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Sep.

2020

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17 Sep. 2019

ゲキワルナイト-Danceイベントから学ぶ真のダイバーシティ-

栗田陽介
ライター
栗田陽介

   ダンスと福祉をつなぐダンスイベントゲキワルナイトが、8/17(土)に 川崎NOCTYホールで開催された。

主催は、「Danceで福祉をデザインする」をテーマに川崎市内を拠点に活動する団体

SOCIAL WORKEEERZ。

 

取材を行った私自身が障害(左足が義足)をもっていること、学生時代からダンスミュージックやクラブカルチャーが大好きで、DJイベントやダンスイベントにもよく遊びにいっていたこともあり、このイベントに興味を持ったのが取材のきっかけだった。

一方で正直なところ、障害を活かしたダンスパフォーマンスとはいったいどんな物なのかという期待の反面、福祉色が出すぎてしまいダンスイベントとしてのクオリティはあまり期待できないのでは、という気持ちを持っていた

しかし実際に体験してみると、良い意味で期待を裏切ってくれる素晴らしいイベントでしたので、この感動を皆さんにもお伝えしたい。

 

 

主催のSocial Workeeerzが、「ダンス×福祉」をテーマにしていることもあり、出演者も観客も障害の有無や種別、年齢問わず多様な参加者の姿があり、会場全体の雰囲気がインクルーシブ。

 

味のあるダンスで場内を沸かせる平均年齢55歳のダンスチームおやじーづ

 

 

その障害と車いすだからこそできた驚愕のパフォーマンスを魅せてくれた車いすダンサーのかんばらけんたさんのショーケースは特に印象的でした。

 

DJタイムでは、出演者も観客も入り乱れて皆が一様にダンスと音楽を楽しんでいる。

「障害があるから」や「そんな年齢でもないから」といったやぼな空気は感じられない。

 

 

ライブショーケースでは、ゲストラッパー晋平太とSOCIAL WORKEEERZによるRAP×手話×ダンスという3つのコラボレーションが、会場を盛り上げた。

難聴の方から直接話を聞き、当事者の思いを参考に書かれたという歌詞と、歌詞の内容が聴覚障害者にも伝わるよう、手話の表現も取り入れたダンス。その二つの表現が音楽に合わさり、目と耳を楽しませてくれる、これぞ「融合」といえる素晴らしい作品となっていた。

 

 

ダイバーシティを高い次元で体現

一つのダンスイベントとして、純粋に楽しめるクオリティにありながら、出演者毎の多様性が見事に活かされている事に驚いた。

そして多様性(人と違う)は、それだけで人と違う何かができるかもしれない「可能性」なのだと気づかせてくれる。

イベントに出演するいくつかのチームでは、振り付け段階で出演者本人それぞれの視点によるアイデアを取り入れながら、創作しているそうだ。

当たり前のように聞こえるが、企業でのダイバーシティや障害者雇用という観点に置き換えてみるとどうだろうか。

多様な人材を広く活用することで生産性をたかめようというダイバーシティを、ゲキワルナイトのように本当の意味で実現できている企業や団体は少ないのではないかと思う。

例えば、障害についての理解があまりない人事担当者が、本当はその障害者ならば活躍出来そうな場でも、「障害があるから」という理由で仕事を担当させない、というようなことが起こっていないだろうか。または、同じチームメンバーとして障害のある人の意見を、対応に聞いて、仕事に活かしているだろうか。そんな状態で、障害者雇用の数値だけを達成しても、多様性が真に活かされている状態になっているだろうか。

多様性をもつ当事者だからこその視点や気づきがあって初めて生みだせるものがあるはずだ。時にネガティブにとらわれがちな「障害」という概念が、違いによる「強み」や「自信」に変換され、障害のある人も含む、ダイバーシティなチームが、さらに高いパフォーマンスを生んで行くのだと思う。

 

これらを理解し体現できているからこそ

ゲキワルナイトの空間には、自信と笑みが溢れているのだと感じた。

 

取材・文: 栗田 陽介
Reporting and Statement: yosuke-kurita

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