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10 Jul. 2018

-LOVE&EQUALITY すべての愛に平等を- 東京レインボープライド2018 レポートvol.1

八木まどか
メディアプランナー
八木まどか

 今年も4月末から5月初めのゴールデンウィーク期間中、9日間に渡って日本最大級のLGBT関連イベント「東京レインボープライド 2018」が開催されました。7回目の開催となる今年のテーマは「LOVE&EQUALITY すべての愛に平等を」。求めるのは特別な権利ではなく、あたりまえの「平等」です。晴天に恵まれ、多くの企業・団体などがブースを出展するプライドフェスティバルが開催された代々木公園イベント広場の来場者は、過去最高を更新。5月5、6日の2日間でのべ14万人を動員しました。最終日の6日、渋谷を練り歩いたパレード参加者も、昨年から2千人増の7千人にのぼり、これもまた過去最高を記録。他のイベントも合わせた動員数はのべ15万2千人と、かつてない規模となりました。

プライドフェスティバルに出展する企業は年々増えていて、今年は過去最高の「213」もの企業・団体が協賛しました。会場では、LGBTをはじめ多様性の課題に向き合う企業の、各社の特色が出たアイデアが見られました。本記事ではその一部を紹介します。

 

 

 AIGジャパン・ホールディングス株式会社のブースでは、「DIVERSITY IS STRENGTH(多様性こそ強さ)」キャンペーンを展開。ツイッター上で同キャンペーンへの賛同を募り、フォローとリツイートをした人のなかから抽選で200名に、通常は黒で横に生地を引っ張るとレインボーカラーになる「UNITED BLACK Tシャツ」をプレゼントする企画を行っていました。「すべての色を混ぜると黒になる」というのがそのコンセプトです。ブースでは、そのTシャツを展示し、試着して写真撮影するサービスもありました。

AIG②

 この企画を行った背景には、AIGがニュージーランド代表のラグビーチーム「オールブラックス」のグローバルスポンサーだということがあります。半年前からこの企画の準備を進める間に、海外では、ある有名なラグビー選手が同性愛者への差別発言をするという問題が起こりました。マーケティング部のデイビット・ヒースさんは、「『オールブラックス』は人種や民族の多様性を体現するチームであり、AIGもまた、お客さまとスタッフの多様性を大切にし、よいサービスを提供するためにあらゆる差別に立ち向かう。国内外においてこのキャンペーンはとても強いメッセージとして受け取られています」とその意義について教えてくれました。

 

 株式会社ビズリーチは今年が初めての出展です。ブースの前に社名の入った大きなレインボーカラーのフラッグを広げて置き、来場者に「はたらくこと」について自由にコメントを書き込んでもらうという趣向でした。フラッグには、「誰もが活躍できる会社」「夜は働かない会社」「すべての働く理由を受け入れる会社」などのコメントが寄せられ、みんなが働きやすい会社には何が必要なのか、ヒントになる書き込みが続々と集まっていました。こうして多くの人の働くことへの考えを知ることは、多様性を考えることにつながるという意図が感じられました。

ビズリーチ②

 出展の背景には、出身や性別など関係なく、すべての人がありのままの自分を表現して生き生きと働ける社会を創りたいという思いがあり、そのひとつとしてLGBTに関しても社内外で取り組みを始めたとのことです。

ビズリーチ①

「私たちもまだ、多様なセクシュアリティについて完璧に理解できているとは思っていません。だからこそ興味をもって学び続けることが大切だと考えていて、そのための第一歩として今回参加しました」(人事本部の酒井陽夏さん)。社内では勉強会や、有志でコミュニティをつくってセクシュアリティについて話す機会を設けたりしているそうです。

 

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStationブースの前には初日から長い行列ができ、待ち時間は30分を超えていました。

プレステ① トリミング

 ブースでは来場者の写真を撮影し、レインボーのグラデーション加工を施して、コントローラーのボタンのアイコンである△〇☓☐のデザインもあしらった、TRP会場でしか手に入らないオリジナルのフォトデータをプレゼントするという企画が行われていました。「多くの人に来て親しんでもらえるようなブース」をコンセプトに、プレイステーションらしいデジタルの世界が楽しめるような企画にしたそうです。

「SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)としては初めての参加となった今回は、働くすべての人が性別や人種、国籍、性的指向などにとらわれずに自然に受け入れられることを、自社の社員はもちろん、これから社員になる人にも伝えたいと考えました」と、広報部広報課の新子夏海さんが初出展の思いを語ってくれました。

プレステ②トリミング

次回の記事では、こちらも初出展だったセブン・イレブン・ジャパン、スターバックスジャパンなどのブースの様子をレポートさせていただきます。

 

取材・文: 八木まどか
Reporting and Statement: yagi

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