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Mar.

2024

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27 Dec. 2021

2021年の御礼とご挨拶~来年、cococolorは創刊10年を迎えます~

半澤絵里奈
編集長 / プロデューサー
半澤絵里奈

今年もcococolorをお読みいただきありがとうございました。
90人を超える編集体制となった2021年。記事を執筆できるメンバーは限られていましたが、お届けすることができた114件の記事は執筆者だけではなく、編集部そして企画・取材・執筆にご協力いただいたみなさまのおかげで公開することができました。深く御礼申し上げます。

今年は編集部を運営してきた数年間で感想や問合せを最も多くいただいた1年となりました。
「ダイバーシティ」という言葉がめずらしい時代は確実に終焉を迎え、SDGsやESG、サステナビリティ、エシカルといった様々な切り口が増えてきたことによって、私たちが日々取り組んできたこのダイバーシティ領域に出会う方々が増えていると感じています。cococolor編集部では編集部員一人ひとりが、自身の業務またはプライベートで接触しているテーマと多様性課題の交差点を見つけ言語化し議論する文化があります。今年も12回開かれた編集会議とテーマ別の分科会では毎回活発な意見交換が行われました。

その意見交換こそが取材活動に加えて私たちを豊かにしてくれる活動となっています。自分とは異なる視点や視座を手に入れ、異なる価値観やアイデアを受け止める余白を自身に培っていく大切な時間となっています。時に私たちは誰かの不安や困難に寄り添う仲間同士でもあります。

「私たちが9年間続けてきたこの活動がついに価値化してきた」、そう感じる2021年でした。

社会に目を向ければ、新型コロナウイルス感染症が激化して2年が経ち、ウイルスとの上手な共存を視野に入れた生活スタイルへの変化が起きています。これによって、多様性の課題というのはより顕著になってきたと感じております。私の周囲でも議論が起きていたことをいくつかご紹介したいと思います。

一つは、障害者サポートについて議論が起きているということです。口の動きを読み取ることが会話の助けとなる聴覚障害の方がマスクで口元が見えないことで困ることがわかりこれを解決するマスクの開発や着用の推奨がされました。また、街中の至るところにある点字を感染予防の目的で限られた人だけが触るように注意書きがされていることもありました。このような視聴覚障害への対応のみならず、施設入所者の生活の在り方やコロナ禍の障害者就労課題の議論も起きています。

二つ目は、病院での治療や施設での暮らしから在宅看護・在宅介護に切り替える方が増えているということです。感染予防の観点から、患者と家族の面会を減らしたり、中止せざるを得ない病院・施設が増えたことで医療や介護の領域では様々な議論が起きています。特に、終末期の過ごし方については、患者本人や家族の価値観に加えてサポートの実現可能性など複数の事項が関わる課題として<それぞれの幸せな生き方>を実現するために対話が重ねられています。

三つ目は、「家族」や「家」のカタチの変化が起きていることです。在宅ワークをする方が増える一方で、在宅では仕事ができない方がいることもはっきりしました。要因がそれだけではないにしても、1つの家のなかで暮らす人たちの誰が主体的に家事や育児に関わるのか考え直すタイミングが訪れたとも言えます。他にも、これまでとは違う地域・土地に自宅を構えたり、新型コロナウイルス感染症の長期化がこれまで別々に暮らしていた人たちが一つの家に一緒に暮らすきっかけとなったり、家のなかにいることが常態化することでDVやネグレクトを受けている人たちが逃げにくくなっていたり、ひとり親として子どもの養育をしている人たちの負荷軽減に向けたサポートもまた訴えられています。

四つ目は、必要な情報を得るための環境が担保されているかということです。渡航や移動、就労・教育環境における様々な制限情報、日々変わり行くルールに周囲の方々は追いついているでしょうか。例えば、日本語を母語としていない方々に情報は届いているでしょうか。デジタルデバイスを使いこなしていない単身世帯の高齢者は変化の激しい情報に追いつけているでしょうか。文字情報だけではその内容を理解しずらい人たちがいることは実はまだあまり知られていません。情報が得やすい場所や簡単な方法で手に入る内容の信憑性や新しさはどうでしょうか。私自身はこの2年間、情報の信憑性とアクセシビリティに多くの懸念を抱きました。


今この瞬間も上記をはじめ多くの課題がありますが、さらに数年が経過したのちに、これらの影響が格差として出てくる可能性があります。私たちはそれを見据えて日々の課題を発見し、議論し、解決に向けて社会全体で向き合っていかないといけないのだと感じています。


そして、来年、cococolorは創刊10年を迎えます。

運営体制を新たに、カンファレンス事業や600件近い記事をもとに開発中のビジネスツールなどの展開、特定の領域における課題の一覧化など記事執筆以外のチャレンジも編集部・事業部一同力を合わせて取り組んでいきたいと考えております。多くのみなさまのお力をまたお借りすると思いますが、引き続きcococolorをどうぞよろしくお願いいたします。

厳しい寒さが続いていますが、みなさま、どうか良いお年をお迎えください。

編集長 半澤 絵里奈

取材・文: 半澤絵里奈
Reporting and Statement: elinahanzawa

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