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19 Jul. 2018

義足で〇〇をやってみた!

栗田陽介
ライター
栗田陽介

プロフィール
・栗田 陽介
・1985年生まれ32歳
・高校時代に崖崩れ事故に巻きこまれ左足を切断。以降は、義足を装着しての生活となる
・2004年アテネで開催されたパラリンピックにシッティングバレーボールの日本代表選手として出場
・現在は、ソフトバンク株式会社に勤務しつつ、越境ワーカーとして電通ダイバーシティ・ラボに参加


補装具にもっと遊び心を!
義足との付き合いがはじまって以降18年間、寝るときと入浴時以外は常に義足をつけて生活している私ですが、もう長い間、自身の義足含め世の補装具に対してある思いをもっています。

それは、「毎日身につける物なのに、元あった身体(私の場合は左足)の機能を極力プラスマイナスゼロに近づけるためだけの補装具に対する物足りなさ」です。


「その爪オシャレだけど不便じゃない?」というようなネイルアート。
多種多様な柄やメッセージがプリントされたTシャツ、無駄にかさばるけどイケてるスマホケースなど、世の中には「機能性と同時に無駄を楽しむ遊び心」というプラスαが常に求められているのに、義足や車椅子、補聴器などの補装具にはそこが欠けていると思うんです。お洒落に気合いをいれても、義足が、車椅子が、補聴器が、イケていないと、髪型はばっちりなのに首から下がヨレヨレTシャツというように感じる人が私以外にもいるのではないでしょうか。

だから、作って欲しい。

同じような思いを持つ補装具ユーザーが、私以外にもいると思う!であれば作るべき!

そしてそれは、難しいことじゃないとも考えています。


普段車や爪、壁なんかに様々なデコレーションを施している皆さん!いつもの対象物(壁が、爪が車など)が補装具になるだけの話しです。

デザイナーやメイクアーティストの皆さん!もしもあなたの担当することとなったトップアーティストが、補装具ユーザーだったら?イケてないデザインそのままの補装具を装着した姿でライブステージに送りだしますか?

IOT(Internet of things)製品やアイディアを作っている皆さん!そのThings(モノ)の中に、補装具は入りませんか?

 

新たな技術提供を一から構築というよりは、既存のサービスとのマッチングで解決するのではないかと考えました。そんな思いから始まったのが本企画です。

上記であげたような様々なモノに対してデザイン性や+αの機能を提供している方々や企業に対して、「義足で●●やってみた」を合言葉に、まずは、私自身がsampleとなり、My義足にユニークな+αを提供してもらえないか突撃取材していきます。

そしてあわよくばサンプル事例やプロトタイプを作ってもらおうというのがこの企画の趣旨です。実際の取材内容などについては、第二回以降の記事で改めて紹介しますので、次回記事にも是非ご期待ください。

 

この企画への想い

補装具ユーザーの誰もが皆、同様の考えを持っていないことも承知しています。私自身も初めからこんな考え方ができたわけではありません。障害を負い、初めて義足をはいた時は、ネガティブ以外の思考なんてひとかけらも持っていませんでした。

人とは違う、いびつな形(身体)と、歩くたびに走る痛みで頭がいっぱいになり、補装具に求めたことは、本物の足のような「義足だとバレない」デザインと履き心地や歩きやすさという機能性のみです。他人の目が気になり、真夏でも長ズボン以外は、はけませんでした。今のような考え方を持てるまでには、一定の時間を必要としました。

身体障害自体が、機能面においてはマイナスを持っていますしネガティブに受け止めがちです。しかし、そこに身体障害者にしかない、新たなファッション性やこだわり要素などが手軽に手に入るサービスや事例が世にあふれていたならどうでしょうか。

趣味を楽しむように、自分の好みでカスタマイズできる楽しさやワクワク感は、一歩踏み出すきっかけとなるポジティブ要素になると、私は信じています。

 

本企画に興味がある方、補装具ユーザーとして参加を希望される方がいらっしゃれば、cococolor編集部への連絡をお待ちしています!

取材・文: 栗田 陽介
Reporting and Statement: yosuke-kurita

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