障がい者・難病者専門のタレント総合プロダクション「ココダイバーシティ・エンターテイメント」タレントインタビュー 後編
- ソリューション・プランナー
- 海東彩加
障がいの有無を問わず全ての人がフラットに通じ合えるリアルな場所を創りたい、そんな思いから生まれたイベントが「ダイバーシティ・カフェ品川」です。
ココダイバーシティ・エンターテイメントが開催するイベントで、所属タレントをはじめとし、障がいの有無に関わらず多様な人々の交流の場となっています。所属タレントによるライブ、漫談などさまざまなコンテンツを楽しめるイベント会場は常ににぎやかで笑い声が絶えません。
前回のココダイバーシティ・エンターテイメント代表取締役社長大倉伸三氏のインタビューに続き、所属タレント5名に話を伺いました。タレントを目指したきっかけや今後の展望など、一人一人の思いと魅力が詰まったインタビューをお届けします。
今西柊子さん
まずは自己紹介をお願いします。
ココダイバーシティ・エンターテイメント2期生で、モデルとして活動しています。私は6年ほど前に左足を膝上から切断し、大腿義足を使っています。
モデルとして活動したいと思ったきっかけを教えてください。
義足についていろいろと調べる中で、「義足モデル」の存在を知りました。初めて知った時からそのかっこよさに魅了され、私もモデルを目指したいと思うようになりました。
同じ頃、ニュースサイトでココダイバーシティ・エンターテイメントのオーディションの存在を知り、義足モデルへの道につながるのではないかと感じ、応募することを決めました。
オーディションは応募者も多く緊張する場面もありましたが、持ち前の何とかなるさ精神で乗り切り、今では実際に義足モデルとして活動できるようになりました。
お仕事をする中でのやりがいや嬉しかった瞬間を教えてください。
お仕事をもらったときはもちろん嬉しいのですが、SNSで直接反応をもらえることが大きな励みになっています。私の活動を見てくれている人がいると実感できるのでとても嬉しいです。
今後の夢や目標、活動を通して伝えていきたいことを教えてください。
自分がモデルを務めている看板が街中で見られるようになることを目指しています
今は障がいにフォーカスしたお仕事が多いですが、それを超えて義足モデルや車いすモデルが当たり前に活躍できる社会を目指していきたいと思っています!
You→kiさん
まずは自己紹介をお願いします。
4期生でモデルとして活動中です。脳性麻痺による両下肢機能障がいがあり、状況に応じて手動車いすと杖を使っています。
ココダイバーシティ・エンターテイメントに所属した経緯を教えてください。
以前、ココダイバーシティ・エンターテイメントの所属タレントが載っているフリーマガジンをもらったことがありました。
その後、障がいに関わらず芸能活動に挑戦したいという思いになり、フリーマガジンを再度読み返しレッスン生として参加し始めました。
お仕事をする中でのやりがいや嬉しかった瞬間を教えてください。
子どものころ、ネイリストになるのが夢でした。実際にネイルの専門学校も調べてみたのですが、車いすで施術する前例が見つからず、私にはできないとネイリストになる夢を諦めかけていました。
しかし、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の仕事の一環として、選手村で選手のネイルケアをする仕事をやらないかとお声がけいただきました。ネイルの仕事をしたいと伝えたことはなかったのですが、偶然このような機会があり、子どものころの夢が叶ったのはとても感慨深かったです。
今後の夢や目標、活動を通して伝えていきたいことを教えてください。
私は障がいを悲観的に捉えてはおらず、障がいも含めて「これが自分」と感じています。
だからこそ、障がいの有無に関わらずやりたいことにはチャレンジし、自分にできることを広げていきたいです。
それと同時に、どんなことでも楽しんで挑戦する姿を通して、見てくださる方の心を動かすきっかけを作りたいと思っています。
岡本奈々さん
まずは自己紹介をお願いします。
7期生で、大学の薬学部に通いながら、ダンサーとして活動をしています。
3歳の時に交通事故にあい、両下肢機能障がいがあり、車いすとクラッチ杖を利用しています。
ダンサーとして活動するようになった経緯を教えてください。
交通事故にあった当初、幼いこともあり人との違いを受け入れられず、車いすに乗ることや人に見られることが苦手で内気な性格でした。
そんな中、少しでも自信を持てるようにと母が車いすのスポーツを経験させてくれ、その中で興味を持ったのがダンスです。
その後、ダンス以外にも表現者として活動の幅を広げたいという思いから、ココダイバーシティ・エンターテイメントに所属することになりました。
お仕事をする中でのやりがいや楽しかった瞬間を教えてください。
ダンスをしているときはいつも楽しいです。
昔は内気だったこともあり、自分の気持ちを表現することが苦手だと感じることがよくありました。
ただ、ダンスをしているときだけは自分の気持ちを前に出せるように感じられて、自己表現のひとつとして私にとってダンスは欠かせない存在です。
今後の夢や目標、活動を通して伝えていきたいことを教えてください。
将来は、「踊れる薬剤師」になることが目標です!
