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Oct.

2020

event
13 Oct. 2020
登壇者のお話し_1

超福祉展2020①~今年で最後の超福祉展レポートvol.1~

山本葵
デジタルプランナー
山本葵

2014年から、毎年秋に渋谷で開催されてきた『2020年渋谷、超福祉の日常を体験しよう展(以下:超福祉展)』は、東京オリンピック・パラリンピック開催予定だった今年を最後の開催とし、幕を閉じました。オンライン配信をメインに実現されており、こちらのリンクから一部を除き視聴ができます。 

http://peopledesign.or.jp/fukushi/

障害者をはじめとするマイノリティや福祉そのものへの「心のバリア」を取り除く、超福祉展から、私たちが受け取ったものについて、参加者、出展者、主催者の三者の視点で、全3回のシリーズ記事「超福祉展2020」をお送りします。第一回目vol.1は、山本による超福祉展体験レポート、vol.2は、八木・國富・山本の3人のディスカッション形式でお届けします。 

 

「超福祉展2020」第一回目vol.1 

◎「あなたの知らない世界へようこそ~ダイバーシティな人たちと交流しよう~」に参加して考えた、自分らしい生き方とは?  (山本葵) 

 

本年度の超福祉展の様々なオンラインコンテンツの中で、福祉について興味を持つ私が特に印象深かった「あなたの知らない世界へようこそ~ダイバーシティな人たちと交流しよう~」というイベントについてご紹介します。

http://peopledesign.or.jp/fukushi/event/835/

本イベントは「ダイバーシティな人たち」の障害や経験についてのお話し・グループワーク・セッションの三部で構成されていました。

登壇者は5名。
生まれつき重度の聴覚障害を持ち、現在一般社団法人役員やデフサッカー選手としても活躍されている仲井健人さん。
19歳の時の事故から車椅子で生活し、現在は株式会社リクルートでアスリート支援制度の立ち上げなどに取り組む村上慶太さん。
幼い頃に摂食障害、17歳の時にASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)と診断され、現在はキリンホールディングス株式会社で研究をされている高橋美帆さん。
生まれつき視覚障害を持ち、筑波大学大学院で特別支援教育について学びながらゴールボール選手として活躍されている高橋理恵子さん。
そして16歳で癌を発症し車いすバスケを始め、海外留学から帰国後は、日本体育大学大学院修士課程で障害学の研究を行っている三元大輔さんでした。 

登壇者のお話し_1

※グラフィックレコーディング(以下、グラレコ) を使い
イベント参加者の理解をサポート ©超福祉展2020

登壇者のお話し_2

 ©超福祉展2020

登壇者のお話し_3

 ©超福祉展2020

■障害という障壁 

まず、障害を持つ方々のお話しを詳しく聞いたことが無かった私は登壇者の方々の生い立ちや体験談を聞いて、自分自身の「障害」への自身の理解の浅さを痛感しました。

「障害」と言っても様々で、今回登壇された5名の方々の障害を例にあげても、先天性や後天性、見える障害か見えない障害かなど、それぞれの経験、状況は全く異なります。

このセッションで仲井さんは、今まで直面してきた3つの障壁について話してくださいました。耳が聞こえないことでコミュニケーションが取りづらいこと、聴覚障害は目に見えない気づかれにくい障害であること、そして障害の症状や悩みについて、他の人に想像してもらいにくいこと。 得に2つ目、3つ目に関しては自分の今の想像では及ばない、障壁があることを理解しました。 

 

■自分と向き合う難しさ  

グループワークで筆者がご一緒した高橋美帆さんは、あまり知られていないASDの症状として「情報の整理が苦手であること」をお話されました。昨今は便利なデジタルツールが普及していますが、高橋さんはノートとペンでの書き取りを通して情報整理・内容理解を深めるそうで、日々工夫を重ねることでご自身の症状と向き合っているというお話が印象的でした。 

グループディスカッションのグラレコ

高橋さんとのグループディスカッションのグラレコ   ©超福祉展2020

 

日々ご自身の障害と向き合っている高橋さんですが、苦手なことに対応できる方法を探す中で、初めから自身の障害とうまく向き合えていたわけではなかった、ということも共有してくださいました。個人の苦手や得意を客観的に見つめてこそ、自己理解につながる。自助だけではカバーできない時には、周囲からの障害への理解と自己理解が不可欠。高橋さんはご自身の特性を生かし、現在の職場で同僚の方と共助しながら、充実した仕事時間を過ごされているそうです。自己理解こそが、周辺理解への鍵であり、周辺理解こそが、自己理解を深める鍵なのではないか、と思いました。

 

■自分らしく生きる  

最後に、登壇者や参加者で「自分らしく生きる」ことについて考え、グループワークの内容を共有するセッションを行いました。 5名の登壇者の方々に共通するのは、自分自身についての自己理解が高く、周辺理解が高い点であると感じました。 

障害についてだけでなく、まずは自分の苦手、得意、挑戦したいことを理解すること。周りの人々も同じように理解すること。そして自分らしさをばねに、時には周りとも協力しながら難しい選択を繰り返し新しい世界へ飛び込んでいく。これは、どんな人でも参考にできる自分らしく生きるすべはないでしょうか。 

「自分らしく生きる」ことは、自分も、そして周りも大切にできるインクルーシブな生き方です。多様な人々と話すことで、そんなインクルーシブな営みを広げていけたらと思います。 

取材・文: 山本葵
Reporting and Statement: yamamotoaoi

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