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7

Jul.

2020

event
6 Dec. 2019

渋谷という多様な街から生まれた“渋谷芸術祭”

吉澤彩香
プランナー
吉澤彩香

たくさんの人が集まり、時代とともに様々なカルチャーを生む、若者の最先端の街、渋谷。ファッションやサブカルチャーのイメージが強い街で、“芸術”に関するアクション喚起する「渋谷芸術祭」。渋谷芸術祭を運営されている、米田憲史(よねだ のりふみ)さんに渋谷芸術祭についてインタビューをさせていただきました!

 

■ニュートラルな渋谷区ならでは感がある芸術祭

渋谷芸術祭は、渋谷へ来街する人々が“芸術”に触れるきっかけを作るイベントです。芸術の概念は人様々ですが、SHIBUYA AWARDSという芸術作品の公募を中心として、目耳鼻舌体の総体で芸術を体感できるコンテンツをつくっています。私たちが毎年考えるコンテンツは、地域や協賛社に場所や空間をご提供いただき、“シブヤアワード”の美術作品の公募展示や映像作品の上映、体感するキッズワークショップやスポーツ芸術などという枠組みでつくられているのですが、ここ近年のSHIBUYA AWARDSへは欧米やアジア諸国などの海外からも出品があったり、国境を越えて参加してくださる方も増えてきました。

公募入選作品展示場(スペース428)

スポーツ芸術の枠組みの中では世界的なアスリートと義足の技術を体感できる「渋谷シティゲーム〜世界最速への挑戦〜」という競技イベントを渋谷のファイアー通りで開催しています(2017年、2018年実施)。発信しなければ!盛り上げなければ!と、無理をしなくても、誰もが楽しめる芸術祭として成立しているのは、渋谷区のニュートラルな立ち位置ならではといえるかもしれません。

「渋谷シティゲーム〜世界最速への挑戦〜」

渋谷の街中を陸上トラックにして60mの世界最速に挑むストリートレース

芸術は、“美術”だけじゃなくたくさんの芸術の分野が存在します。継続的な開催を通して、新ジャンルとなる芸術のコミュニティ形成できればと思っています。例えば、身体アートなどの演劇や、声楽、ミュージシャンや、モデルさんや、美容師さん、建築家さんなど、将来的には色々な文脈で芸術の根がある場所が渋谷でつながり、新しい枝葉を拡げていけるような祭典にしていきたいです。

 

■人を集めるのではなく、集まる人に呼びかけるのが渋谷芸術祭。

 岡本太郎さんの作品が渋谷駅に設置されたことがきっかけで、街の人々が主導で、渋谷で芸術に触れる機会を作りたいとして渋谷芸術祭が立ち上がりました。そもそも、渋谷自体は自然と人の集まる場所なので、そこで人と芸術が交わるタッチポイントを無理せずつくり続けています。渋谷は渋谷川に沿って沖積層が形成する谷です。その窪んだ谷地には、世界中の人々の注目が集まっていて、その壮大なエネルギーはまるで山の様です。地形的には谷なのに頭の中では壮大な山のイメージがある。渋谷は、そんなちょっと矛盾しているようにもみえる、面白い街ですね。

渋谷駅にある岡本太郎さんの壁画「明日の神話」

 

■自と他。繋がることで生まれるチカラ

自分の家のお隣さんや地域の人たちの繋がりを大事にする「縁」の様な感覚を大切に、主催団体、地域住民、協賛社、参加者の繋がりを保持して運営しています。お互いの顔が分かるような近い関係性を育み続けることで、結果的に強い信頼が生まれている様に感じます。東京って、人が多く隣人のひととなりがわからないが故の不信感がストレスになり、それが溜まって病気になったりします。そんな東京で隣人と安心して暮らせたり、繋がりがあるからこそ、お互い信頼できたり助け合える環境があると良いですよね?縁や繋がりを大事にすることで、色々な人の心が通い合い、ストレスが解消できるような活力の源のような環境に渋谷芸術祭がなると良いと思っています。

今回は、渋谷芸術祭が第11回目ということから、“Resonance”(レゾナンス)という共振・共鳴をテーマとして開催しました。“11”という数字に着目し、1が2つある“11”は多様な数字で、1と1を足すと2になったり、1と1を重ねると1になったりと、1と1を人に見立てると“自と他”に見えたり、芸術を通して自と他が共振・共鳴することから、今回は“Resonance”をテーマに採用しました。メインビジュアルや公式サイトもこのテーマで作っていますのでぜひチェックしてみてください。今年はSHIBUYA ART AWARDSの入選作品展の日数を増やすことで芸術とのタッチポイントを多くなるよう、少しずつですが進化しています。

 

■芸術を育む社会をつくる

作家さんの豊かな生命力から芸術が生まれています。その芸術を体感することで、私たちは共感し、反感したりと心が様々に動きます。そういった活力をくれる芸術は、いわば心の妙薬の様なものです。もちろん目に見えない薬ですけどね(笑)。芸術の大切さは体感した人しかわからないと思いますが、僕自身も渋谷駅の「明日の神話」などのパブリックアートをみているだけでも、活力をもらっていて、芸術や芸術家そして、その芸術のある豊かな社会環境に日々感謝しています。こういった社会環境を育む一つとして渋谷芸術祭を開催し続けることができ、また、来場者の心の処方箋の様なものとして、来て下さった人のストレス軽減、生命力向上などの効果を発揮してくれるとなお嬉しいですね(笑)。

渋谷芸術祭実行員の米田憲史さん@渋谷区本庁舎(いい眺め)

米田憲史さん、ありがとうございました!

12月2日に行われた、2019年の授賞式も今年も大変な盛り上がりでした。懇親会では、アーティストの方々と運営側や地域の方々が、アートの力で今後も地域を盛り上げたい!という思いを語り合われている姿をみて、このような交流の場がボーダレスにあることで、渋谷芸術祭がワンチーム化していき、どんどん盛り上がっていくのだと思いました。

授賞式のみなさん

渋谷区再開発も進んでいて、未知なる世界都市に進化しようとしている渋谷の街。渋谷の街の進化に合わせて、渋谷芸術祭も進化していくのですね!来年も楽しみにしています!

渋谷芸術祭 http://shibugei.jp/

シブヤアワード http://shibuyaawards.com

 

取材・文: 吉澤彩香
Reporting and Statement: ayaka

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