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17

Jun.

2021

interview
19 May. 2021

発達障害という特性と、ポジティブに向き合う!<後篇>  保護者は、自分だけで抱え込まなくていい。

竹下雄一郎
コピーライター
竹下雄一郎

発達障害についての実情を、WEBポータルサイト「LITALICO発達ナビ」さんにインタビューする本企画。今回の後篇では、発達障害への向き合い方をはじめ、LITALICO発達ナビのこれからのビジョンを、引き続きLITALICO発達ナビ編集部の牟田暁子さんに教えていただきます。

※前篇はコチラ→https://cococolor.jp/Developmental_Disability_interview1

 

「それ、あるある!」という共感から、繋がりが生まれてる。

Q&Aの一例。どの質問にも、数多くの真剣な回答が。

――LITALICO発達ナビでは、ユーザーさん同士で活発にやりとりが行われているとのことですが、どのような内容や雰囲気なのでしょうか。

 

牟田さん:

 前回申し上げた通り、LITALICO発達ナビのコンテンツのひとつとして、ユーザーさんによるブログ機能があります。当初は、保護者の方にお子さんの日常や医療機関の受診歴などの記録を日々記録していただくことで、将来成人した際に、福祉や年金などの手続きに必要な記録として役立ててもらうのを狙いにしていました。これらの申請の際には、過去にさかのぼっての詳細な説明が求められますから。

 ですが、そこにアップロードされる記事は、誰もが発達障害について何もわからないところからはじまり、子どもの状況に右往左往しながら、でも脱却してきた貴重な記録です。同じ立場に置かれている他の保護者の方にとっては、読むことで参考になったり、時には悩みさえも心底共感できる内容でいっぱい。「自分ひとりが悩んでいるだけじゃない」、「子どもの育ちに同じように寄りそっている仲間がいる」という安心や支えに繋がります。同じく、ユーザー同士のQ&Aについても、質問について本当に皆さん親身になって、自分事のように回答していらっしゃいます。そういう温かさから、絆が生まれているのだと思います。

 

――なるほど。同じ悩みを正直に共有できる場って、普段の人間関係の中では持ちにくかったりもしますしね。特にこのようなコロナ禍では、なかなかリアルでは集まりにくい状況ですし、そもそも地方在住で都市部に比べて周囲に支援のインフラや繋がりが少ない方にとっても、何物にも替えがたい貴重な場となりそうですね。

 

牟田さん:

 はい、私たちもそのようなニーズにもっと応えていくべく、昨年新たに「発達ナビPLUS」という新しいサービスを立ち上げました。これは、オンライン上で専門家によるセミナーに参加できたり、具体的な困りごとについて専門家に個別にメール相談できるほか、特別支援教材や子どもとの関わり方が学べる動画コンテンツ等をラインナップしています。

 発達障害のあるお子さんを育てている保護者の皆さんは、本当に忙しい日常を送ってらっしゃいます。ときには自分を犠牲にしてまで、子どもの育ちに必要な情報をさがしたり、周囲に理解してもらうためのツールを手探りでつくったり、子どもへどのように関わったらいいかわからず悩んだりする場面も多いと思います。ですが、支えてくれる仲間や、適切なアドバイスをしてくださる専門家、私たちのような存在に頼ってほしいと考えています。そしてその分、保護者自身の体も心も安定させ、自身の人生も大切にすることが、結果として子どもの心の安定にも繋がっていくのではないでしょうか。

 

――子どもを支えるために、保護者の皆さんが潰れてしまっては、元も子もないですものね。

 

牟田さん:

 【すべての子どもが、「自分らしく生きる力」を伸ばせるように、社会の仕組みを共につくります。】というのがLITALICO発達ナビのビジョンです。そのためには、保護者の方はもちろん、同じ価値観や経験を分かち合うユーザーさんという仲間、私たちや専門家、教育・行政のような人たちが、一丸となって発達障害のある子どもを支えることが不可欠と考えます。これからも、LITALICO発達ナビをベースに、より多くの方が力を合わせられる環境を作っていきたいですね。

 

――2回にわたり、大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


知ること×打ち明けあうこと=支え合い。

オープンに、ちょっと甘えていい、世の中なのだ。

 今回取材を終えて、ふと思い出しました。私が幼かったころ近所にいた、今で言えば発達障害とされるかもしれない幼馴染のことを。ちょっと田舎で、まだご近所づきあいの縁も深かった時代でもあり、僕たちもその子と一緒に遊ぶのは普通だったし、まわりの大人も、分け隔てなく接していたように思います。

 当事者やその親御さんが、自分自身を知り、自信をつける。同じ課題を抱える人同士が繋がって、支えや安心を得合う。そして、社会全体がちゃんと理解し、温かくinclusionしていく。豊富な情報やネットが当たり前になった今だと、また、「昔のコミュニティ」のように、やりやすくなってきているのかもしれません。むしろ、規模としてはもっと大きな、社会全体で。

 

取材協力:「LITALICO発達ナビ」https://h-navi.jp/

(運営元:株式会社LITALICOメディア&ソリューションズ)

 

取材・文: 竹下雄一郎
Reporting and Statement: yuichirotakeshita

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