い存在でした。たまの里がえりで、ちょっとお散歩につきあうとか、食事の支払いを任せるとかそんなイメージ。育メンと言われる前の父の子育て協力も同様に軽いものでしたし、変化すべき時が来ました。孫は生まれて2か月で親子の住む都心へ帰りました。孫ロスにもなりましたが、リモートが当たり前になったおかげで離れていても家族というチームのメンバーとしてかかわりを持ち、シュミレーションして時々会って育Gマインドを持って接することができています。歩き出して、会話して、学校に行ってと成長に合わせて育Gもジェンダー対応、行動の責任が増していきますが、楽しみです。
祖父母の子育て参画はかなり広まってきています。例えばさいたま市ではそれを支援しようと「祖父母手帳」を制作し配布。厚労省、大学でも効果ありの分析が多数あります。
さいたま市資料「孫育てを応援!「祖父母手帳」をご利用ください」2022/7/5公開
厚労省公開資料「平成27年版厚生労働白書 – 人口減少社会を考える – 図表1-3-87 祖父母に期待される手助け」
祖父については無口、察することが苦手なため子供の情操教育にブレーキになるとの研究発表もあるようです*1が、それもステレオタイプ。育Gは成長していきますよ。
*1については資料の提供ができません。
育G体験から子育てにおける家族というチームにはジイだけでなく叔父、叔母、親族、友人もプレイヤーになれそうだなと感じました。その先には昭和の穏やかな頃にあった「隣組」のように近所の子供をみんなで見守り、育てる社会も復活、いや新しいスタイルで全員家族プレイヤーで育つことができるかもしれません。
リレーコラム④はこちらです。
④「自分の結婚式」がイメージできなかった私の場合
これからもリレーコラムにご期待ください。
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