Impaired visuospatial ability ウィリアムズ症候群コラム③
- 共同執筆
- ココカラー編集部
ウィリアムズ症候群についてご紹介するコラム。3回目となる今回の記事ではウィリアムズ症候群の特徴の一つであ「視空間認知障害」について、ご紹介します。ウィリアムズ症候群の特徴として、特有の顔つき、社交的な性格、心血管疾患などとならび、認知機能のばらつきが大きいことも一つとして指摘されています。中でも視空間認知機能の障害が強いと言われています。
視空間認知って?
視空間認知とは、目から入った情報から、ものを立体的にとらえ、把握する能力です。極端な例でいうと、視空間認知障害のある人に、立方体(キューブ)の絵をみせたとき、その人にとっては、その絵の中の図形は六角形ととらえてしまう場合があります。視空間認知が弱いといっても、その症状はひとりひとり異なるため、それぞれに適した対応や対策が必要です。今回は比較的ポピュラーな例から、どのようなサポートが必要なのか考えていけたらと思います。
生活の中で使う場面
視空間認知を使う身近な場面は、地図を見て目的地まで向かうとき・ものを片づける/見つけるときなどで使われます。また、スポーツにおいては向かってくるボールをキャッチするとき。また、子供の学習プロセスにおいては、パズル・図形・描写・塗り絵などをするときに使われます。
視空間認知が弱いとどうなるのか
視空間認知は視力には関係ありません。しかし、生活の中のちょっとした場面で不自由を感じることが多いといわれています。例えば、地図を見て目的地までたどり着くことができない(迷子になりやすい)など、生活においても周りのサポートが必要な場面も多々あります。発達の過程においては、初期の学習プロセスの中で読み書きができないこともあります。視空間認知の弱い人の中には、小学生で覚えるひらがなの「つくし」は、初めはかけない人もいます。平面でしか文字をとらえることができないため、一直線で曲がっているものが並んでいる、としか認知できないのです。ただし、視空間認知は訓練で鍛えることができます。
どうやってサポートすることができるだろうか
視空間認知が弱いことで、生活のすべてが困難となるわけではありません。しかし、少しだけそういった人のサポートができるとしたら、こんなことが考えられるのではないでしょうか。例えば、道案内をする際は、地図を渡すだけではなく、言葉や文章で目印を伝えるなど補足をしてあげたり。例えば、組み立てる作業が必要な際は、作業プロセスを言語化して説明してあげたり。それぞれの人の不自由に感じることを、少しずつシェアして、理解して、お互いに助け合うことでより過ごしやすくなるのではないでしょうか。
参考文献:
https://h-navi.jp/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku/11/1/11_1_48/_article/-char/ja
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