日本初 企業のLGBT取り組みを評価する「PRIDE指標」をリリース -5点満点、わかりやすくシンプルに
- 共同執筆
- ココカラー編集部
任意団体work with Prideは、企業のLGBTへの取り組みを評価する国内初の指標「PRIDE指標」を6月21日に公開しました。この指標をもとに7月1日から9月16日まで企業からの取り組みを募集し、10月26日(水)に開催する「work with Pride 2016」セミナーで発表します。
PRIDEに示される、5つの評価指標
PRIDE指標は、LGBT(性的マイノリティ)であっても、プライドを持って働くこと(PRIDE)とし、それぞれの指標とその背景を以下の5つの評価指標の頭文字で表現しています。
P:Policy(行動宣言)
企業や団体の中の一部の人が取り組むのではなく、全体で取り組む課題であることを社内外に理解してもらうことが大切である。
R:Representation(当事者コミュニティ)
社内に当事者コミュニティや相談窓口があることで、当事者が悩みを共有したり、適切な専門家に相談することができる。一人では伝えにくい要望も、コミュニティがあれば人事部門に伝えやすい。
I:Inspiration(啓発活動)
LGBTに対する理解が進むことで、差別的対応がなくなり、LGBT社員もLGBTでない社員も気持ち良く働ける職場環境を整えてゆける。
D:Development(人事制度・プログラム)
LGBT社員も、LGBTでない社員と同等の人事施策や、トランスジェンダーの社員向け対応を、福利厚生等の整備により、できる範囲から実施していくことが大切である。
E:Engagement(社会貢献・渉外活動)
LGBTが暮らしやすい社会を実現するために、社内の施策だけではなく、他者、NGO/NPO、行政等さまざまなステークホルダーと連携して行動を起こすことで、社会への大きな効果を期待することができる。
シンプルなプラス評価方式で、取り組み推進を期待
海外では、企業のLGBTの取り組みを評価する複数の指標がすでに活用されています。アメリカでは2002年に、人権問題に取り組むNPOヒューマン・ライツ・キャンペーン(Human Rights Campaign)がバイヤーズ・ガイド(BUYER’S GUIDE)指標を作成。性的指向で差別しない、地域のLGBT活動を支援するなど細かな項目が設定され、その評価は企業の年次報告書にも活用されています。2002年には13社が、2016年には407社が100点(満点)を得ました。日系企業ではトヨタ自動車(北米)や日産自動車らもこれらの企業に名を連ねています。日本版の策定にあたっては、他に、イギリスのストーンウォール(Stonewall)、オーストラリアのプライド・イン・ダイバーシティ(Pride in Diversity)、香港のコミュニティ・ビジネス(Community Business)らも参考に、24の企業・団体の有志によってワーキンググループを立ち上げ、日本の企業の間に浸透させるためのポイントを討論して草案を作成。インターネットでパブリックコメントを求めたのちに、内容を確定しました。
(日本版LGBT指標作成計画は、work with Pride 2015のセミナーで発表された)
PRIDE指標は、PRIDEの5つの指標、それぞれを目指していれば1点が付与される5点満点のシンプルな評価方式が特徴で、5点獲得企業・団体はゴールド、4点はシルバー、3点はブロンズとして表彰されます。このように、前向きな取り組みにプラスを与えるシンプルな指標は、より多くの企業が、社内での取り組みを進める上で積極的に採用できるようにと検討を重ねた結果、生まれました。
work with PrideはこのPRIDE指標の推進のため、国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ、認定特定非営利活動法人グッド・エイジング・エールズ、特定非営利活動法人虹色ダイバーシティの3社によるPRIDE指標運営委員会を結成。応募した企業の取り組みを評価し、その分析結果やベストプラクティス企業の取り組みは、work with Prideのセミナーや、レポート冊子にて公表する予定です。
指標はwork with Prideの ウェブサイトからダウンロードできます。
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