
個性ゆたかな仲間たちと一緒に“大野球観戦イベント”を開催!


2018年7月10日 東京ドームで行われたプロ野球 福岡ソフトバンクホークス vs 北海道日本ハムファイターズにおいて、私たちが所属する越境ワーカーメンバーとその仲間達合計32名による“大野球観戦イベント”を実施しました。
cococolorの読者の皆さんにも、野球やサッカーなどスポーツ観戦が趣味の方も多くいらっしゃるかと思います。単に野球観戦というと、娯楽や趣味目的で行うものでありますが、今回の私たちが実施したイベントにはもう1つ大きなテーマがありました。それは「今よりもっと多様な人たちへスポーツ観戦の魅力を知らせ、もっと多様な人たちと一緒にスポーツ観戦を楽しめるようにする」ための挑戦です。
今回はこのイベント実施の背景から、イベント当日のレポートまでに歩んだ私たちの道のりをお伝えします。
「もっと多くの人たちと、スポーツ観戦を楽しむことは出来ないだろうか?」
「越境ワーカー」は、本社所在地が近隣であることを縁に、株式会社電通・ソフトバンク株式会社が共同で企画したプロジェクトで、2社に限らず参加企業が相互に社員を受け入れて課題解決を目指すオープンプロジェクトとなります。
そこに所属する、大のプロ野球ファン(むしろオタク?)がこう言いました。
「今の日本のプロスポーツは、まだまだ一部の熱狂的ファンによって支えられている部分が大きい。一人のスポーツファンとして、『もっと多くの人たちとスポーツ観戦を楽しむことは出来ないだろうか?』と思うんです。」
現在日本のプロスポーツには、野球・サッカー・バスケットボール、他にも相撲やプロレス等の格闘技に、競馬や競艇など多岐にわたるジャンルがあります。プロ野球やJリーグは日本でも有名なものの、チームによって人気の差があります。また、そもそも知名度の低い競技では、一部の熱狂的なファン以外の集客がほとんど出来ないなど様々な課題があります。
スポーツ観戦はエンターテイメントであるはずです。“熱狂的なファンだけでなく、100人いれば100通りのスポーツ観戦の楽しみ方を実現する”そうすれば、もっとスポーツ界を盛り上げることが出来るのではないか?漠然とはしていますが、この構想を実現するために、越境ワーカーではスポーツ観戦イノベーションプロジェクトを立ち上げました。
ホークスの恒例イベント“鷹の祭典”で、大観戦イベントを実施する
前述のとおり越境ワーカーは、電通とソフトバンクが立ち上げたプロジェクトです。そこでプロジェクト立ち上げ後の最初の取り組みとして、まずは福岡ソフトバンクホークスと組んで何かしてみたら面白いのではないか?という議論になりました。
ホークスの本拠地は福岡 ヤフオク!ドームでありますが、ホークス戦を確認してみると、年1〜2試合は東京ドームでの主催試合があり、首都圏在住のホークスファンはもちろんソフトバンクの社員も応援に駆けつける試合があるというのです。しかもその試合は、ホークスが主催する“鷹の祭典”という恒例イベントにあたる試合でもあり、観客にレプリカユニフォームが配布される人気試合です。
「これだ!」ということで、私たちは7月10日(火)に東京ドームで行われた鷹の祭典を皆で観戦することにしました。様々なバックグラウンドを持つ私たちの友人知人を招待し、プロ野球における100人100通りの楽しみ方を考えるためのアンケート&ディスカッションに協力して頂くことにしました。
個性豊かな32名が、東京ドームに大集結!
知人を招待する際、大事にしたことがあります。それは「同じ趣味・志向を持つ友人知人ではなく、とにかく多種多様な知人にお越し頂く」ことです。それこそが、プロ野球が好きな人・嫌いな人、野球のルールを知っている人・知らない人、スポーツ観戦をしたことがある人・したことがない人関係なく、スポーツ観戦の100人100通りの楽しみ方を探るヒントになると考えたからです。
実際にお越し頂いた方の中には、このような方々がいらっしゃいました。
・徒歩圏内に球場があるのに、これまで野球に全く興味が無かった方
・幼少期に父親が野球中継を観る時間は好きなテレビを観られなかったため、野球が嫌いになった方
・これまで野球を観に行ったことがない、オープンリーゲイの会社員
・初めて野球を観たときは4回で飽きてしまった、小学校1年生の男の子
・ろう者であり、普段は会社員とNPOの活動に勤しむ40年来のホークスファン
大半の方が初対面であったにも関わらず、同じユニフォームを着てホークスを応援するのはもちろん、席が近い人同士で会話をしたり、皆でお酒を飲んだりしたことで大変盛り上がるイベントとなりました。
また、試合後、「楽しかった!」「また野球を観に行きたいと思った!」といった嬉しいメッセージを多数頂きました。
試合はホークスの大敗・・・。それでも観戦を楽しめた理由とは?
今回は鷹の祭典ということで、もちろん皆でホークスを応援しました!
しかし肝心の試合はというと、ホークスは0対12でファイターズに大敗を喫してしまったのです。その日ホークスに出たヒットはわずか3本。ファイターズの先発・上沢投手を前に、強力ホークス打線はほとんど見せ場を作れませんでした。
そんな大敗にもかかわらず、私たち32名の笑顔は終止絶えず、大変盛り上がりました。もちろん、ホークスが勝てば更に盛り上がったことは間違いありません。それでも楽しむことが出来た要素は、“試合だけでなく、それ以外の楽しみ方が出来た”という部分にありました。
試合後、「今日一番楽しかったことは何でしたか?」というアンケートに対しては、まさに多種多様な声が挙がりました。
・新しいお友達が出来て、皆でお話しながら試合を観戦出来たこと
・球場の応援の雰囲気・一体感を感じられたこと
・好きな上林選手がヒットを打ったこと
・隣の人とハイタッチを出来たこと
100人100通りのスポーツの楽しみ方をどのように実現するか?
このように、鷹の祭典を通じて、初心者・熱狂的なファンそれぞれでスポーツ観戦にさまざまな楽しみ方があることがわかりました。このことは私たちのプロジェクトにとって大きな気づきでした。
では、もっと多くの人たちが「また行きたい!」と思うために、どんな要素があると良いのでしょうか?また、どうやったらそれらを実現することが出来るのでしょうか?
次回の記事では、一緒に鷹の祭典を観戦した仲間と行った「もっとスポーツ観戦を楽しむために何があったら良いか?」というテーマのディスカッションの模様をお伝えします。

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