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20 Nov. 2022

時代遅れを昔ばなしに!?#女子昔ばなし

海東彩加
ソリューション・プランナー
海東彩加

11月20日は世界こどもの日。子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、国連によって制定されました。しかし今なお、子どもたちの貧困や差別はなくなったわけではなく、環境改善に向けた取り組みは必要不可欠です。

本記事では、子どもたちの権利が守られ、女の子が差別されない公正な社会を実現することを目指し活動をしている国際NGOプラン・インターナショナル(過去記事はこちら)が実施したプロジェクトをご紹介します。

 

「時代遅れを昔ばなしに。#女子昔ばなし」って?

今も存在する「時代遅れな話」を過去の話にするために、みんなで考えていく取り組み。

Twitter上で過去にしたい話を、昔ばなしのように「むかしむかし〜」と変換し投稿をしてもらうことで、語り合うきっかけをつくりました。

 Copyright © Plan International Japan. All rights reserved.

 

「むかし、むかし。女性は入ることができない運動部があったそうな。」のような話が、Twitter上で3000以上集まりました。

さらに、その内容をもとに、実際に絵本『女子昔ばなし』を制作。絵本の寄贈や読み聞かせイベント、デジタル絵本や読み聞かせ動画の配信を通して、子どもたちのもとへと届けています。

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誰しもが声を上げやすい取り組みを

2022年に発表したジェンダーギャップ指数において、日本は146か国中116位。先進国の中ではジェンダーギャップが大きい国の一つです。

一方で、日本人女性の約70%が上司などによる性差別的な発言に対して声をあげられないといった調査結果も。

 

この企画を担当した大久保里美さんは「誰しもが声を上げやすく、大人から子どもへ想いが引き継いでいけるように昔ばなしをモチーフとした企画になりました。この絵本が今まで「当たり前だから」と受け入れていたことにも疑問をもち、話し合うきっかけになればと思っています。今回は女性をテーマにしたのですが、女性だけでなく男性や障がい者など、さまざまに意識を変えていくきっかけづくりを展開していきたいです。」と語っています。

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『まほうのだがしや チロル堂』でイベントも開催

「時代遅れを昔ばなしに。#女子昔ばなし」の絵本は実際に子どもたちのもとへと届けられ、読み聞かせイベントも開催しました。場所は、今年グッドデザイン賞の大賞をとった、奈良県生駒市で地域の子どもたちを支える場所『まほうのだがしや チロル堂』。

絵本を通じてジェンダーを考えるイベントになり、保護者たちからは、「親子でジェンダーのことを話せてよかった!」「家に帰って祖父母とも絵本を通じて会話しました!」といった声がありました。

 

さいごに

「時代遅れを昔ばなしに。#女子昔ばなし」で紹介されている物語は、世界、そして日本のどこかで今もなお実際に起こっていることです。

デジタル絵本を読んでみると、私の身近でも起こっていると感じるエピソードから、実際にそんなことがあるのかと信じがたいものまでありました。

 

子どもであるとか、女性であるとか関係なく、こうしたことが起こっていることを多くの人が知ること、そしてどうしたら現状が変わるのかを考えていくことが解決への一歩になるのではないでしょうか。

 

このお話が、早く本当の昔ばなしになりますように。

取材・文: 海東彩加
Reporting and Statement: ayakakaito

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