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22 Aug. 2018

義足でIoTをやってみた!

栗田陽介
ライター
栗田陽介

ソフトバンクと電通の越境学習プロジェクト「越境ワーカー」でのディスカッションをきっかけに、補装具にもっと遊び心を!というテーマを掲げて先月よりスタートした本プロジェクト。自身も義足ユーザーである私が、My義足を様々な企業や人々に持ち込み素敵にカスタマイズしてもらう狙いです。

今回のテーマは、IoT(Internet Of Things).

私は、SF系の映画やアニメ、漫画が大好きで、様々な作品のなかに登場するステキなデザインや多様な機能付きの補装具を目にしては、「こんな補装具があったら、自分も付けて自慢したい」と思っていました。

しかも、現代は、様々なモノがインターネットに繋がる時代。IoT分野でもMy義足を素敵にカスタマイズしてもらえないものかと思い立ち、私にとって一番身近なIT企業である勤務先のソフトバンク株式会社内で協力を呼びかけたところ、社内で新規事業の開発やエンジニアをされている5名の方々が、「面白そう」と名乗りを挙げて下さいました。

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左から工藤さん、菊池さん、松下さん、直野さん、玉城さん みなさん、お忙しい中で本当にありがとうございます

「義足ハック」を開始

義足をハック(ハッキング)するので、この取組みを「義足ハック」と命名し、まずは、顔合わせを兼ねて、義足を実際に見て触っていただき、どんな事が可能なのかなど、アイディアを出し合うことから始まりました。

『義足の動きでドローンを操作するのはどうか?』

『足の動きに合わせてLEDを光らせては?』

『スピーカーをつけて音楽が流せる義足も面白い』

『ここはいじって問題ない箇所なのか?』

『義足でどんな動きが可能なのか?』などなど、とにかくアイディアや質問が止まりません。

今まで扱ったことのない素材(義足)が対象ということで、みなさんとにかくワクワクが止まらないという感じでした。その後、メールやチャットを活用した話し合いも含め、数回の打ち合わせを実施しました。

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ミーティング中のメモや実験の様子

 

サンプルが完成!

My義足を預けてわずか2週間後、サンプルが完成したとの連絡を受け再度義足ハックメンバーで集まりました。

そのときの様子をこちらの動画でご覧ください。

足首部分にモーションセンサーをつけ、義足の動きをドローンに同期させると、足周りのLEDランプが光るという仕掛けになっています。

これが、初回のミーティングからたったの2週間で完成してしまうという凄さにびっくり。加えて、ドローンと靴(Smart foot Wear: Orphe)を除けば材料費およそ5,000円とのこと。「義足ハック」チームのみなさんに、とても感謝しています。

 

補装具にも、無駄が必要

動画をご覧になって頂き、

「無駄な機能では?」「それって歩くために必要?」と思われたかもしれません。

その通りです。

しかし、こう言い換えるといかがでしょう。

「その服にプリントされているキャラクター、無駄では?」「寒さを凌ぐために必要?」

私にとって、義足とは毎日身に着ける洋服と同じ感覚であり、失った足の代替という基本的な機能を満たす以上に、ファッションやエンタテインメントの要素も含むアイデンティティの一部です。形ばかりを足に似せただけの鉄の塊(補装具)を隠そうとは思っても、人に自慢したいとはなかなか思えないものですが、これならばどうでしょうか。身体障害やそれを補う補装具が、隠すべき弱点ではなく、自慢すべき個性やアイデンティティとしてポジティブな思いや、新たな出会いを創出するエンジンにきっとなれるはずと感じます。

「義足で〇〇をやってみた」企画では、今後も引き続き一緒に協力していただける仲間を随時募集しています。もし、少しでもご興味あれば、是非ご連絡下さい。

取材・文: 栗田 陽介
Reporting and Statement: yosuke-kurita

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