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26

Oct.

2020

event
16 Mar. 2020

“シブヤ大学で学ぶ”体験。「何とかならないか」をみんなで考えた。

吉澤彩香
プランナー
吉澤彩香

「シブヤでまなぶ・シブヤであそぶ・シブヤをつくる」を提供するシブヤ大学。街をまるごとキャンパスとして、様々なテーマで授業を開催されています。前回は、学長の左京泰明さんにインタビューしました。お話を聞くと、ますますシブヤ大学の授業が気になります!そんな熱意に応えてくださり、今回は、生徒としてシブヤ大学の授業に参加させていただいた体験レポートです!

 

プロの職場が今日の教室!

授業は、「都市型工房と考える小さな一歩」というテーマです。渋谷の企業や店舗、学校と一緒に、あらゆるアプローチで「わたしにできること」を考えていくプロジェクトの第一回目です。今回のキャンパスは、株式会社光伸プランニングさん。屋外広告やディスプレイ用の装飾物を制作されている会社です。

早速、光伸プランニングさんの会社に着くと、今回ファシリテーターを務める、シブヤ大学の佐藤 隆俊(さとうたかとし)さんと、大澤 悠季(おおさわゆき)さんが出迎えてくださりました。「すごい機械がいっぱいなんですよ!」という室内に進むと、大きなマシーンや、資材がずらり。授業で使用する机は、天板全体がゴムボードのようになっていて、初めてみるタイプでした。普段見ることのできないプロの作業場で授業ができるというのも、今回の授業の魅力の一つです。

生徒の方々が集まってきました。小学生からご年配のかたまでと、年齢層の幅が広く、また単独参加や親子参加など様々です。モニターには早速お題が表示されていて、授業が始まるまでに、自分の「何とかならないか」という日々のモヤモヤを書き出すというもの。「個人レベル」、「地域レベル」、「社会レベル」の3つのレベルに分けてモヤモヤを書き出し、準備万端です。

 

授業開講。モヤモヤを吐き出す!

本日の講師は、光伸プランニング代表取締役の原 壯(はら たけし)さんと、技術開発部・コーディネーターの飯塚 達成(いいづか たつなり)さん。授業はグループで行い、2部構成になっています。

前半 私たちの「なんとかしたい!」を共有する時間

後半 光伸プランニングの「なんとかしたい!」を皆で考える時間

前半は、普段「何とからならないか」と思っているみんなのモヤモヤを共有して、解決策をブレストします。後半は光伸プランニングさんが抱える、「つくることで生まれる課題や悩み」をみんなで考えていきます。

 

吐き出したモヤモヤについて考える

3つのレベルで書き出したモヤモヤをグループごとに発表しました。「買った本を読む時間が無い」「買い物に行くとエコバックを忘れちゃう」といったどこか共感できる個人的モヤモヤから、「地域の交流が少ない」「もっと運動できる場所がほしい」という主婦の目線や、学生視点のモヤモヤも。様々な年代の人が集まっているからこそ、新しい発見があります。

次に、「モヤモヤが、どうして問題となってしまったか・どうやったら解決できそうか」をグループごとにディスカッションして発表します。例えば、「雨が苦手」というモヤモヤに対して、「雨の日割引」や「道が濡れるとアートがでてくる」といった、ネガティブをポジティブに転換するアイデアもでるなど、ウォーミングアップできました。

 

後半は、光伸プランニングさんの、「何とかしたい!」を知り、みんなでディスカッションタイムです。まずは職場見学。3Dプリンターやレーザーカッターなど最新の機械がずらりと並び、実際に稼働している機械もありました。

 

中でも生徒から人気だった機械は3Dプリンター。

プログラミングしたデータが立体物になっていく様子は目が離せません(笑)

 

 

見学が終わったところで、今回の授業の本題に

光伸プランニングさんは、「都市型工房(URBAN FACTORY)であること」をビジョンに掲げ、渋谷にある工房として、1人でも多くの「つくりたい」という気持ちに応えられる企業をめざしています。オープンファクトリーなどの取り組みも実施されている中で、「企業として良いことばかりを発信していて良いのだろうか?」という疑問がありました。企業として本当に世の中に寄与するためには、「あえて企業の抱える問題点をオープンにすることで、もっと社会的な問題を解決できるのでは」と思い、「一人で考えられないことをみんなで考えて共有する場をつくろう!」とシブヤ大学での授業を企画されたそうです。

 

「何とかならないだろうか?」をみんなで一緒に考える

光伸プランニングさんの課題は「廃材」。作られた制作物の一部は、店頭広告やイベントなどで一時的に使用され、展示期間が終わると廃材となって処分しなければなりません。また、制作に伴う資材の切れ端や、紙管、包装資材なども廃材となります。

これらを「何とかならないだろうか?」と悩んでいました。

廃材を活用できる取り組みとして、近くのデザイン学校への廃材提供を試みたそうです。しかし、継続して廃材提供を行うには、廃材を保管する場所の確保や運搬コスト、使用後の制作物に関してはクライアントの許可が必要になることがネックとなっていました。

廃材の実物もみせていただき、早速グループに分かれて、「何とかならないだろうか」のディスカッション開始です。

「何とかできそう」が出てきた!

ディスカッションをしていると、「映画を撮るのに廃材が是非欲しい!」「廃材でアクセサリーを制作したい!」など、意外と廃材にニーズがあるようです。廃材を必要としている人にどう届けるか、欲しい人とどのようにマッチングするか、欲しい人たちと企業の双方に負担が少なくハッピーになれるにはどうしたら良いか、などをディスカッションしました。光伸プランニングの原さんと飯塚さんも、みんなのディスカッションに参加され、具体的な課題を直接伺うことができました。当日出た色々なアイデアの一部をご紹介します。

  • アートイベントに廃材を提供する。
  • 廃材を無料で提供する日を決めてピックアップに来てもらう。
  • 欲しい人とのマッチングアプリを開発する。
  • 学祭や催し事に使える廃材を無償で提供できることをSNSで発信し、必要であれば取りに来てもらう。
  • プロジェクトを立ち上げるときに、廃材の活用について、事前にクライアントや広告代理店と考えてみる。

「廃材を自由に持ち帰れる日を決める」という、短期的視点の解決案や、根本的解決のために「廃材を出さないようにする」という長期的視点の解決案が飛び交い、活発なディスカッションがなされていました。光伸プランニングのお二人も、熱心にメモされ、とてもいい授業だったと仰っていました。

参加してみてから考える

今回参加したことで見えたことは、必ずしも答えを見つけなければならないわけではなく、考えや視点をシェアすることで、新しい課題解決のヒントを得ることができるということです。また、ディスカッションを通して、自分の仕事や生活を振り返って考える機会にもなりました。世の中を飾っていたものが、役目を終えるとゴミとなっていたという衝撃的な事実。立場が変われば見えてくる問題で、そこに気づけたのは大きな学びでした。渋谷という最先端の街で抱える課題は、今後、あるいは既に、色々な都市も抱えている課題かもしれません。シブヤ大学では、普段接点のないジャンルや人と渋谷で出会えることで、新しい気付きと、渋谷の新たな一面を覗くことができるのも魅力です。授業の参加料も無料なので、シブヤ大学で、生徒として参加してみてくださいね!

 

シブヤ大学リンク:http://www.shibuya-univ.net/

取材・文: 吉澤彩香
Reporting and Statement: ayaka

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