わたしたちの多文化共生⑤ 早稲田大学
- 共同執筆
- ココカラー編集部
「ヒューマンライツ・フェスタ東京」が、11月4~6日に開催され、11月5日には多文化共生プレゼンコンテスト「多文化共生都市をめざして-大学生が考える東京の未来-」が実施される。明治大学(山脇ゼミ)、中央大学(成田ゼミ)、東京外国語大学(長谷部ゼミ)、法政大学(山田ゼミ)、早稲田大学(山西ゼミ)の学生たちが、東京を国籍や民族などにかかわらず誰にとっても住みやすい都市(多文化共生都市)にするにはどうしたらよいか、東京都に提言する。
cococolorでは各校のプレゼンメンバーのリレーコラムを紹介していく。最終回の第五回は早稲田大学山西ゼミのチーム。
わたしたちの“多文化共生”
~幸せの国から学ぶ共生のありかた~
“多文化共生を実現する”とはどういうことだろうか。わたしたち山西ゼミではこの概念について考え、何度も話し合いを重ねた。
その中で導き出された結論は、「多文化共生とは、今何か行動を起こしてすぐ 実現できるものではない。だからこそ今、わたしたちは多文化共生を実現するための基礎をつくりあげなくてはいけない。」というものであった。
その基礎を創る上で私たちが注目したのは「自己と他者」という関係性の中で「共生の文化」を育んでいくことであった。「自己と他者」の関係性というのは言い換えれば1対1の関係性ということで、 「共生の文化」とはその1対1の関係の中で自分の利益を省みず、まずは自分から相手を幸せに するために行動を起こす文化のことである。
なぜ、この概念が多文化共生に結びつくのか。なぜ、わたしたちがこのような考えに至ったのか。全てはわたしたちのメンバーの一人がブータンに旅にでたところから始まる。
彼は世界一幸せな国と呼ばれているブータンにおいて現地の人々に、幸せとはどのようなものか 尋ねていった。そこで誰もがいう言葉は「自分が幸せになるにはまず、相手を幸せにすることが大切だ。」というものだった。つまり、まず相手のために行動すること、そしてそれはいつか自分に還ってくるものだ、という意味でもある。
このメッセージには実は多文化共生を実現するための斬新なメッセージが隠されているとわたしたちは考える。
「相手を幸せにする」というこの行為には必ず行動が伴う。それはつまり、ただ、頭の中で「多文化共生は大切だ。」と意識する段階に留まらず、「相手の幸せのために具体的な行動を起こす」ことで着実に状況を変える力を持つということではないだろうか。
わたしたちはこの考えに基づいて発表を行っていくが、単に東京都の方へのみのメッセージを込めているわけではない。一般の方にもぜひこの概念について考えていただきたいと思っている。
「他者を幸せにする」という行動は誰にでもできることである。対象は誰でも構わない。外国人の方、あなたの友人、家族、はたまたその場で出会った人に対してでもよい。また、「幸せにする」ということに関しても大きなことをする必要はない。プレゼントを贈ったり、悩んでいることを聞いてあげたり、一緒に語り合ったり、その程度でも十分である。
その人の幸せを実現するためにどんなに小さくても何か行動するだけで「共生の文化」は育まれていく、そして一人ひとりの「共生の文化」がいつか関わりあうことで「多文化共生」は実現していく。
主役はわたしたち一人ひとりなのだ。
◆第2回多文化共生プレゼンコンテストの概要
主催:東京都
企画運営:多文化共生プレゼンコンテスト実行委員会
日時:2016年11月5日(土) 13:00〜16:00
会場:東京国際フォーラム ホールD5(D棟5階)
参加費:無料 (入退場自由)
参加チームとテーマ:
中央大学 成田浩ゼミ
「多文化共生プランin多摩」
東京外国語大学 長谷部美佳ゼミ
「Career Design & TOKYO 〜育てよう夢のつぼみ〜」
法政大学 山田泉ゼミ
「MOTTAINAI PROJECT〜食から始まる多文化共生〜」
早稲田大学 山西優二ゼミ
「ムスリムから見る多文化共生〜自己と他者の関係の中で〜」
明治大学 山脇啓造ゼミ
「△キッズプログラムin東京〜子どもが描くカラフルな未来〜」
関連サイト:
多文化共生プレゼンコンテストFacebookページ
ヒューマンライツ・フェスタ東京2016の公式サイト
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