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22

Oct.

2021

interview
13 Oct. 2021
MIYASHITA PARKのCLOUDYの店舗の前に立つ銅冶さん

本質を見逃さず、アクションを続ける ブランドCLOUDYに聞いてみた

山本葵
デジタルプランナー
山本葵

昨今エシカル消費やサステナブルであることを考慮した商品やサービスが増えてきています。この記事の読者の皆さんの中でも、意識的にそのような商品を購入されている方も増えているのではないでしょうか。人や社会、地球のことを考える動き、そんなエシカル・サステナブルの考え方はどんどん身近になってきています。

今回は、エシカルブランドの先駆け的存在との呼び声の高いアパレルブランド、「CLOUDY(クラウディ)」を展開する株式会社DOYAの銅冶勇人(どうや ゆうと)さんにお話を伺いました。

 

アパレルブランドとしての「CLOUDY」

銅冶さんのCLOUDY設立のきっかけは、大学の卒業旅行のケニア訪問。ホームステイ先でスラム街の現実を目の当たりにし、この場所に生きる人たちと一緒に”新しい可能性”をつくるアクションを作っていきたいという気持ちが芽生えたとのこと。証券会社に就職したもののケニアでの光景が忘れられずケニアに再訪、会社にいながらNPO法人「Doooooooo(ドゥ)」を立ち上げられました。独立後、株式会社DOYAからアパレルブランド「CLOUDY」を展開し、NPOと株式会社の二足の草鞋で、ご自身のあの時の決意を胸に、活動されています。

カラフルなアフリカンテキスタイルが目を引くCLOUDYの商品。2020年10月に渋谷のMIYASHITA PARKに初の常設店舗がオープンしました。CLOUDYの商品はアフリカで作られており、売上の10%は「Doooooooo」を通してアフリカの教育や雇用、最近では新型コロナの影響で困窮している方への食糧支援にも役立てられています。

 

CLOUDYの商品画像

Tシャツなどの洋服だけでなく個性的な形が印象的なバッグも人気

 

ところが、CLOUDYの実店舗ではアフリカへの支援活動について全く掲示されていません。そこには銅冶さんの「CLOUDYとしてのブランドを確立したい」という強い想いがありました。

「ソーシャル起業家ではないという自負があります。店舗にアフリカの写真を置いていないのは、途上国や悲劇的な写真を見たお客様に『何かしなければいけない』という義務感が発生してしまうから。日本人は世の中を取り巻く問題に対してアクションを実行するポテンシャルはあるものの、社会問題に興味がある人はまだ少ない。まだ興味がない多くの人に、アフリカ支援をするブランドとしてではなく魅力的なブランド『CLOUDY』として親しみを持ってもらうことが、ビジネスとして正だと思っています。」

企業の原点は社会課題にあっても、消費者はCLOUDYのアパレルブランドとしての魅力を知り、支援をしていることは意識せず商品の品質やデザインの良さで選ぶようになる。CLOUDYは消費の中で自然とアフリカへの支援を可能にするサイクルを生み出す、そんなビジネスモデルを確立していると感じました。

 

良いことで儲けること

エシカルやサステナブルに関連するビジネスが増える中、まだまだ「良いことをして儲ける」という仕組みに抵抗感を抱く消費者もいます。

アフリカへの支援を組み込みつつも、ひとつのブランドとして愛されるCLOUDY。銅冶さんは次のように考えていらっしゃいます。

「儲けるということには2種類あると思います。(お金として)数字で儲けることと(人間関係など心理的な部分の)繋がりで儲けることがあります。儲けることに対して叩かれることは気にしなくて良いと思います。日本はお金を稼ぐことを嫌う傾向がありますが、若い人に夢を見せるためにお金として儲けるということがあるのは必然だと思います。企業としてはお金を作ることは良いことであるという認識を持ってもよいはずです。そのお金が何に使われているかということも企業として更に重要な時代になります。」

 

本質を見つめること

一方で、エシカルビジネスを行う企業やブランドがエシカルというキーワードを全面に打ち出しているにも関わらず、「グリーンウォッシュ*」のように実態はエシカルかどうかが不透明になっていたり、上辺だけになってしまっている場合もあります。

そういった事象に対し、銅冶さんは、

「(その商品やサービスに)『本質』があるかないかを考えることを一番大切にしています。日本ではエシカルやサステナブルという言葉が一人歩きをしてしまっている。言葉の意味の伴わなさを実感しています。それは個人個人が本質とは何かを考えられていない状態だからだと思います。」

銅冶さんはお話の中で、このような例も挙げてくださいました。

本質を見つめること_図

 

良かれと思って行ったことが、結果的には現地の人たちにとってマイナスになることもある。中々、結果の先まで思考を及ばせることは難しいですが、それでも本質を考え行動に移していくことを止めないからこそ、CLOUDYのビジネスは継続しているのだと感じました。

現地の人々と銅冶さん①
現地の人々と銅冶さん②

現地の人々と銅冶さん

 

ネガティブへのお返し

 しかし、本質を考えていても、ビジネスを行う際にはポジティブな影響を与えることばかりではありません。それでも新しいことにチャレンジする姿勢を持ち続ける銅冶さんは

「アクション全てが二重丸◎なことはない、(ネガティブな影響があるかどうかを)突き詰めるとできることへのハードルがどんどん高くなってしまい、チャレンジの道を狭めてしまうと思います。だからこそ出てきてしまったネガティブには(ポジティブな)お返しをしていくことでそれ以上のリターンを世の中に還元ができればと思っています。」

批判を恐れずアクションを起こし、批判があっても軸があればぶれることはない、想いは届く、という信念が伝わってきました。

 

誰かを喜ばせたい想い

現地の人々と銅冶さん

 

カラフルで明るいCLOUDYのブランドイメージに負けないくらいポジティブで行動力が溢れている銅冶さん。

「やなせたかしさんの『人生は喜ばせごっこ』という言葉が好きです。誰かを喜ばせるための繋がりを作っていくことが夢です。」

エシカル・サステナブルという言葉には収まりきらない、ビジネス、ひいては人との繋がりの大切さを見つめ直す機会になりました。

*グリーンウォッシュ:うわべだけ環境保護に熱心にみせること。「グリーン(=環境に配慮した)」と「ホワイトウォッシング(=ごまかす、うわべを取り繕う)」を合わせた造語で、主に企業の広告や企業活動などに対して使われる。(参考: https://sdgs-scrum.jp/glossary/green-wash/)

共同執筆:石田温香

取材・文: 山本葵
Reporting and Statement: yamamotoaoi

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