子どものころから病院に行く機会が多く、医療の道への興味があります。薬剤師の免許取得に向け勉強中なので、今後は薬剤師としても、ダンサーとしても活躍していきたいです。
江夏明希さん
まずは自己紹介をお願いします!
16期生で俳優としての活躍を目指しています!
3年ほど前、線維筋痛症を発症しました。あまり一般的に知られておらず、治療法もなければ原因もわからない難病です。症状が出始めてからはあらゆる病院へ行ったものの原因がわからず、1年ほどかかかりやっとこの診断を受けました。
全身に痛みが走り、座っても立っても痛みがあるため、杖を使いながら自分のペースで出かけています。
ココダイバーシティ・エンターテイメントに所属した経緯を教えてください。
幼少期から劇団とプロダクションに所属していたのですが、線維筋痛症の発症を機に、オーディションに行けないことが続いたり、仕事が減ってしまったりして、泣く泣く辞めることになりました。この時は精神的にもきつかったことをよく覚えています。
気持ちが落ち込む中、あるテレビ番組に出演している障がい者の方が「みんなにはできて自分にはどうしてできないのかと比べて落ち込むこともあった。しかし、みんなにはできず自分にしかできないことがあるのではないか。」という言葉を聞き感銘を受けました。
こうなったからには自分には何かしらの使命があるのではないかという思いで、芸能活動を再開するためオーディションを受けました。
今後の夢や目標、活動を通して伝えていきたいことを教えてください。
認知度の低い線維筋痛症の認知を上げること、そして、私が表に出ることで笑顔になる人を増やしたいという思いで活動をしています。
今はココダイバーシティ・エンターテイメントに所属して間もないですが、これから表に出る機会を増やしていきたいです。メディアに出るのはもちろん、SNSなどでの発信を通して、多くの人に希望や元気を届けていきたいと思います!
成木冬威さん
まずは自己紹介をお願いします!
15期生で、役者業とボクシングに取り組んでいます!脳性麻痺があり、車いすで生活をしています。
ココダイバーシティ・エンターテイメントに所属した経緯を教えてください。
自分が活躍することで周囲への感謝を伝えたい思いから、役者業をしています。
もともとフリーで活動しており、舞台に出た経験もありました。一方、下積み時代はフリーでの活動ということもあり、あまり仲間がいないことや表に出る機会の少なさを感じており、ココダイバーシティ・エンターテイメントに所属することを決めました。
下積み時代は悩んだり苦労もありましたが、今ではいい仲間にたくさん出会えたこともあり、日々の活動がとても楽しいです。
役者業だけでなくボクシングにも挑戦している理由を教えてください。
空手で世界一になりながら役者としても活躍している芸能人の存在をテレビで知り、自分もそんな人になりたいという憧れからボクシングを始めました。
今ではプロとして活躍している人たちを目の当たりにし、プロとして活躍している人たちから学ぶことも多く、障がいに関係なく活躍していきたいという思いがあります。
今後の夢や目標、活動を通して伝えていきたいことを教えてください。
役者として、舞台や映像などいろんな作品で必要とされることが目標です。
家族や友人はもちろん、多くの人に幸せを与えられるような表現者になっていきたいと思っています。
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