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Oct.

2021

interview
21 Sep. 2021

コロナ禍でも透明マスクで、コミュニケーションのバリアフリーを! ~笑顔がわかるってステキ!!~

中島志織
ライター
中島志織

コロナ禍で、マスクで外出するのが当たり前の日々。感染対策には、必要なマスクだが、マスクを付ける生活に不快感や生活しにくさを感じている方もいらっしゃるのでは?

特に、口元を見てコミュニケーションをとっている方、表情が重要になる子どもと接する仕事や介護の仕事の方などにとっては、マスクで口元を隠すことは、社会生活を送るうえで死活問題。

そんなコロナ禍のコミュニケーションのバリアを、「透明マスク」で取り払おうと活動されている方々にお話を伺いました!

  

(左から早稲田大学4年生川端彩加さん、NPOインフォメーションギャップバスター(IGB)理事長 伊藤芳浩さん、IGB石川さとさん)

 

透明マスクの活躍の場は多彩!!

なぜ、透明マスクが必要になったのか。

今年5月に透明マスク配布PJを行われたIGBの伊藤さんと石川さんにお話を伺った。

「コロナ禍のマスク着用で、キコエナイ人にはさらにコミュニケーションがしづらくなりました。それは家族の間でも同じ。そこで、一番コミュニケーションが必要な家族間で使ってもらうため、透明マスクをキコエナイこども、兄弟、親をもつ家族に無料で1000枚配布しました。」リンクはこちら 

「透明マスクは1枚当たりの単価が高いので、最初に手が出しにくい。ただ、『この無料配布によって使ってみて良かった。』と言って新たに購入された方もいました。」

 

透明マスクを必要としているのは、キコエナイ人やその周囲の人だけではない。

「私自身、もうすぐ2歳になる聞こえる子どもを保育園に預けていますが、やはり、言語獲得や食育の面でも影響が大きく出始めているようです。」

学ぶ場での透明マスクの必要性

川端さんは現役の大学生であり、学びの場での透明マスクの必要性を感じているという。

「キコエナイ人の特性は、様々な要因が掛け合わさり、必要とする支援は異なります。しかし、日本全国にいるキコエナイ学生の多くが、教員や受講学生の表情や口元がマスクで見えないため、内容を十分に理解することができず、勉学に支障をきたしています。私自身特に今年の春学期より、対面授業が増え、取り残されてしまい、このままでは、卒業、そして今後に繋がらなくなるという危機感を覚えました。」

その問題を解決するため、キコエナイ学生に透明マスクを配布するクラウドファンディングを川端さんは行っている。

「コロナ禍においては、命を守ることが一番大事だと思っています。フェイスシールド等もありますが、感染防止効果が弱い。また、私に対する気遣い(マスクを下げる等)が、感染に繋がってしまうのでは?という不安もありました。そのため、感染防止効果もあり、かつ問題の解決ができるのが、透明マスクです。しかし、透明マスクを購入する資金がないため、クラウドファンディングで寄付を募る運びになりました。」

 

私は、学ぶ場において、学生が不安なく学べる場を提供する責任は、学校側にあるという考え方もあると思う。ただ、学校にも様々な学校があり、特にこのコロナ禍では様々な面で学校側に大きな負担がかかっており、すべての問題を学校側が解決するのは難しい。

だからこそ、「対応してくれない」と批判するのではなく、自ら声を上げ、動くことができる人がいるのは、今の社会において非常に大事だと感じた。

コロナ禍だからこそコミュニケーションに困ったら声を上げ、歩み寄れる世の中に

川端さんが見据えているのは単なる透明マスクの配布ではない。

「私としては、透明マスクを調達して配ること以上に、「口元の動きが見えることがコミュニケーションを取る上で必要な特性を持っている人がいること」を、1人でも多くの人に知ってもらいたいと思っています。そして、障がいの有無に関係なく、お互いを尊重し、得意な所を活かして、苦手な所は助けてもらって、支え合いながら歩み寄れる社会へ少しずつ少しずつ近づいていくことが大事だと思っています。

その1つのアプローチが「マスクによるコミュニケーションのバリア」をなくすということです。」

 

実際、この透明マスクは聴覚に障がいのある学生ではなく、その周囲の人(先生や同じゼミの学生等)に着用してもらう必要がある。そのため、ただ、透明マスクが手元にあるだけでは問題解決しない。周囲の人が知ることが大事なのだ。

例えば、コミュニケーションを取りたい相手の言語が英語だと知って、英語が話せず手元に翻訳機があったら私なら使う。同じように、相手とコミュニケーションを取るのに必要なものだと知って、それが手元にあったら、多くの人が透明マスクを使うのではないだろうか。

(個人的には、テレビ番組やYoutubeなどで使うと表情もしっかり見える上、感染対策にもなるのにな~と思っている。)

 

川端さんに、cococlorの読者に何を伝えたいか?尋ねたところ、

「コロナ禍で人と人とのつながりが薄くなっていると思います。そんな中、いろんな人がコミュニケーションの悩みを抱えていると思います。それが、私の場合マスクでしたが、各々が抱えている悩みを1人で抱え込むのではなく、誰かに相談して外に出してほしいと思います。そして、それをお互いに認識して歩み寄れる解決策を探していくことが、コロナ禍でもコミュニケーションを取りながら進んでいける術になるのではないでしょうか。」

という答えが返ってきた。

 

おっしゃる通りだと思った。どうしても、「コロナ禍だから」という理由で、いろんなことを諦めてしまいがちな今日この頃。でも、それは「コロナ禍だから仕方ない」で思考が停止してしまっているのかもしれない。

コロナ禍だからこそ、いろんな人がコミュニケーションを深めて、つながりを強めていかないといけないはずだ。

その手段の1つとして、今回お話を伺った皆さんが見つけ出してくださった解決策の1つが「透明マスク」だ。

「透明マスク」だと笑顔もはっきり見える。それだけで、なんだかコロナ禍の暗い気持ちが明るくなるような気がした。

 

取材・文: 中島志織
Reporting and Statement: shiorinakajima

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