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Dec.

2021

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2 Aug. 2021
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フェムテック・メンテックから考える、身体の悩みを解決するインクルーシブな取り組み

山本葵
デジタルプランナー
山本葵

6月末、MASHING UP(インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ)が、女性が自分らしく働き、暮らし、生きていくために、自身の心と身体に向き合っていくヒントを見つけるカンファレンス、Women’s Well-being Updates 2021をオンラインで開催しました。 https://www.mashingup.jp/feature/womens-well-being-updates2021/

キャリアや多様性、ライフスタイルなどのトークセッションが多く開催された中、私は「身体との向き合い方はどう変わる?」をテーマにしたトークセッションに参加しました。 登壇者は国内フェムテックを牽引するfermata 株式会社のGlobal Business Manager カマーゴ リアさんと、ED治療のサービスOopsを展開する、株式会社SQUIZの代表取締役 平野 巴章さん。そしてスタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版のコミュニティプロデューサー 井土 亜梨沙さんがモデレーターを務められました。

登壇者とモデレータの写真

左から井土 亜梨沙さん 、平野 巴章さん 、カマーゴ リアさん

 

まずトークセッションはfermataの実店舗(New Stand Tokyo)で取り扱っている、フェムテック商品の紹介から始まりました。昨今様々なメディアでも取り上げられている吸水ショーツを皮切りに、男性と女性の妊活をサポートするプロダクト、そして話題はメンテック(Mentech: 男性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品やサービスのことを指す言葉)とフェムテックの関係性へ。

主に女性の性の問題を解決する商品が多いフェムテックですが、fermataではseem(精子のセルフチェックキット)を実店舗に置かれているとのことで、カマーゴさんは、

「seemのような商品は直接的に女性の性の悩みを解決するものではないため、一見フェムテックとは関係ないように思えるかもしれません。しかし妊活は女性だけの問題ではないですし、間接的に女性が抱える悩みに関係してくることもあると思います。fermataでも取り扱うべきではないか、という結論に至りました。」

 

fermata 株式会社のGlobal Business Manager カマーゴ リアさん

fermata 株式会社のGlobal Business Manager カマーゴ リアさん

主に男性の性の問題を解決する、いわゆるメンテックのサービスを取り扱っている平野さんも、

「EDはもちろん男性の悩みではありますが、パートナーが自分のせいなのではないかと悩んでしまう場合もあります。メンテックを通して治療をすることが本人以外の悩みを解決することにも繋がると思います。」

性の悩みを解決するフェムテックもメンテックも、女性だけ、男性だけの悩みを解決するものではなく、同じ性の課題に向き合う、インクルーシブなソリューションを提供していると感じました。

 

このイベントのテーマであるフェムテックという言葉が少しずつ浸透してきた今の社会でも、性別に関わらず性に関する悩みは話しづらく、解決しづらいと考える人が多いのも事実。平野さんによれば実はEDで悩む男性は4人に1人。軽度であれば3人に1人が悩みとして抱えているというデータもあるそうで、性に関する悩みは抱え込まれがちな問題ではありますが、同時に多くの人が抱える問題でもあるそうです。

そのような現状に対し、悩みを抱えるのは自分だけじゃないと思えることで気持ちが楽になったというご自身の経験から、平野さんは以下のような考えでOopsのサービスを展開しています。

「自分がオープンになることで、周りから違う目で見られるのかと思っていましたが、逆に周りから同じ悩みを打ち明けられたり、相談されることも増え、仲間が増えました。自分が声を上げることで、言っていいことなんだ、と他の人のハードルを壊すことに繋がればと思い、DON’T WORRY, WE ARE THE SAME(あなたは一人じゃない). というテーマを掲げています。」

 

株式会社SQUIZの代表取締役 平野巴章さん

株式会社SQUIZの代表取締役 平野 巴章さん

 

また、カマーゴさんは海外の女子大学に通われていた際に、周りの友人がまだ日本では全く有名でなかった月経カップを既に使っていたことに対し驚き、その経験がフェムテック に興味を持つきっかけになったとのこと。

「一時期私はみんな自身の性に関わる悩みにオープンになるべき、と思っていましたが、今は違います。個人の経験を共有することを難しく感じたり、必要性を感じない人もいる。誰しも、オープンにするかどうかという選択肢があるだけ。話す話さないに関係なく、fermataはオープンにしたい人がオープンにできる環境を作り、知らないことで悩みに気がつけず形骸化してしまわないように、誰もが正しい情報を得られるようにしたいと考えています。」

 

トークセッションでとても印象に残っているのは、フェムテックやメンテックが提供する商品やサービスは個人の悩みを解決するきっかけに過ぎない場合もあると平野さんがお話しされていたことです。

「治療薬が症状を直接的に治すということだけではなく、悩みをきっかけに、自分の身体への向き合い方やアプローチの仕方、そして周りが変わることで悩みを根本的に解決することもあります。」

また、性の悩みへの向き合い方に関して、カマーゴさんは周りの環境が大事とおっしゃっていました。

「海外と日本でここが違う、という風には考えません。それぞれの国に、様々な文化、考え方があります。性に関する悩みがタブーとされなくなるには、相談したい時に周りに信頼できる人がいるかどうか、というところが1番重要だと考えています。」

 

少し考え方を変えてみれば、性に関する悩みは身体からの危険信号と捉えることもできるかもしれません。相談できなかったり、情報へのアクセスがないことで、現代なら解決できるかもしれないことを我慢してしまう、抱え込んでしまうことに繋がる可能性があります。今回はフェムテックとメンテックという2つの切り口からのトークセッションではありましたが、性別に関わらないインクルーシブな取り組みをきっかけにそれぞれが自分の身体と向き合うことで、少しでも性の悩みが解決されやすい考え方が、そして社会の輪が広がればと思います。

取材・文: 山本葵
Reporting and Statement: yamamotoaoi

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