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Nov.

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10 Apr. 2020

分身ロボット「OriHime」で友達の家に遊びにいく

清水鈴
コミュニケーションプランナー
清水鈴

「りんちゃんお疲れ様~元気?」

「元気ですよ!メイザさんちの今日の夜ご飯なんですか?」

「うちは餃子~りんちゃんは?」

「私はポトフ!」

 

COVID-19の感染が拡大している中、そしてSocial distancing(社会距離戦略)が推奨されているこの世の中で、こんな自然な会話が今では友達と直接できなくなっていますよね。

でもコミュニケーションなしでは生きて行けない人間という動物にとっては、「繋がる」のがとても大事だからこそ、今人と人との関係が少しずつ、そして確実に変わってきていると思います。

例えば、冒頭の会話が行われたのは2020年4月のある夜でしたが、私が直接友達と会って行われた会話ではなく、OriHimeという分身ロボットを通じて私と友人が会話した内容です。

 

OriHime

 

まず「OriHime」(オリヒメ)ってなに?という読者に簡単に説明をしますと、OriHimeはで、「コミュニケーションで⼈類の孤独を解消する」というミッションを持つオリィ研究所(https://orylab.com/)が作っている、メロンほどのサイズの卓上に置ける人型ロボットです。アプリを通して操作することで、遠く離れた人とコミュニケーションをとることができるようになっており、ユーザーがロボットに憑依するような感じで、その場にまるでその人がいるかのように感じることができます。OriHimeをもう一つの身体とすることで、ミッションの通り、例えば入院など距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人でも、「その場に行く」ことができる、それがOriHimeです。

また重度肢体不自由患者のための意思伝達装置としても使えるのですが、リモートワークなどのコミュニケーションツールとしても活用できます。すごいのが人型ロボットなので「なんでやねん」や「パチパチ」など左右の腕を動かして会話の相手にボディーランゲージを伝達することができるのです!
昨今ラインやZoom(※)などビデオチャットができるサービスが多い中、喋らなくても存在感を出せるなんて、とても素敵なロボットですよね。

そんなOriHimeを開発しているオリィ研究所で、分身ロボットカフェプロジェクトのプロジェクトマネージャーとして働かれているのが私の友人の鈴木メイザさんです。最近彼女のご自宅にOriHimeを通してお邪魔させてもらうのが私の楽しみの一つです。私はメイザさんとは昔から自分の実の姉のように親しんでお付き合いさせてもらっていますが、もともと広告会社にいたメイザさんは、最初はお仕事を通してオリィ研究所と接点を持っていましたが、2019年にオリィ研究所に転職をされました。今は「自社のプロダクトに愛着を持つ」という広告会社ではなかなか味わえなかったやりがいを感じながらお仕事をされているそうです。

私がOriHimeを使ってメイザさんのお家にお邪魔したのは何回かありまして、例えばメイザさんの息子さんたちと一緒にボードゲームで遊んだり、一緒に食事をとったりしました。すごく些細で日常的な会話をするだけなのに別にわざわざ繋がなくてもいいじゃないと思う方もいるかもしれません。ただSocial Distancingが推奨されている時代に、私は一人暮らしの中、約三週間の間も在宅をしているのでさすがに暇で、人恋しくなり、寂しくしておりました。そんな中でわざわざ電話やカメラをオンにしなくても、ひょっと誰かの食卓や、家族団欒の時間にお邪魔できるのはとても楽しかったです。

餃子を作っているのを見ている私(OriHime)

餃子を作っているのを見ている私(OriHime)

私がOriHimeを通して見ている映像 

私がOriHimeを通して見ている映像

私がOriHimeに入ってゲームをしている様子

私がOriHimeに入ってゲームをしている様子 

私がOriHimeを通して見ている映像 

私がOriHimeを通して見ている映像

 

みんながこっちに向かって話してくれて、まるで私がその部屋にいるみたいですし、しかも私が話さなくても、ロボットは家にいるので存在を感じてもらえているのはとても嬉しかったです。

気になるOriHimeのレンタルですが、まだ法人向けのメニューしかないとのことでしたが、今後は個人でも使えるようなプランを検討しているとのことです。いつかこういった分身ロボットがもっと身近な存在になればと願うばかりです。

普段から私が大阪、メイザさんが東京と離れ離れですが、こうやってすぐ繋がれるのは嬉しいですね。また今後もOriHimeを通して、メイザさんのお家に遊びに行きたいと思います!

※Zoom
オンライン上で映像と音声を共有し、離れた場所にいる相手とのコミュニケーションを可能するソリューションサービス。

取材・文: 清水鈴
Reporting and Statement: rinshimizu

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