家での多様な学びを応援する「こどもと学ぶ、おうちチャンネル」
- 共同執筆
- ココカラー編集部
cococolorの読者の皆さま、はじめまして。
「こどもと学ぶ、おうちチャンネル」(以下、おうちチャンネルと略記)というWEBサービスを立ち上げたばかりの川辺洋平と申します。
2019年まではNPO法人こども哲学おとな哲学アーダコーダという、哲学対話の日本国内における普及活動をする団体で代表理事として活動していました。Cococolor でもこの団体の活動は何度か取り上げていただいています。ですが、今日はおうちチャンネルというWEBサイトについて紹介したいと思います。
おうちチャンネルは、新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、通学先や通園先が休校あるいは休園になった子どもたちの保護者に向けて4月9日にWEB公開しました。
休園・休校した子どもたちは、自宅で過ごすことになります。保護者も在宅していれば、子どもたちは「休日」かのように感じることが予想できます。しかし、保護者も在宅勤務をしている場合、仕事をしながら家事、育児をこなし、さらに学校が担っていた役割まで、保護者が代行することが求められるのです。
学校はそもそも、休校措置によって留守宅に一人ですごさざるをえない子どもたちへのケアや、1ヶ月後にスタートするといわれている学校生活のためのカリキュラムの組み直し、さらには長期化した場合に備えて、遠隔での授業に向けた準備などに追われています。こうした状況で、学校や幼稚園、保育園が担ってきたことを保護者がなんとか奮闘しようとすると、精神的にまいってしまったり、保護者のストレスが子ども、さらにはそのパートナーへと伝搬してしまうことが考えられます。
おうちチャンネルはまず、無料で利用可能な官民によるWEBサービス、WEBサイトをリストにして公開しました。
しかしそれがおうちチャンネルのゴールではないと思っています。おうちでの過ごし方、子どもやパートナーとのコミュニケーション、長期化する感染拡大に備えたライフスタイルを変えるための学びなど、山積する課題に役に立つ情報を届けていくこと、そして「自宅での、こどもとの学び」を受け入れる新しい社会の実現に向けた情報を発信していくことが本当の「おうちチャンネル」の使命であると思っています。
リンク集ではなく、保護者の役に立つ情報発信はNOTEというWEBサービスを使って配信予定です。今までと違うことに違和感を感じながらも、新しいおうちでの過ごし方を前向きに捉えていけるような、インクルーシブな社会に貢献していくつもりです。
子どもたちの多様なあり方、学びの多様なあり方、そして家族のライフスタイルの多様なあり方が受け入れられる社会になることを切に願って、このチャンネルを運用していきたいと思っています。
筆者:川辺洋平
株式会社アール代表取締役。広告代理店、出版社をへて2014年より現職。また同2014年より特定非営利活動法人こども哲学・おとな哲学 アーダコーダを設立し、代表理事を2019年まで務めた。現在は早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程所属。保育士、幼稚園教諭、小学校教諭、中学校教諭(美術)、高等学校教諭(美術)の資格をもつ。
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