わたしたちの多文化共生① 明治大学
- 共同執筆
- ココカラー編集部
「ヒューマンライツ・フェスタ東京」が、11月4~6日に開催され、11月5日には多文化共生プレゼンコンテスト「多文化共生都市をめざして-大学生が考える東京の未来-」が実施される。明治大学(山脇ゼミ)、中央大学(成田ゼミ)、東京外国語大学(長谷部ゼミ)、法政大学(山田ゼミ)、早稲田大学(山西ゼミ)の学生たちが、東京を国籍や民族などにかかわらず誰にとっても住みやすい都市(多文化共生都市)にするにはどうしたらよいか、東京都に提言する。
cococolorでは各校のプレゼンメンバーのリレーコラムを紹介していく。第一回は明治大学山脇ゼミのチーム。
明大生が考える多文化共生
-学びと暮らしの視点から-
私たち明治大学山脇ゼミは、多文化共生論を学んでおり、東京都の多文化共生社会の構築に目を向けた際、2つの問題意識を持つようになった。
子どもたちへ、学びの場を
まず私たちが東京都における多文共生に関する問題として注目した点は、日本の子どもに対する多文化共生の教育の乏しさである。
現在の東京及び日本全体として、移住してきた外国人の子どもたちに対する日本語教育は充実してきているものの、日本人自身が多文化共生というものを学ぶ機会はまだまだ少ない傾向にあると感じた。また今年、東京都は多文化共生推進指針を策定し、その中でグローバル人材の育成についても触れているが、このままの教育ではその対象者が限定的になってしまうことも懸念される。東京都で多文化共生社会を実現するためには一部や少数ではなく、広く日本人全体として多文化共生に関する基本的な知識、関心を持つ必要があるだろう。
そのためにはまず、子どもたちへの異文化理解を超えた多文化共生についての学びの場を設けるべきではないかと考える。
地域に、直接的な交流機会を
次にあげたい問題意識は、日本人に外国人へのステレオタイプを持つ傾向が見られ、それが日本に暮らす外国人たちの生活に影響を与えているのではないかという視点である。
例えば、外国人が東京都に住みたいと考え、東京の不動産仲介業者の店舗に行った際に、彼・彼女らの文化の違いが他の住民に迷惑をかけるのではという懸念から、容易に物件を探すことができないといったことがよく言われている。こうした事象は、まだまだ私たち日本人に他国の文化に批判的になる傾向があり、受け入れる体制が充分に整っていないことに起因するのではないか。
このような典型的な外国人もしくは、外国文化に対するある種の偏見を無くしていくためには、地域活動を通して、多くの住民が外国人と直接に関わる機会を設けていくべきであると考える。
これらの二点が、私たちがゼミ活動を通して感じた東京都の多文化共生に関する問題意識である。これから東京オリンピックとパラリンピックも開催されるが、東京都はより一層多文化共生社会の構築に目を向けるべきであり、私たち学生もその社会の構築に携わっていきたい。
◆第2回多文化共生プレゼンコンテストの概要
主催:東京都
企画運営:多文化共生プレゼンコンテスト実行委員会
日時:2016年11月5日(土) 13:00〜16:00
会場:東京国際フォーラム ホールD5(D棟5階)
参加費:無料 (入退場自由)
参加チームとテーマ:
中央大学 成田浩ゼミ
「多文化共生プランin多摩」
東京外国語大学 長谷部美佳ゼミ
「Career Design & TOKYO 〜育てよう夢のつぼみ〜」
法政大学 山田泉ゼミ
「MOTTAINAI PROJECT〜食から始まる多文化共生〜」
早稲田大学 山西優二ゼミ
「ムスリムから見る多文化共生〜自己と他者の関係の中で〜」
明治大学 山脇啓造ゼミ
「△キッズプログラムin東京〜子どもが描くカラフルな未来〜」
関連サイト:
多文化共生プレゼンコンテストFacebookページ
ヒューマンライツ・フェスタ東京2016の公式サイト
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